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中国リポート

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 樊振東と馬龍という主力ふたりが代表権を獲得した男子『直通蘇州』に対し、女子では異変が起きた。第1ステージで劉詩ウェンが代表権を獲得した後、残る4名の主力選手(丁寧・李暁霞・朱雨玲・陳夢)にリーグ戦で選抜した木子・馮亜蘭・李暁丹・車暁曦の4名を加えて行ったトーナメント戦。ここで優勝したのはなんと26歳の右シェーク異質攻撃型の木子(ムゥ・ズ)。さらに第1ステージ2位の武楊との代表決定戦でも3−0で完勝し、2人目の代表権獲得となったのだ。その結果は下記のとおり。

☆☆☆ 『直通蘇州』女子第2ステージ 2.2〜6/江蘇省鎮江市 ☆☆☆

●準々決勝
丁寧 4、6、7 李暁丹
陳夢 −6、4、10、5 車暁曦
馮亜蘭 9、−9、9、6 朱雨玲
木子 −5、7、11、9 李暁霞
●準決勝
丁寧 −6、6、3、7 陳夢
木子 9、8、7 馮亜蘭
●決勝 木子 −9、8、−8、10、12 丁寧
●代表決定戦 木子 8、2、5 武楊
※木子が代表第2号に決定!

 バック表ソフトの木子だが、バック面の変化はほとんど使わず、フットワークを生かした連続フォアドライブで攻めに攻めた。代表決定戦で武楊を完璧にノックアウトしたフォアドライブの威力は、プラスチックボールをものともしない。
 3年前の2011年3月に行われた「直通鹿特丹(直通ロッテルダム)」第2ステージでも、決勝で李暁霞を破って代表権を獲得した木子。この直前に担当コーチが孔令輝(当時コーチ)から名伯楽・李隼に交代。その後、2軍落ちなども経験したものの、じっくりと実力を蓄えてきた。「李隼コーチのおかげで、メンタルも思考法も、ずいぶん成長することができたと思う。まだ世界戦の目標については考えられないけど、一番大事なのは外国選手との対戦でしっかり勝つこと」(木子/出典:『中国新聞網』)。

 世界選手権蘇州大会での、男女シングルスへの中国の出場枠は6名。劉詩ウェンに続いて木子が蘇州大会の代表権を獲得したことで、「李暁霞・丁寧・朱雨玲・陳夢・武楊の5名のうち、誰かひとりがシングルスのエントリーから外されるのでは?」という報道も中国国内ではある。ただし、木子はロッテルダム大会の時、「直通鹿特丹」で代表権を獲得しながら、シングルスにはエントリーされておらず、蘇州大会でもシングルスに出場するかどうかは定かではない。中国女子の孔令輝監督は、木子の代表権獲得を祝いながらも、「ずいぶんな難問を突きつけてくれたな」と正直にコメントしている。

 ちなみに蘇州大会の代表権を獲得した劉詩ウェンと木子は、ともに遼寧省撫順市の出身。世界選手権3連覇の女王・王楠もこの撫順市で生まれ育っている。男子では、元「柳承敏のコピー選手」こと王建軍や、「王皓2世」と言われた呉家驥も撫順市の出身だ。
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