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中国リポート

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 日本女子チームが、女子団体で史上初となる銀メダルを獲得したロンドン五輪。準決勝でシンガポールを一蹴した戦いぶりは素晴らしかった。中国リポートといえども、まずはこの偉業に盛大な拍手を送ります。恭喜恭喜!

 そして今大会の卓球競技でも、4種目すべてで金メダルを獲得した中国。男子シングルスでは、張継科が決勝で王皓を下し、初出場・初優勝を飾った。張継科は2011年5月の世界選手権優勝から、わずか15カ月ほどで「大満貫」を達成してしまった。08年北京五輪では馬琳や王励勤のトレーナー、そして09年世界選手権ではシングルス出場もかなわなかった選手が、10年世界団体選手権での活躍をきっかけに、鮮やかなサクセスストーリーを完結させた。

 これまで中国リポートでもたびたび登場してきた「大満貫」という言葉。オリンピック・世界選手権・ワールドカップの3つのタイトルを獲得することで、カードゲームのブリッジの用語である「グランドスラム」を、麻雀の用語で代用したもの。テニスで四大大会すべてを制することも、海外や日本ではグランドスラムだが、中国では大満貫と呼ばれている。
 これまで大満貫を達成しているのは、ワルドナー(スウェーデン)以外ではいずれも中国選手。トウ亜萍、劉国梁、孔令輝、王楠、張怡寧、そして今回の張継科。いずれも中国卓球界の「レジェンド」ばかりだが、張継科は『新京報』のインタビューに対し、次の目標は『もう一度大満貫を取ること』と言い切っている。偉大な先輩たちの中でも、「ダブル大満貫(3大大会で2回以上の優勝)」を達成しているのは張怡寧だけ。張継科は男子で初めてのダブル大満貫を狙うというのだ。まだまだこの男の辞書に満足の文字はない。

 15カ月で大満貫を達成したことも、本人は決して早いとは思っていないようで、「むしろごく正常だと思うよ。これはぼくの実力の現れだから、何も特別なことはないと思うけど」と答えている。ロンドン五輪の男子シングルスで最も苦戦した4回戦の後で、試合後に「良い練習になった」と言い放ったビッグマウスは、これからどんな名言・珍言を残すのか。

 ちなみに張継科に対しては、ロンドン五輪・閉会式で中国選手団の旗手を務めるのではないかという中国国内での報道もあり、張継科自身も「そのような大役を任されたら非常にうれしい」とコメントしていた。しかし、結局はヨット・女子レーザーラジアル級の徐莉佳が旗手を務めた。張継科は「テレビで観たって一緒だろう」と選手村の部屋で閉会式を観たそうだ。これまでの張継科のパフォーマンスの“実績”から言って、「アイツには安心して任せられない」というのが、中国選手団幹部の本音なのかもしれない(あくまで推測デス)。

photo上:バックブロックも抜群の安定感を見せた張継科
photo下:張継科、会場のエクセルでインタビューを受ける