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中国リポート

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 8月6~7日と13日、上海にある華東師範大学体育館で、『“熔盛重工杯”第2回上海卓球大会・世界チャンピオンチャレンジマッチ』が行われた。昨年も行われ、5名の選手たちが柳承敏(韓国)に挑んだこの賞金付き大会。今回、ビッグゲストとして登場したのは、浙商銀行の一員として超級リーグの男子プレーオフ準決勝を戦い終えたばかりのティモ・ボル(ドイツ)だ。
 参加上限の500名がすぐ一杯になり、日本やフランスからも選手が参加したこの大会。種目はプロクラスの選手が出場する男女専業組、ジュニアクラスの選手が出場する男女挑戦組、ベテラン選手が出場する男子中老年組の5つ。男子専業組の1・2位、女子専業組の1位、男子挑戦組の1位に、観客から抽選で選ばれた1名を加えた5名がボルの胸を借りた。

 ボルとの対戦は11点制の3ゲームズマッチ。最もレベルが高い男子専業組で2連覇を飾った楊嘯は、昨年度大会でなんと柳承敏に勝利していたが、今回は2ゲームとも6-11で敗戦。その他の選手たちも、当然とはいえストレートで敗れていく中で、ひとりだけボルからゲームを奪取した選手がいる。男子挑戦組で優勝した趙子豪(ジャオ・ズハオ)だ。ゲームカウント1-2で敗れたものの、第2ゲームを11-9で奪った。「彼はとてもセンスが良い。まだ14歳なの? すごいポテンシャルだね」とボルも賛辞を惜しまなかった。

 現在、上海曹燕華卓球学校の生徒である趙子豪は、裏面打法を駆使する右中国式ペンホルダードライブ型。甲Cリーグの上海浦宏(緑)チームでもプレーしている。左利きと右利きの違いはあるが、いわば「許シン2世」。曹燕華卓球学校の先輩・後輩で、同じ江蘇省出身なのだ。「ボルは王皓や許シンが苦手だと以前聞いたことがある。たぶんぼくの球に合わなかったんじゃないかな。相手は世界のトップ選手だから、すごく緊張したけど、今回の対戦からは学ぶところが多かった」とコメントしている。
 ボルから1ゲームを奪ったこの試合が、彼にとって大きな転機となるか。今年10月に江西省南昌市で開催される、21歳以下の選手による四年に一度の総合体育大会「第7回城市運動会」が、実力をアピールする格好の舞台になりそうだ。

Photo上:08年の東アジアホープスでは決勝で村松雄斗に敗れ、2位だった趙子豪
Photo下:ボルの愛称「ティモ」は中国語だと「蒂姆」と書きます