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中国リポート

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 アジア競技大会で女子シングルスチャンピオンに輝いた李暁霞。その李暁霞が学んだ済南市体育学校のある山東省の省都・済南市で、なかなか興味深い試合が行われることを『済南時報』が伝えている。その名も「人機大戦」。「人」と「機械(卓球マシン)」が戦う試合のエントリーを、現在受付中だというのだ。
 この「人機大戦」は、今年で第6回を迎える「済南市卓球等級大会」の一環として12月18~19日に行われるもの。会場は済南市の四つ星ホテル「玉泉森信大酒店」の6階にある卓球クラブ。高級ホテルの中に卓球クラブがあるというのも驚きだが、「玉泉森信大酒店」の経営者である常金月氏が大会開催に情熱を傾け、すでに6台の卓球マシンを購入。ツワモノたちの挑戦を手ぐすね引いて待ち受けている。

 それにしても、「ひとりでも試合はできる」と卓球マシンとの“試合”にエントリーを受け付けるとは、なかなかユニーク(?)。ちょっとした発想の飛躍が必要だ。男女とも成績の上位32名までが第2ステージに進み、上位3名が表彰されるとのことだが、肝心の対戦形式については残念ながら記述がない。本当に機械に勝つには、電源のスイッチかコンセントに渾身のスマッシュを叩き込むしかなさそうだが、2009年に河北省邯鄲市で行われた「人機大戦」(他にもやっている人がいるのだ)では、規定時間内に返球したボールの数で勝敗をつけている。おそらく同じような形式で行われるのだろう。
 なかなか高価な卓球マシン、中高生だとマシンのボールを打ったことがない選手も少なくないはず。日本でも高価なマシンを揃え、「ブツ切り下回転」部門や、「超絶パワードライブ」部門などに分けて、どれだけ返球できたかを競う「人機大戦」をやれば、意外に人気を集めるかもしれない。

 …まったく関係のない話ですが、東京・お台場の「台場小香港」という小さな中華街に、かつて1台のマシン付き卓球台が設置されており(現在は不明)、中国リポート担当も挑戦したことがあります。ゲームセンターの一角で、完全にお遊びの雰囲気なのに、両サイドから間断なく放たれるボールにキリキリ舞い。「こ、これはアミューズメントではない」と思いながらマシンに両ハンドの雨を浴びせ、高得点を叩き出しました。
 そして、しばらく経ってからまた卓球台の前を通りがかると、ふたりで台に着き、のほほんとピンポン球を打ち返すカップルの姿が。…カップル用の卓球台を相手に、孤軍奮闘していたわけです。「ふ、ふたりでやれば良かった」と「人機大戦」には勝ちながら、敗北感に打ちのめされた遠い日の記憶であります。

Photo上:頃合いの画像がないので、「精密機械」こと孔令輝にご登場願いました…