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中国リポート

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 中国男子チームの劉国梁監督は、今月13~20日に行われる第16回アジア競技大会の男子代表メンバーのうち、男子団体と混合ダブルスにエントリーしていた王励勤を許シンと交替させることを発表した。
 今回の中国男子チームのエントリーは、王皓・馬龍・張継科・馬琳・王励勤と全員が右利き。男子団体は5シングルスのABC-XYZ方式で行われるため、中国の優位は揺るがないが、問題は男子ダブルス。中国が2大会連続で金メダルを逃し、過去12大会で3回しか優勝していない鬼門(きもん)の種目だ。故障を抱える馬龍と王皓と、ほとんどペアを組んだ経験がない馬琳と張継科のペアリングが予定されていたが、日本の水谷隼/岸川聖也をはじめとするアジアの強豪ペアに大しては盤石ではない。ダブルスに強い許シンを陣容に加え、ペアリングを変更してくる可能性が大きい。団体戦でも序盤を中心に許シンを起用し、経験を積ませるだろう。

 2002年に釜山で行われた第14回アジア競技大会で、男子シングルスのチャンピオンに輝いた王励勤。しかし、06年のドーハ大会は直前の国際大会での不調もあり、エントリーされず。男子シングルスでは王皓が優勝した。翌07年の世界選手権ザグレブ大会で2連覇を果たし、09年横浜大会でも2位と気を吐いた王励勤だが、どうもアジア競技大会との巡り合わせが良くないようだ。
 08年10月にマスコミの質問に対し、「09年の世界選手権と全中国運動会、この2つの大会が終わったら、あとは成り行きに任せる。広州でのアジア競技大会については、特に考えていない」とコメントしていた王励勤。ロンドン五輪への道は果てしなく険しく、広州大会も引退の花道ではなくなった。このエントリー変更が、国家チーム首脳陣からの「肩たたき(引退勧告)」と言えるものなのか…?

Photo:上海市チームの先輩・後輩で、全中国運動会のチャンピオンペアでもある王励勤(上)と許シン(下)