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中国リポート

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2.老兵は死なず。…本当に死なず?!

 今回の世界ランキングには、7月にアメリカで行われたUSオープンの結果が加算されている。なぜか2カ月のタイムラグがあるのだが、そのUSオープンでの成績により、5カ月ぶりに世界ランキングに返り咲いたのが187位の成応華(チェン・インホア/アメリカ)。
 成応華は1958年、四川省卓球チームの成立と時を同じくして四川省重慶市に生まれ、75年に四川省チーム、77年に国家チーム入り。右シェークドライブ型で、表ソフト速攻型全盛の男子チームにあって、当時最大のライバルだったハンガリーのクランパの仮想選手(コピー選手)として長くプレーした。そのため中国代表として世界選手権に出場することはなかったが、全中国運動会では同じ四川省出身の陳龍燦と組んでダブルスで優勝している。

 88年にアメリカ代表チームのトレーナーとして渡米し、92年に国家チームのコーチだった黄統生とともに、ワシントンで卓球クラブを開設。現在では会員数200名を超える、アメリカでも最大級の卓球クラブに成長した。プレーヤーとしては、95年世界選手権にアメリカ代表として初出場を果たし、同年にアトランタで行われたワールドチームカップでは、「アメリカ卓球史に残る快挙」と言われたアメリカ男子チームの3位入賞に貢献。2000年シドニー五輪にも単複で出場している。

 今後、USオープン以外の国際大会には出場しないだろうし、USオープンへの出場も今回が最後かもしれない成応華。それでも、しばらくはワールドランキングにその名を残すだろう。49歳の「海外老兵」の卓球に懸ける情熱は、いまだに冷めることを知らないようだ。

Photo:モノクロ&古い写真で失礼! 95年ワールドチームカップでの成応華のプレー