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中国リポート

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 少し前の話になってしまったが、5月29日~6月2日に行われた「2012中国卓球クラブ甲Aリーグ・第1ステージ」の結果をお伝えしよう。甲Aリーグは超級リーグのひとつ下のリーグで、男女とも全24チームで構成。甲B・甲C・甲Dリーグは全32チーム、乙Aリーグは全64チームで構成される。一番下の乙Bリーグはチーム数は流動的だ。
 近年、甲A以下のリーグには日本、韓国、北朝鮮、台湾などから多くの若手選手が登録。甲Bリーグの女子などは、登録された156名の選手中28名が外国選手と、まるで「アジア教育リーグ」の様相を呈している。日本からは甲A~乙Aまでの各リーグに男子3名・女子29名(!)が登録されており、中国以外では最も登録選手数が多い。スペインにイタリア、タイにニュージーランドなど世界14カ国から選手が集い、甲A女子のMIKIHOUSE(日本)、甲B女子のPOSCO ENERGY(韓国)など、外国選手のみで構成されたチームもある。

 ……前置きが長くなりましたが、まずは甲A男子の日本人選手の結果から。
 日本選手は吉田海偉(個人)、村松雄斗(JOCエリートアカデミー/帝京)、吉田雅己(青森山田高)の3名が登録し、吉田海偉と村松雄斗が出場した。結果は以下のとおり。

★吉田海偉(雲南電網) ……シングルス12勝2敗
・主な対戦結果
吉田 -9、10、9、4 村松
吉田 6、13、8 丁祥恩(韓国/天津恒景集団)
吉田 3、7、10 ジャン・ソンマン(北朝鮮/湖南広電金鷹)

★村松雄斗(濮陽晨光実験中学) ……シングルス10勝1敗
・主な対戦結果
村松 -5、9、4、4 ジャン・ソンマン(北朝鮮/湖南広電金鷹)
村松 5、8、7 林高遠(広州双魚)
村松 7、9、4 孔令軒(山東魯能・緑)

 吉田は名前がまぎらわしい山東魯能のホープ・孔令軒と、元国家1軍チームの劉吉康に敗れたものの、シングルス12勝を挙げてチームのベスト8進出(7位)に貢献した。そして、15歳の村松の10勝1敗という成績はセンセーショナル。吉田との日本人対決以外は全勝を守り、ジャン・ソンマンとのカット対決を制したことは驚きだ。昨年の世界ジュニアでは0-4で敗れた林高遠にも、ストレートで完勝した。今大会では、同じカット+攻撃型の劉イ(火×4)が13勝1敗、馬特(2011年全中国ジュニア優勝)が8勝1敗と活躍しており、ジャン・ソンマンも日本人選手2人に敗れたとはいえ、8勝を挙げている。
 パワーが発展途上の若手が多い甲Aリーグは、カット主戦型が勝ちやすいと言えるかもしれない。それでも、村松の将来への期待はふくらむ。

 その他の注目選手では、先日のジャパンオープンでボル(ドイツ)を破った鄭栄植(韓国)は、単複とも6勝1敗の好成績。同じ韓国勢では、韓国オープンで馬龍(中国)に勝った李尚洙が6勝5敗、07年世界ジュニア優勝の丁祥恩が5勝6敗。
 中国の世界ジュニア代表組では、11年世界ジュニア2位の林高遠は9勝4敗と及第点だが、「王皓2世」こと呉家驥は3勝5敗と低迷。もうひとりのペンドラ・鄭培峰も、5勝4敗と今ひとつの成績に終わっている。

photo上:ブツ切りカットに加え、両ハンドの攻撃も非凡な村松雄斗
photo中:甲Aでさすがの貫禄を見せた吉田海偉
photo下:13勝をマークしたカットの劉イ
(写真は上から12年荻村杯、11年度全日本選手権、11年荻村杯)