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中国リポート

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 7月22〜26日まで、来年の世界団体選手権の開催地でもあるマレーシア・クアラルンプールで開催された第21回アジアジュニア選手権。中国が全11種目を制し、相変わらずの強さを見せた。日本はジュニア女子団体決勝で加藤美優が陳幸同(ジュニア女子単優勝)を3ー1で破り、ジュニア男子シングルス準々決勝では三部航平が王楚欽(14年世界ジュニア3位)をゲームオールジュースで下すなど、中国のライバルとして存在感を見せたが、金メダル奪取には至らなかった。

 ジュニア女子シングルスで陳幸同が大会史上初の3連覇を達成する一方、男子シングルスで初優勝を飾ったのが薛飛(シュエ・フェイ)だ。1999年2月10日生まれの16歳。王皓によく似たフォームで、裏面打法でのチキータや前陣でのカウンターを得意にしているが、王皓よりもフォアハンドの割合が高く、よりオーソドックスなタイプのペンホルダードライブ型。昨年の世界ジュニアでは準決勝で村松雄斗のカットをまったく打てずに完敗したが、着実に地力をつけている。ボディバランスの良さと打球センスは抜群だ。

 薛飛の出身は内蒙古自治区の呼和浩特(フフホト)市。回民区少年体育学校で5歳から卓球を始め、すぐに頭角を現し、8歳の時から湖北省武漢市に練習拠点を移して実力を伸ばしてきた。『北方新報』の記事によれば、8歳の時に卓球日誌に「必ず世界チャンピオンになる」と書き付けたという。

 国家男子2軍チームの監督として、選手の指導に当たる劉国正(00年シドニー五輪ベスト8)は次のようにコメントしている。「中国卓球チームは常に『百花斉放』を提唱しているし、ペンホルダーは我々にとって常に育成すべきスタイルだ。ヨーロッパと同じように、すべての選手をシェークにするわけにはいかない。もしそうなれば、必ず危機を生じることになるだろう」。中国でも、より早く成績が出せるシェークドライブ型を育てようとする指導者が多い。その風潮は日本や韓国と変わらないが、ペンホルダーの伝統はまだまだ失われていない。
  • なかなか男前の薛飛。サムライ顔です(写真は14年世界ジュニア)