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中国リポート

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 2月9日から始まったITTFプロツアー・カタールオープン。選手のエントリーリストや、日本卓球協会HPの記録ページを見て、目ざといファンの方はもうお気づきでしょう。シンガポール男女チームに、新たに男子3名、女子2名の中国選手が加入している。加入選手のリストは以下のとおりだ。

[男子]
★ジャン(瞻の右側)健(ジャン・ジェン) ZHAN Jian
1982年1月1日生まれ/29歳・湖北省出身 
右シェークフォア表ソフト・バック裏ソフト前陣速攻型
2001年世界選手権混合複3位・シングルスベスト32

★李虎(リィ・フー) LI Hu
1988年6月26日生まれ/22歳・湖北省出身
右シェーク両面裏ソフトドライブ型
2003年世界ジュニア選手権優勝

★陳豊(チェン・フォン) CHEN Feng
16歳・河北省出身

[女子]
☆周一涵(ジョウ・イーハン) ZHOU Yihan
1994年1月30日生まれ/17歳・山東省出身
右シェーク両面裏ソフトドライブ型
2007-2008年U-17中国オールスター大会出場

☆林叶(リン・イエ) LIN Ye
15歳・湖南省出身

 …やはり目玉は男子のジャン健だろう。日本リーグのグランプリや、超級リーグの覇州海潤でポイントゲッターとして活躍したジャン健は、97年から07年まで10年近く国家チームに所属。2001年の世界選手権大阪大会では、白楊との異質攻撃ペアで銅メダルを獲得している。06年に初めて行われた国家チームの代表選考会「直通ブレーメン」では、馬琳や陳杞、馬龍を連破してその実力を見せつけた。国際大会での実績は少ないが、シェークフォア表ソフトの攻撃型としては、2000年代で最強と言っていい選手だ。12月からシンガポールに渡って、春節でも帰国せずに練習に励み、カタールオープンの予選リーグでは上田仁(青森大)とツムデンコ(ウクライナ)をストレートで退けている。

 李虎は世界ジュニア選手権の初代チャンピオン。湖北省から海南省へ移籍し、元国家2軍チーム監督の楊光炎氏の指導を受けた。同世代でも有望な選手のひとりだったが、04年以降は成績が伸び悩み、2軍チームに戻された経験も。07年の城市運動会で武漢市を団体優勝に導いて「眠れる虎の覚醒」と報道されたが、最近はその名を聞くことは少なくなっていた。
 女子の周一涵は山東省出身で、遼寧省に移籍した選手。上背のある右シェークドライブ型で、世界ジュニアに出場した陳夢や趙岩とは同世代のライバルだった。残る男子の陳豊と女子の林叶は、国家2軍チームまでは手が届かなかったようだ。

 08年2月の年次総会で、国際卓球連盟は協会を移籍した選手の大会出場に関して、大幅な制限を加えた。元中国代表のジャン健や李虎は、シンガポール代表として世界選手権には出場できない。それでも移籍に踏み切った背景には、やはりロンドン五輪というビッグゲームの存在があるようだ。長くなったのでその2に続きます…。

Photo上:グランプリでプレーしていた当時のジャン健
Photo下:カタールオープンでは2戦2勝で予選リーグを突破した李虎(写真提供:ITTF)