スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
 7月12日、CCTV(中国中央電視台)のスポーツニュースが、1本のニュースを伝えた。張継科と中国超級リーグの所属クラブである山東魯能との間で、契約問題が紛糾。すでに超級リーグも第9節を迎えているというのに、未だに契約に至っていないというのだ。
 超級リーグに最後に出場した第5節で梁靖崑と崔慶磊に連敗し、その試合を最後に欠場が続いていた張継科。今年5月の世界卓球蘇州大会の後、重い腰痛を患い、腰部にある仙骨の亀裂骨折と診断されていたため、当然故障による欠場だと思われていた。しかし、実際は張継科の欠場は「ボイコット」であり、7月11日に行われた第9節でもベンチにすら入っていなかった。これは超級リーグでも前代未聞の事態だ。

 張継科は『新浪体育』の取材に対し、こうコメントしている。「第1節が終わった後、ぼくは契約書へのサインを済ませていたけど、クラブの首脳陣はサインをしてくれなかった。腰がどのような状態であれ、契約は結ばれるべき。プレーの内容が良ければ契約して、悪かったら契約を結ばないなんて、そんなことは言えないはずだよ。山東魯能で10年以上プレーしてきて、ぼくもクラブを信頼していたし、ずっと(契約するのを)待っていたんだ。でも今になってもまだ何の連絡もない。試合をボイコットするのは、ぼくが持っているひとつの権利だ」(張継科)。
 一方、山東魯能側の言い分はこうだ。「張継科は故障のために、試合でのパフォーマンスが落ちているし、出場機会も減少している。張継科に対する我々の要求は、他の選手より高いものであり、大事なのは良いプレーができるかどうかということ。彼のプレーさえ良くなり、一定の条件を満たすことができれば、もちろん契約を結ぶ。そのことには何の問題もない。」(孫奎明代表/出典『新浪体育』)。

 国家体育総局の卓球・バドミントン管理センターの主任である劉暁農氏は、昨日12日に山東魯能と張継科、双方から聞き取り調査を実施。張継科のような国家チームのトップ選手(特級運動員)の場合、故障で試合に出られない場合でも、超級リーグのすべての試合でベンチに入らなければならない規定がある(重度の故障を除く)。張継科のボイコットを報告せず、また試合へ出場させる努力を怠った山東魯能クラブと、規定に違反した張継科に対し、それぞれ5万元(約100万円)の罰金が課せられることになった。

 しかし、劉暁農氏が発表した契約内容によれば、張継科が第1〜5節まで「タダ働き」をさせられたのかというと、どうも実態は違うようだ。そもそも契約が成立していない状態では、張継科を出場選手として登録することはできない。実際にはクラブ側と張継科の間では、2012年に4年契約が締結。毎年、シーズンが始まる前に、ベースアップやボーナスの部分の協議は行われるものの、今シーズンも基本的な年俸と出場給・勝利給に関しては明確な数字が出ており、契約は成立していた。それでは、どの部分で契約問題が発生したのか。……少々長くなってしまったので、後編に続きます。
  • 超級リーグの舞台から姿を消した張継科(写真は14年男子ワールドカップ)