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中国リポート

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 1月6〜10日、世界選手権(団体戦)クアラルンプール大会の中国代表選考会「直通吉隆坡(直通クアラルンプール)」の男子第2ステージが開催。10人による総当たりのリーグ戦を勝ち抜き、許シンが代表権を獲得した。最終順位は下記のとおり。

★「直通クアラルンプール」男子第2ステージ・最終順位
1   許シン(上海市・8勝1敗)
2   張継科(山東省・8勝1敗)
3   馬龍(北京市・7勝2敗)
4   樊振東(解放軍・5勝4敗)
5   林高遠(広東省・4勝5敗)
6   方博(山東省・4勝5敗)
7   周雨(解放軍・3勝6敗)
8   閻安(北京市・3勝6敗)
9   尚坤(上海市・2勝7敗)
10  梁靖崑(河北省・1勝8敗)

※許シンが中国男子の世界代表第1号に決定!

 この男子第2ステージのすごいところは、5ゲーム先取の「9ゲームズマッチ」で行われた点。劉国梁総監督いわく、その目的は「実戦よりも負荷をかけた試合形式の中で、選手たちを鍛える」ことだ。
 「9ゲームズマッチは選手たちにとって、身体・精神・技術・メンタルのうえで非常に大きな挑戦となる。特に張継科や馬龍のような、ベテランの域に入りつつある主力選手たち。彼らが9ゲームを戦い抜くことができるかどうか、そして故障の影響は現れないかどうか。これは彼らにとって新たなチャレンジになるはずだ」(出典:『ピンパン世界』)。つまり、9ゲーム戦い抜いても「ぶっ壊れない」かどうか、耐久性をテストするということでしょうか……。ちなみにタイムアウトも、2回取ることができるとのこと。

 第2ステージはまず樊振東が許シンと馬龍に0−5、張継科に1−5で敗れるなど、早々に優勝戦線から脱落。馬龍も許シンに4−5で競り負けた後、張継科にも1−5で敗れてチャンスを失った。最終の第9戦を前に、7勝1敗で並んだ許シンと張継科の一騎打ちとなり、第9戦の相手は許シンが尚坤、張継科が方博。ともに勝利を収めたが、張継科との直接対決を5−3で制していた許シンが代表権を獲得した。

 馬龍・張継科・許シン・樊振東の「ビッグ4」の中では、リオ五輪の選考レースでやや不利な立場にある許シン。自身の微博(マイクロブログ)でこんな皮肉めいたコメントを残している。「午後の試合であんなに頑張ってくれた尚坤に感謝したい。本当にハードだったよ。それから、ぼくが勝つのを望まなかった人たちにもお礼を言いたい。あなた方はぼくに無限のエネルギーを与えてくれたし、あなた方がいなかったら、ぼくはとても踏ん張りきれなかっただろう」。

 五輪イヤーの2016年。選手選考というより、選手にプレッシャーを与え、鍛える場という意味合いが強い「直通クアラルンプール」、女子の結果も後ほどお伝えします……。
  • 許シンは閻安に敗れた1敗のみで代表権獲得(写真は14年アジア選手権)