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中国リポート

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 大変遅くなりましたが、10月5〜12日に黒龍江省ハルピン市で行われた全中国選手権の結果をお伝えしましょう。

★2015年“信和財富杯”全国卓球選手権 10.5〜12/黒龍江省ハルピン市

〈男子シングルス〉
●2回戦

林高遠(広東省) ー8、ー6、7、7、6、ー7、5 周雨(解放軍)
宋旭(寧夏銀川) ー19、ー3、10、10、6、13 梁靖崑(河北省)
●3回戦
王楚欽(北京市) 6、4、ー8、9、9 馬龍(北京市)
閻安(北京市) ー3、ー9、6、4、9、8 ハオ帥(天津市)
林高遠 ー8、7、8、8、9 于子洋(黒龍江省)
周愷(解放軍) ー10、6、11、ー5、ー6、3、5 方博(山東省)
●準々決勝
張継科(山東省) 5、ー10、8、23、4 閻安
樊振東(解放軍) 10、10、8、8 林高遠
尚坤(上海市) 9、7、7、ー11、4 王楚欽
許シン(上海市) 4、6、ー6、ー5、11、11 周愷
●準決勝
許シン 9、5、ー9、8、6 樊振東
張継科 7、ー7、11、7、9 尚坤
●決勝
許シン ー9、10、9、9、6 張継科

〈女子シングルス〉
●3回戦

陳幸同(遼寧省) 6、ー5、9、8、ー6、6 李暁霞(山東省)
孫銘陽(寧夏銀川) 11、6、ー7、ー9、3、10 陳夢(山東省)
盛丹丹(北京市) 6、7、15、ー2、5 馮亜蘭(湖北省)
木子(解放軍) 4、8、10、7 文佳(遼寧省)
●準々決勝
李暁丹(山西省) 10、10、8、ー9、ー8、5 劉詩ウェン(広東省)
陳幸同 7、4、7、8 武楊(山西省)
孫銘陽 ー9、5、ー5、7、4、8 盛丹丹
朱雨玲(四川省) ー14、10、5、ー4、8、ー10、10 木子
●準決勝
陳幸同 10、8、9、8 李暁丹
朱雨玲 ー6、ー8、9、5、5、ー8、6 孫銘陽
●決勝
 朱雨玲 12、9、10、6 陳幸同

〈男子ダブルス〉●決勝
馬龍/許シン(北京市/上海市) 8、ー7、6、ー6、8、2 劉丁碩/鄭培鋒(山東魯能/福建省)
〈女子ダブルス〉●決勝
劉詩ウェン/朱雨玲(広東省/四川省) 9、ー11、6、ー5、8、6 顧玉ティン/木子(山東省/解放軍)
〈混合ダブルス〉●決勝
樊振東/木子(解放軍) 6、4、6、5 袁励岑/陳幸同(遼寧省)

 男子シングルスは、第1シードの馬龍が北京市チームの後輩、15歳の左シェークドライブ型・王楚欽に敗れる波乱。もっとも、アジア選手権の個人戦を腰の故障で棄権した馬龍にとって、それほど無理をする大会ではなかっただろう。全中国選手権は、日本での全日本選手権に比べると、大会の位置づけはかなり低い。馬龍は大会後に行われた男子ワールドカップでは、わずか1ゲームしか落とさずに優勝している。

 決勝に勝ち進んだのは、アジア選手権決勝で敗れた樊振東に完勝した許シンと、準々決勝の閻安戦で第4ゲーム25ー23という大接戦を演じた張継科。もっとも、勝負所で相手を置き去りにする連続得点が持ち味の張継科にすれば、この「25ー23」というスコアは、まだ本調子ではないことの証明と言えるかもしれない。

 決勝での敗戦後、CCTV(中国中央電視台)の取材に対して「決勝でのプレーはとても良かったと思う。許シンとの試合にしては、素晴らしいと言える内容ではなかったかもしれないけど、技術・戦術面においては、かなりハイレベルなものが含まれていた」と語った張継科。「許シンのフォアハンドは強力だ。試合の終盤になるに連れ、そのプレッシャーが増していった。彼の優勝を祝うよ」と当たり障りのないコメントに終始したが、果たして完全復活はあるのか。中国がフルメンバーでエントリーするポーランドオープン、スウェーデンオープンで、その真価が問われる。

 女子は、準々決勝で木子との大激戦を制した朱雨玲が優勝。そのプレーが注目された李暁霞は、3回戦で陳幸同に2ー4で敗れ、その陳幸同がするすると決勝まで進出した。準々決勝で武楊にストレート勝ちしたのは驚きだ。ボディバランスの良さと両ハンドの安定感に加え、小柄な割にはパワーのある選手だと感じていたが、そこまでとは……。そしてもうひとり、3位に入った16歳の孫銘陽も今大会のサプライズ。今大会は寧夏銀川チームから出場したが、もともと山東省青島市の出身で、現在は人民解放軍チームで腕を磨いている。バック面にスペクトルを貼る右シェーク異質攻撃型で、昨年の全国青年選手権で3位に入り、国家2軍チーム入りを果たした。今年の世界ジュニアでは、代表に名を連ねてもおかしくない。
  • 馬龍を破った王楚欽。左腕が飽和状態の中国でも有望な存在(写真は14年世界ジュニア)

  • 陳幸同、全国青年選手権に続く活躍で大きくアピール(写真は14年世界ジュニア)