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中国リポート

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 11月16日、現地時間の午後14時30分から行われたアジア競技大会・女子団体決勝。5月のモスクワ大会の女子決勝と同じ、中国vs.シンガポールの顔合わせとなったことで、勝敗の行方に注目が集まったが、結果は中国の完勝。トップから3番まで、3試合とも3-0のストレートで勝利する一方的な展開となった。女子団体決勝のスコアは以下のとおり。

 [中国 3-0 シンガポール]
○李暁霞 8、13、9 王越古
○郭炎 8、6、9 馮天薇
○郭躍 10、7、5 リ・ジャウェイ

 完璧なリベンジを達成した施之皓監督のコメントを紹介しよう。
 「『シンガポールに復讐したい気持ちはあるか?』と聞いてくるマスコミもいるが、私にはそんな気持ちは毛頭(もうとう)ない。スポーツの世界に身を置く以上、毎日が勝利と敗北の連続だからね。勝ちたいと思う気持ちは誰でも同じで、肝心なのは自分本来のプレーができるかということ。シンガポールの周樹森さんは私の大先輩だし、我々は友人でもある。だから復讐なんて気持ちはなかったね」(出典『揚子晩報』)。…もちろんシンガポール戦は、中国にとっては絶対に負けられない一戦。タテマエの世界ではあるが、圧倒的な実力差を見せつけ、余裕のコメントとも言える。
 今回の女子団体決勝に起用されたのは、李暁霞、郭炎、郭躍の3人。国家体育総局の蔡振華局長も久々に出陣し、サッカーやバドミントンの視察で多忙を極める中、男女団体準決勝・決勝は劉国梁、施之皓の両監督と話し合ってオーダーを決定したという。準決勝の韓国戦では、3番に金キョン娥が出てくることも読み切っていたというから、巧みな用兵術で幾つもの伝説を築いた蔡振華だけのことはある。

 モスクワ大会の決勝で2点を落とした劉詩ウェンは、準決勝でも2点起用されたが、トップで中国から帰化した右シェーク異質速攻型・石賀ジュンにゲームオールデュースで惜敗。4番で李暁霞が鞍山市チームの先輩でもある石賀ジュンに競り勝ち、チームの決勝進出を決めたが、ラストで劉詩ウェンと朴美英の対戦が実現していたら、結果はどうなっていたか分からない。結局、決勝では丁寧とともにベンチを温め、地元・広州市のファンの前で、自らの手で優勝を決めることはできなかった。
 蔡振華局長は会見で劉詩ウェンについて「今が劉詩ウェンにとって最も苦しく、最も重要な時期。これを乗り越えられるかどうかは、彼女自身にかかっている」とコメント。劉詩ウェンは個人戦で唯一出場する女子ダブルスで、丁寧とともに名誉挽回を期することになった

Photo上:施之皓監督、団体優勝という最低限のノルマは果たしたか
Photo下:決勝トップに起用され、見事に期待に応えた李暁霞