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中国リポート

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 2010年のシーズンから、外国選手のみで構成されたチームも参戦が認められるようになった甲Aリーグ。レベルの高い超級リーグでは海外選手の参戦は数えるほどだが、甲Aリーグは日本、韓国、台湾、香港などの若手が数多く参戦し、より国際色豊かなリーグになっている。これら海外の注目選手や、中国期待の若手選手の第1ステージでの成績をチェックしてみよう。

 まず男子Aブロック。昨年の世界ジュニア代表で、裏面打法を操る右ペンドライブ型・呉家驥(遼寧鉄嶺商業銀行・紅)はシングルス13勝4敗の好成績。昨シーズン、遼寧省男子チームが主体の錦州銀行が超級リーグに残留していれば、彼にも超級デビューのチャンスがあっただけに、錦州銀行の降格は惜しまれる。同じ世界ジュニア代表組の林高遠は13勝6敗、プロツアーなどで中国代表に抜擢されている尹航は10勝7敗だった。
 しかし、男子Aブロックには、恐るべき強さで彼らを一蹴した選手がいる。所属する湖南広電金鷹・紅を第1ステージ1位へと導いたジャン・ソンマン(北朝鮮)だ。尹航や林高遠をストレートで破るなど、シングルス17勝2敗。若手が多い甲Aリーグ、パワーでカットを打ち抜ける選手が少ないということもあるが、この成績は際立っている。

 男子Bブロックには、ロッテルダム大会男子複3位の鄭栄植をはじめ、李尚洙、徐賢徳という韓国選手が参戦。鄭栄植は国家2軍チームに所属するカットの劉イ(火×4)に敗れたものの、後半一気に調子を上げて16勝3敗と大活躍。李尚洙は13勝5敗、徐賢徳はシングルスは5勝4敗ながらダブルスで4勝を挙げている。08年世界ジュニアチャンピオンの陳建安(チャイニーズタイペイ)もシングルス14勝5敗の好成績を収めた。
 甲Aリーグに出場している中国選手たちの年齢層が、彼らより2~3歳若いことを差し引いても、男子の甲Aならアジアのホープたちは互角以上に戦える。馬龍や張継科が甲Aリーグをあっという間に卒業し、戦いの場を超級リーグへ移していったように、鄭栄植や李尚洙も早く超級リーグに挑戦したいところだ。

 一方、女子Aブロックは、優勝した江蘇江陽正恒の趙岩がシングルス16勝2敗。昨年12月の世界ジュニアでは準々決勝で石川佳純に完敗したが、彼女の活躍次第では、名門・江蘇チームが超級リーグに復活するかもしれない。同じ江蘇チームでは、女子では珍しい右ペン両面裏ソフトドライブ型の張薔も単7勝、複10勝を挙げている。
 甲Aリーグにも実力者がひしめいている中国女子。海外選手にとっては勝ち越すだけでも健闘と言える。チャイニーズタイペイの黄怡樺はAブロックで単5勝6敗、鄭怡静がBブロックで単9勝11敗。日本勢では平野早矢香が11勝8敗と勝ち越したが、これが超級リーグとなると、1勝を挙げるだけでも大変なことだ。

Photo上:筋肉の塊のようなジャン・ソンマン。昨年の世界団体選手権では、出足で連敗してベンチからこつ然と姿を消した。本当に心配しました…
Photo下:まゆ毛キリリの趙岩。第2ステージでも結果を残したい
(Photo上は10年アジア競技大会、下は10年世界ジュニア選手権)