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中国リポート

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 10月30日~11月4日まで、江蘇省太倉市の太倉体育館で開催された『2010年全国優秀青少年卓球調賽』。全国43の省と市から300名を超える選手が参加して盛大に行われた。出場資格があるのは、1993年1月1日以降に生まれた17歳以下の選手たち。年齢詐称を防ぐため、骨年齢の計測も行われている。
 試合方式は、まず第1ステージが6名によるリーグ戦。4位までの計64名が第2ステージに進み、4名によるリーグ戦の上位2名が第3ステージに進出。第3ステージは32名によるトーナメント形式で行われ、優勝するためには第1ステージから通算12試合を勝ち抜かねばならない。17歳以下のトップ選手による選抜大会ではあるが、より多くの試合を戦わせる経験の場でもある。国家2軍チームのコーチも視察に訪れ、優秀な人材の選抜に当たる。
 まず男子の上位の結果は以下のとおり。

●準々決勝
呉家驥(遼寧省) 4、7、7、-9、8 徐晨皓(新彊ウイグル自治区)
劉亜楠(解放軍) 9、3、3、7 李朝旭(北京市)
林高遠(広東省) 9、9、-3、6、10 范勝鵬(河北省)
周啓豪(広東省) 10、10、5、8 呉迪(北京市)
●準決勝
呉家驥 -8、-7、9、7、-11、4、6 劉亜楠
林高遠 12、5、5、4 周啓豪
●決勝
呉家驥 1、5、9、4 林高遠

 国家2軍チームから9名の選手が参戦したが、昨年度3位の鄭培峰(福建省)や4位の尹航(解放軍)が第2ステージで3位となり、ベスト32に進めない波乱。その中で、強さを見せつけたのは昨年度チャンピオン、右ペンホルダー両面裏ソフトドライブ型の呉家驥(ウ・ジアジィ)。第1ステージから9試合連続ストレート勝ちと快進撃を続け、唯一の苦戦となった準決勝の劉亜楠戦を逆転で乗り切ると、決勝では国家2軍チームのチームメイトである林高遠(リン・ガオユエン)にストレートで完勝。昨年に続く2連覇を決めた。
 今年は7月の荻村杯では、15歳にしてプロツアー初代表に選ばれた呉家驥。超級リーグと日程が重なったため、ジュニア選手のみの派遣となったことが幸いした。荻村杯では男子シングルス1回戦で上田仁(青森大)にゲームオール11点で競り勝ったものの、2回戦で水谷隼(明治大)に一方的なスコアで完敗。プロツアーの洗礼を受けた。運動能力は非常に高く、体つきもまだ細いが筋肉質で、これから大きくなりそう。「王皓2世」と呼ぶには裏面打法の技術レベルがもうひとつだが、まずは国家1軍チーム入りが目標だ。

Photo上:中国期待のペンドラ・呉家驥
Photo下:決勝で呉家驥に完敗したが、安定した勝ち上がりを見せた林高遠
(写真はともに2010年荻村杯)