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中国リポート

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 明日12月30日、北京市の国家体育総局トレーニングセンターで、来年5月8日に開幕する第51回世界卓球選手権(個人戦)ロッテルダム大会の選考会「直通鹿特丹」が早くもスタートする。
 2006年からスタートし、08年の広州大会(団体戦)以外は毎年行われているこの「直通~」シリーズ。これまでの「不莱梅(ブレーメン)」「薩格勒布(ザグレブ)」「「莫斯科(モスクワ)」と比べると、「鹿特丹(ロッテルダム)」というのは字面もなかなか良く、力強い。強壮効果のある漢方薬のようだ(?)。「鹿特丹」を中国語でそのまま発音すると、「ルーテーダン」という感じでしょうか。

 今回が第一次選考会となる女子の「直通鹿特丹」は、12月30~31日に第1ラウンドとして予選リーグを開催。国家1軍チームの21名に2軍チームの上位選手3名を加え、24名を1グループ6名ずつのリーグに分けて実施する。この予選リーグの上位2名までが、来年1月7~8日に行われる第2ラウンドに進み、この第2ラウンドの優勝者がロッテルダム大会の出場権獲得第1号となる。
 そして今回の「直通鹿特丹」では、国家女子1軍チームと2軍チームの入れ替え戦も同時に開催される。第2ラウンドに進む各グループの上位2名とは対照的に、各グループの下位2名は、1月3日に行われるトーナメント戦に出場。下位2名が国家2軍チームへ自動降格となる。トップ集団は出場権獲得を目指して競わせ、中堅や下位の若手には2軍落ちの恐怖をちらつかせて、こちらも必死で戦わせる。結果的に番狂わせが起こりやすくなり、よりハードな代表選考会になるわけだ。

 モスクワ大会で世界選手権の団体のタイトルを失った中国女子にとって、世界選手権ロッテルダム大会はやはり負けられない大会。施之皓監督は12月23日に行われた「2010国家卓球チームコーチ報告会およびコーチ選考会」で、次のようにコメントしている。

「08年北京五輪と09年横浜大会でタイトルを独占したことで、我々は歓喜に浸り、中国女子が依然として、技術的にも心理的にも圧倒的な優位を保っていると思い込んでしまった。その優位に基づいて、少し努力すればどんな問題も乗り越えられるという驕(おご)りが生まれ、結局進むべき方向を見失ってしまった。『驕兵必敗(おごった兵隊は必ず敗れる)』、これがモスクワ大会での失敗を招いた根源だ。
 神話は常に破られるということ、優位などすでに存在しないこと。我々はそれを痛感すると同時に、闘志を奮い立たせている」


 中国リポート、2010年は今回で打ち止めとさせて頂きます。ちなみに今年のリポート回数は146回でした。長く間が空く時もありましたが、来年もなるべく多くリポートしていきたいと思います。2011年も卓球界にとって良い年となりますように!

Photo上:モスクワ大会での敗戦の理由を率直に語った施之皓監督
Photo下:昨年の「直通莫斯科」第1ステージで優勝した郭躍
(写真はともに2010年モスクワ大会)