スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
 超級リーグプレーオフ・男子準決勝の第2戦、八一大商と山東魏橋創業の一戦は、2ー2ラストのゲームオールジュースにもつれ込む大激戦の末、八一が勝利。明日、寧波と相まみえる。

〈八一大商 3ー2 山東魏橋創業〉
 周愷 10、ー7、8、ー7、5ー7 梁靖昆○
○樊振東 5、5、5 周啓豪
 周雨/徐晨皓 10、ー3、4ー7 崔慶磊/周啓豪○
○樊振東 4、5、1 梁靖昆
○徐晨皓 ー10、6、9ー7 崔慶磊
※最終ゲームはすべて7点制/3番ダブルスと5番は3ゲームズマッチ

 この試合で強烈な印象を残したのは、圧倒的なスコアで2勝を挙げた樊振東。2番の周啓豪とは力の差があるにしても、4番の梁靖昆戦は好ゲームが期待されたのだが、梁靖昆は為す術なし。狙いすましたカウンターをさらに狙われ、強打やカウンターを警戒するとバックの横下回転ショートや柔らかいタッチのブロックで待ちを外される。
 梁靖昆は第3ゲーム、強引に強打にいくしかなくなったが、当然ミスが続出。1ー4でタイムアウトを取ったものの、完璧なクロスへのフォアカウンターを連発した樊振東の前に、ここから7点連取を喫した。試合後、クールな樊振東が珍しく観客席に手を振り、観客からは嵐の大歓声。完璧主義者の樊振東をして、今日の2試合は文句のつけようのない出来だったか。

 そして、八一の王皓監督は、ラストに周雨ではなく徐晨皓を起用。3番ダブルスでは、第3ゲーム4ー6の相手のマッチポイントでバックドライブをイージーミスするなど、メンタルに不安がのぞいた徐晨皓。崔慶磊との第1ゲーム、大量リードされる展開から10ー10に追い付きながら、10ー12で落とす。ベンチで表情をゆがめる王皓。観客席からは「王皓、加油!」の声援と失笑も。

 しかし、超級リーグで張継科を破ったこともある徐晨皓。このままでは終わらなかった。持ち味であるバックの強さを生かしながら、要所で崔慶磊のフォアをチキータで攻める。最終ゲーム、6ー5で徐晨皓がマッチポイント、ここでバックドライブの連打を決めきれず、逆に崔慶磊が7ー6でマッチポイント。しかし、ここも決まらず。最後は徐晨皓が8ー7からフォアクロスへ、カウンタードライブをねじ込み、決着!

 「あのプレッシャーの中で勝つことができたのだから、自分は進歩できていると思う」と試合後の徐晨皓。王皓監督、よくぞ彼をラストに起用したものだ。「去年のプレーオフでは山東魯能にラストで負けていた。最近、周雨はあまり状態が良くないので、徐晨皓を起用した」と試合後の会見。八一解放軍チームの王涛総監督も来場し、勝利した徐晨皓の肩を抱き、ねぎらっていた。
  • 「卓球の権化」と言いたくなる強さ、樊振東

  • 梁靖昆は試合後の会見でも、呆然の表情だった

  • 180cm・78kgの堂々たる体躯、徐晨皓

  • 王皓、アドバイスにも力がこもる