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中国リポート

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 少し前の大会になるが、9月18〜24日に遼寧省鞍山市で『2015年“体彩杯”全国青年卓球選手権』が開催された。
 2011年にスタートした全国青年選手権は、男女団体・男女シングルスの4種目での開催。今回の鞍山大会の場合、1997年1月1日〜2004年12月31日の期間に生まれた選手、つまり10〜18歳の選手に出場資格がある。この大会に先立って、8月21〜27日には全国少年選手権(10〜15歳の選手が出場)が開催され、今月19〜26日には福建省福州市で全国青年運動会・卓球競技も開催予定。前回(第7回)まで城市運動会と呼ばれていた、14〜18歳のスポーツ選手による4年に1度の総合体育大会だ。

 全国青年選手権の男子シングルス優勝は、昨年の世界ジュニア3位の劉丁碩。張継科や方博と同じ山東魯能の所属だが、今シーズンのスーパーリーグでは天津博士能にレンタル移籍。単複で通算10勝13敗と堂々たる成績を残し、梁靖崑にも2連勝している。プレースタイルとしてはあまり目立った特長はないが、レシーブからチキータで押し込み、連続フォアドライブで攻める馬力のあるプレーヤー。

 女子シングルスを制したのは、2013〜15年アジアジュニア3連覇の記録を持つ陳幸同。遼寧省瀋陽市の出身で、上背はないものの、パワーとテクニック、メンタルの強さを兼ね備えたオールラウンダー。今大会では決勝トーナメント2回戦から、4試合連続でゲームオールの試合を制する勝負強さを見せ、何卓佳、陳可、そして決勝で王曼昱と同じ世界ジュニア代表の3人を全て倒した。王曼昱とはこれから熾烈なライバル関係を築いていくだろう。

 男子団体は山東省、女子団体は河北省が優勝。山東省は劉丁碩と魏世皓という、今シーズンのスーパーリーグでダブルスも組んだツインエースを軸に、決勝では王楚欽(14年世界ジュニアベスト8)を擁する北京市に3ー2で競り勝った。女子団体を制した河北省は、決勝でダークホースの雲南省に快勝。その原動力のひとりが、全国少年選手権を制した2000年生まれの右シェークドライブ型・孫穎莎(スン・インシャ)。将来性を買われ、今年9月に国家2軍チーム入りを果たした彼女は、今大会の女子シングルスでも3位に入るなど、要注目の逸材だ。

 ちなみに全国青年選手権では、大会に先立って全選手に骨年齢の計測が義務づけられている。年齢のサバを呼んで、実年齢より低い年代の大会に出場しようとする選手が後を絶たないからだ。大会要項に「ちゃんと規定の時間までに検査を受けないと、我々は責任はとりませんよ」と書いてあるのが面白い。
  • ジュニアにしてはやや渋めのルックス、劉丁碩

  • 女子単優勝の陳幸同は、スーパーリーグでも単複合わせて15勝の活躍