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中国リポート

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 香港で行われるロンドン五輪・アジア大陸予選に、男子は馬龍、女子は郭躍をエントリーした中国。
 男子の馬龍の選出はほぼ順当なもの。五輪団体戦の3番手の座は、馬龍と馬琳の「二馬対決」という構図だったが、昨年の後半から好調をキープし、世界選手権団体戦でも結果を残した馬龍が選ばれた。馬琳のビッグゲームでの経験は貴重なものだが、馬龍も今年10月には24歳という年齢を迎え、4年後のリオデジャネイロ五輪が初出場では少し遅すぎる。「選手としてのピークを迎えている今、五輪に出場させるべき」という意見が多かったようだ。馬龍と馬琳、両選手の微博(マイクロブログ)でのコメントを紹介しよう。

「ロンドン五輪の団体3番手に選ばれて、本当にうれしいし、国家チームの首脳陣、劉国梁監督がぼくを信じてくれたことに感謝したい。あと3カ月、さらに努力を重ねて、決して期待を裏切りたくない。
 そして馬琳、あなたはぼくにとって永遠の目標だ!!」(馬龍)

「祖国の利益が何よりも大事。そしてチームの勝利は我々みんなの勝利だ。いつだってこのチームにすべてを捧げるよ。みんな、頑張ってくれ」(馬琳)


 また、ドルトムント大会閉幕後の国家チームの酒宴で、馬琳が涙を流していたことを、劉国梁監督が微博で明かしている。

 「ぼくに酒をすすめに来た時、馬琳の眼にはもう涙が光っていた。きっと彼は、自分がロンドン五輪には出られないことを、もうわかっていたんだと思う。
 北京五輪の2冠王で、モスクワ大会の団体決勝では2点を挙げ、団体5連覇に貢献した馬琳。それなのに今大会は決勝のオーダーから外れ、ロンドン五輪にも出場できなかった。どうしてITTFは、(五輪での)中国チームの出場人数を制限しようとするのか。中国が強すぎるからか?
 考えていると気がふさぐんだ。強すぎることは間違いなんだろうか?」


 今年すでに32歳になる馬琳。若手選手からの突き上げに耐えながら、4年後のリオデジャネイロ五輪を目指す気力は、さすがに残っていないだろう。盟友の王励勤とともに、2013年の全中国運動会を引退の場に選ぶのか。いまだ叶わぬ、世界チャンピオンという目標に向かって走り続けるのか。その去就が注目される。

Photo上:馬龍、7月のロンドンまで好調をキープできるか
Photo下:馬琳、男子初の五輪2連覇への挑戦はならず
(写真はともに12年世界選手権団体戦)