これまでずっと、中国スーパーリーグのことを「超級リーグ」と表記してきた中国リポート担当。「このほうが中国らしいか」という曖昧な理由で、超級という言葉を用いてきたのですが、「超級聯賽の聯賽(リーグ)だけ翻訳するのも妙か」という、これまた曖昧な感覚により、本誌12月号の特集記事は「徹底研究! 中国スーパーリーグ!」と題してお送りします。中国リポートでも、スペースの都合などがない限りは、基本的に「スーパーリーグ」という表記を使いたいと思います。ご了承ください。
さて、閉幕から1カ月が経とうとしているスーパーリーグ。全中国ジュニア選手権に、先日終わったばかりの全中国選手権と、結果をお伝えする大会が目白押しだが、スーパーリーグ・プレーオフを取材して「これ流行ってるな〜」と感じた技術がひとつある。せっかくなのでご紹介しましょう。
男女問わず使われていたそのテクニックは、フォア〜ミドル前に来たショートサービスに対する、フォアの左横回転ツッツキ。以前から使われていたが、今回のプレーオフでは特に目を引いた。相手のサービスが上回転系やナックルでも、左横回転を入れて、ショートスイングでガツンと切る。ツッツキというより「台上カット」という印象を受ける。
馬龍クラスの選手がやると、スイングスピードが速いために、インパクトの直後にボールがフッと止まって見える。そこから相手のフォアサイドへ、低く沈みながら飛んでいく。このテクニックの長所は、相手の3球目攻撃のコースを限定できること。低く切って入れることができれば、相手はフォアストレートへの攻撃は非常に難しくなる。フォアクロスも一発の強打は厳しいため、打球点を落として弧線の低いループドライブを狙うしかなく、これを4球目のカウンタードライブで狙っていく。打球直前まで、ストップとの違いがわかりにくいのもメリットだ。
チキータの研究が進む中、フォア前へのサービスをチキータで狙い打って、バックサイドまで戻って連続攻撃をするのは相当難しくなっている。バックサイドだけでなく、フォアサイドに早い打球点で返された時も、フォアハンドで威力ある4球目攻撃をするのは難しい。特に馬龍や方博のようなフォアハンド主体の選手は、フォア前はストップやこの左横回転ツッツキが増えているようだ。2枚ずつで少し見にくいですが、下の連続写真をご確認ください(※クリックで拡大)。