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中国リポート

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 今回の張継科の契約問題に関して、国家卓球・バドミントン管理センターの劉暁農主任は山東魯能と張継科との契約内容を明らかにしている。超級リーグでプレーする選手たちの給料は、基本的に3つの要素で構成されている。「基本工資(基礎年俸)」、「成績奨金(インセンティブ)」、そして「賽季奨金(1シーズンの賞金)」だ。このうち、張継科のような「特級運動員」の基礎年俸は、超級リーグの規定により最低額50万元(約1000万円)とされており、張継科の場合はそれより少し高い57.88万元(約1158万円)。また、インセンティブ(出来高払い)も同様に超級リーグの規定どおり、1試合に出場するごとに1万元(約20万円)の出場給、1試合に勝利するたびに3.5万元(約70万円)の勝利給が支払われる。

 昨シーズンも同じ金額設定だったと仮定すると、単複で31試合に出場し、24勝を挙げた張継科の基礎年俸+インセンティブ(出場給+勝利給)は172.88万元。日本円で約3460万円。これに国際大会で獲得した賞金(選手の取り分は一部分)、山東省チームから支払われる給料、スポンサー収入などを合わせると、やはり張継科の年収は相当な額だ。

 ……少し話がそれてしまったが、今回、山東魯能と張継科の間で契約問題が発生したのは、3番目の賽季奨金、つまりシーズンの賞金に関する査定と分配だったという。今シーズンの契約書の「賽季奨金」の項目でも、「査定と分配については、クラブとの規定に則って行われる」と書いてあるだけで、具体的な数字が示されていない。昨シーズンはエースに相応しい働きを見せ、チームを優勝に導いた張継科。クラブの獲得賞金の中から、かなりの額を手にしたはずだが、こればかりは推測の域を出ない。
 
 張継科の腰の状態は、すでに試合に復帰しても問題ない状態とのこと。「この2週間は北京に戻って、トレーニングセンターで練習しながら治療していた。かなり調子は上がってきているし、クラブに戻ってからも午前・午後と練習して、非常に良いコンディションになっている。すごく試合がしたいけど、クラブとの契約がうまくいかなかったら、試合に出るのは非常に難しい」(張継科/出典『新京報』)。
 クラブのスポンサー名も所在地もコロコロ変わる超級リーグで、育成能力にすぐれた名門クラブとして、男女とも別格の存在感を示してきた山東魯能。看板選手である張継科との間で、なぜ契約問題がここまでこじれてしまったのか。その裏には様々な事情がありそうだが、シーズンは刻一刻と進んでいく。国家卓球・バドミントン管理センターは、山東魯能と張継科に対し、「賽季奨金」の契約問題を速やかに解決するよう勧告している。今少し、事態の進展を見守るべきかもしれない。
  • 張継科の復帰を望むファンは多いはずだ(写真は15年世界卓球)