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中国リポート

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 五輪アジア大陸予選で、馬龍(中国)が丹羽孝希(青森山田高)に敗れた一戦について、中国では様々な報道がなされている。

「馬龍、北京男子チームから初の五輪代表入りも、一番乗りでの代表権獲得はならず」(北京日報)
「劉国梁監督、丹羽を国家男子チームの強敵としてマーク」(北京晨報)
「馬龍、1試合余計に戦って五輪代表権獲得」(海南日報)
「560日間保持してきた、外国選手に対する不敗記録は、17歳の日本の若手選手によって打ち砕かれた」(羊城晩報)

 最後の羊城晩報の記事にある、「560日間の(対外国選手の)不敗記録」をさかのぼってみると、2010年9月のワールドチームカップクラシック準々決勝、対張一博(東京アート)戦だった。さらに2010年5月の世界団体選手権決勝、ボル(ドイツ)戦での敗戦を挟んで、2009年11月のアジア選手権・男子団体決勝3番で岸川聖也(スヴェンソン)に敗れている。日本の前に立ちはだかる厚く高い壁というイメージがある馬龍だが、近年の敗戦は対日本選手が多い。
「2回の敗戦(岸川・張一博)までは番くるわせと言えるが、さらにこの丹羽戦の敗戦が加わると、馬龍の『恐日症(=日本選手恐怖症)』は軽視できないものだ」(羊城晩報)。

 3回の敗戦を振り返ってみると、ワールドチームカップクラシックの張一博戦は左足の故障の影響も大きかったようだが、トップ許シンが松平健太に敗れたアジア選手権団体決勝、初の五輪出場が懸かっていた今回の五輪アジア大陸予選は、ともに大きなプレッシャーがかかる場面。精神的に追い込まれて持ち前の豪打が発揮できず、岸川と丹羽に台上で崩されて敗れた。アジア選手権団体決勝は、張継科・許シン・馬龍という若手のみのメンバー構成だったことも、プレッシャーを倍加させたはずだ。
 『恐日症』というより、やはり馬龍は大きなプレッシャーに打ち勝つだけの精神力がまだ足りないのか。その圧倒的な強さも、パフォーマンスのレベルが通常の40~50%まで下がってしまえば、世界のトップクラスでは戦えなくなる。

「ジュニア時代から馬龍のプレーは見てきたけど、あれほどブルッた馬龍は初めて見た」と香港から帰国した弊誌・今野編集長。「あれならオレでも勝てるよ」……も、もちろん冗談です。詳報は5月21日発売の7月号に掲載します。

Photo上:今回の五輪アジア大陸予選、丹羽戦のベンチでの馬龍
Photo下:09年アジア選手権団体決勝。3番で岸川に敗れた馬龍に、ベンチもかける言葉なし