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中国リポート

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 10月15日に男子、16日に女子が開幕戦を迎える2016年シーズンの中国スーパーリーグ。開幕直前になっても、相変わらずスーパーリーグの公式サイトには試合日程もなく、登録選手の情報もない。幾つかのニュースを除けば、2015年シーズンの終了時点から完全に「凍結」状態。毎度のこととはいえ、プロリーグとしてはいかがなものか……。お馴染み中国の卓球雑誌『ピンパン世界』が、選手名簿を公表してくれているので、ご紹介しましょう。まずは男子チームから。

■山東魏橋・向尚運動(山東省)
コーチ:尹肖
選手:馬龍、閻安、林高遠、薛飛

■八一大商(解放軍)
コーチ:王皓、范長茂
選手:樊振東、周雨、周愷、徐晨皓、趙釗彦、宋旭

■山東魯能(山東省)
コーチ:郭刻歴、谷青成
選手:方博、ハオ帥、張超、林晨、張煜東、韓傳煕

■安徽朗坤(安徽省)
コーチ:董倫、孟憲倹
選手:周啓豪、于子洋、劉イ、★黃鎮廷(香港)

■上海中星(上海市)
コーチ:王励勤、張洋
選手:許シン、尚坤、趙子豪、張洋、★鄭栄植(韓国)

■四川長虹(四川省)
コーチ:鄭長弓、楊碩、謝悦章
選手:朱霖峰、許鋭鋒、頼佳新、厳昇、唐宇詩

■覇州海潤(河北省)
コーチ:李振山
選手:梁靖崑、程靖チィ、范勝鵬、王楚欽、ジャイ超

■天津豪安(天津市)
コーチ:馬文革、王瑞
選手:馬特、劉丁碩、魏世皓、房胤池、余心航

■江蘇中超電纜・利永(江蘇省)
コーチ:王永剛、永峰興江
選手:鄭培鋒、孔令軒、蔡偉、孫聞、王鶴霖

■深圳宝安明金海(広東省)
コーチ:郭躍華
選手:崔慶磊、劉吉康、任浩、呂翔、★朱世爀(韓国)

 さかのぼること半年ほど前、男子スーパーリーグでは残念なニュースがあった。2002年にスーパーリーグに加盟し、優勝5回の名門・寧波海天塑機がリーグからの撤退を発表したのだ。昨シーズンの優勝クラブの身売りは、スーパーリーグの厳しい現状を示している。馬龍、閻安、林高遠という主力選手が移籍したのは山東魏橋・向尚運動。そして新規参戦組は、安徽省から初のリーグ参戦となる安徽朗坤だ。スポンサーの安徽朗坤物聯網有限公司は最先端の「IoT」企業で、寧波海天の監督だった孟憲倹を迎え入れ、山東魏橋所属だった于子洋・周啓豪・劉イに、香港の黃鎮廷を加えた陣容となった。

 ……何とも複雑な選手の動きなのだが、もともと山東魏橋(昨シーズンのクラブ名は山東魏橋創業集団)は寧波海天と同様、今年4月にリーグ撤退を表明し、参戦権を安徽朗坤に譲渡するとしていた。于子洋や周啓豪など、安徽朗坤が山東魏橋所属だった選手で構成されているのはそのためだ。しかし、実際には山東魏橋は寧波海天塑機から選手たちを迎え入れ、傘下の企業である山東向尚服飾文化有限公司を冠名に加えて、「山東魏橋・向尚運動」としてリーグで再出発。もともと寧波海天の選手が山東魏橋に移籍し、もともと山東魏橋の選手が安徽朗坤に移籍した形になった。ただし、昨年の山東魏橋のエースだった梁靖崑は一昨年までプレーしていた覇州海潤に復帰し、2番手の崔慶磊は深圳宝安に移籍している。

 もうひとつ大きなニュースは、山東魯能の絶対的エースだった張継科が今シーズンの登録選手から外れたこと。持病である腰痛のためとされているが、昨シーズンは勝利給の支払いを巡ってクラブとトラブルになり、ボイコット騒動まで起こした張継科。国際大会からの引退は発表されていないが、少なくともハードなスーパーリーグを戦うだけのモチベーションはないのだろう。また、上海龍騰は不動産会社をスポンサーに迎えて上海中星として今シーズンを戦い、天津博士能はスポンサーが復帰して、一昨年までのクラブ名「天津豪安」で参戦する。

 五輪という一大イベントが終わると、卓球の注目度は下がり、スポンサーが次々に撤退する。今シーズンもスポンサーの撤退や選手の移動が相次ぐ中、開幕を迎える。海外選手は香港の黃鎮廷、韓国の朱世爀と鄭栄植。朱世爀は国際大会からは引退する見込みだが、スーパーリーグではまだまだ需要があるようだ。
  • 8シーズンもプレーした寧波海天から移籍した馬龍

  • 張継科不在の山東魯能を引っ張るのは方博だ