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中国リポート

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 中国が世界選手権の団体戦で初優勝を飾った1961年北京大会から、今年で50年。10月16日、この初タイトルから50周年を迎えたことを記念し、世界三大タイトル(五輪・世界選手権・ワールドカップ)で初めてタイトルを獲得した選手たちを表彰する式典「中国ピンパン輝煌50戴頒奨盛典」が、広東省中山市で盛大に行われた。

 2009年には「容国団が初の世界チャンピオンになって50年だ!」、2010年には「最初の集合訓練から50年だ!」と記念式典が行われてきた中国。何だかんだと理由をつけて集まろうとするのは、リタイアした卓球界の元老たちのためかもしれないが、今回の式典はなかなか盛大なもの。徐寅生、李富栄、張燮林といった定番のメンバーだけでなく、日中両国で代表選手として活躍した韋晴光(偉関晴光)、卓球界に一時代を築いた女王・王楠らも顔を揃えた。開催地の中山市は初の世界チャンピオン・容国団の出生の地で、国家女子チームの集合訓練も頻繁に行われ、卓球とは縁の深い場所だ。
 今回の「中国ピンパン輝煌50戴頒奨盛典」で表彰された「初めての世界チャンピオン」たち。少し長くなるが、下に列記してみた。

★世界選手権 ※カッコ内は獲得した年
[男子団体]容国団、徐寅生、李富栄、荘則棟、王伝耀(1961)
[女子団体]林慧卿、鄭敏之、梁麗珍、李赫男(1965)
[男子単]容国団(1959)
[女子単]邱鐘恵(1961)
[男子複]張燮林/王志良(1963)
[女子複]林慧卿/鄭敏之(1965)
[混合複]張燮林/林慧卿(1971)

★五輪
[男子団体]馬琳・王皓・王励勤(2008)
[女子団体]王楠・張怡寧・郭躍(2008)
[男子単]劉国梁(1996)
[女子単]陳静(1988)
[男子複]韋晴光/陳龍燦(1988)
[女子複]トウ亜萍/喬紅(1992)

★ワールドカップ ※ワールドダブルスカップを含む
[男子団体]王涛・馬文革・王浩・謝超杰・張雷(1991)
[女子団体]トウ亜萍・喬紅・陳子荷・高軍(1990)
[男子単]郭躍華(1980)
[女子単]トウ亜萍(1996)
[女子複]トウ亜萍/喬紅(1992)

 …ちなみに、この中で中国がひとつだけタイトルを獲り逃がしている種目がある。ひとつずつ見ていけばお分かりかと思うが、ワールドダブルスカップの男子。1990年と1992年の2回しか行われておらず、中国男子の低迷期にピタリとはまっているのだ。優勝はいずれも劉南奎/金擇洙(韓国)だった。

 会場中の視線を集めたのは、昨年10月に男の子を出産した王楠。卓球界の表舞台に姿を現すことは少なくなっているが、やはり注目度は抜群だ。「お世話になった監督やコーチの方々と久しく会う機会がなかったので、とても嬉しいです。この機会を作ってくださった皆さんに感謝します」(王楠)。
 文化大革命を機に袂(たもと)を分かち、盟友たちと微妙な距離感が続いていた荘則棟も、徐寅生や李富栄としっかり握手。数年前まではこうした記念式典とは無縁だった荘則棟だが、関係はかなり修復されてきたようだ。

Photo上:61年北京大会で団体と単の2冠に輝いた荘則棟
Photo下:ワールドカップ初代王者の郭躍華(写真は83年東京大会)