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中国リポート

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 2月8〜11日、中国男子チームは世界選手権個人戦デュッセルドルフ大会の代表選考会「直通杜塞尓多夫(直通デュッセルドルフ)」の第2ステージを開催した。
 全日本選手権の期間中でお伝えする機会を逃してしまいましたが、第1ステージは1月17〜21日に北京で開催され、主力となる4選手(馬龍・張継科・許シン・樊振東)、そしてハンガリーオープンに出場していた6選手(方博・梁靖崑・林高遠・閻安・周雨・尚坤)を除く16名が出場。試合形式は5ゲームズマッチで、于子洋、周啓豪、徐晨皓、劉丁碩、周愷、王楚欽という、近年の世界ジュニア代表組が第2ステージに勝ち上がった。

 今回の第2ステージに出場したのは、第1ステージを勝ち抜いた6名とハンガリーオープン出場の6名に、許シン&樊振東を加えた14名。4日間の日程で13試合を戦うタイムテーブルだが、試合はすべて2ゲーム先取の3ゲームズマッチ。ビッグゲームでの取りこぼしが指摘されていた許シンと樊振東、そして代表入りの当落線上にある選手たちを鍛える、波乱の多い試合形式だ。その結果は下記のとおり。

★★★ 世界選手権代表選考会「直通杜塞尓多夫(直通デュッセルドルフ)」・男子第2ステージ 2.8〜11 ★★★

1    樊振東(人民解放軍/10勝3敗)
2    許シン(上海市/10勝3敗)
3    徐晨皓(人民解放軍/8勝5敗)
4    方博(山東魯能/8勝5敗)
5    梁靖崑(河北省/8勝5敗)
6    周雨(人民解放軍/8勝5敗)
7    閻安(北京市/7勝6敗)
8    劉丁碩(山東魯能/7勝6敗)
9    林高遠(広東省/6勝7敗)
10   周啓豪(広東省/6勝7敗)
11   尚坤(上海市/4勝9敗)
12   周愷(人民解放軍/4勝9敗)
13   于子洋(黒龍江省/3勝10敗)
14   王楚欽(北京市/2勝11敗)

★許シンが敗れた試合
[第2戦]  樊振東 5、−12、8 許シン
[第5戦]  方博 9、−5、6 許シン
[第6戦]  梁靖崑 6、8 許シン
★樊振東が敗れた試合
[第1戦]  周雨 6、−8、12 樊振東 
[第7戦]  梁靖崑 −8、8、10 樊振東
[第10戦] 林高遠 8、9 樊振東

 ワンツーフィニッシュを果たした樊振東・許シンの実力はさすが、と言いたくなるが、樊振東に対して劉国梁総監督は「13試合で3敗というのは多すぎる。コーチ陣の選考会前の予想では12勝1敗というところだった。1位になったとはいえ満足できる成績ではない」と語っている。ちなみに今回のリーグ戦での樊振東の対戦順は、初戦が周雨、第2戦が許シン、第3戦が徐晨皓、第4戦が方博……と続いた。格下の選手から先に当たっていくのではなく、出足から手の内を知り尽くしたチームメイトと世界代表クラスのツワモノの波状攻撃。この連戦を3ゲームズマッチで乗り切っていくのは、相当神経をすり減らすだろう。

 梁靖崑は樊振東と許シンのふたりを破ったのはさすがだが、最下位の王楚欽には敗れるなど、国家1軍チームの実力差はやはり紙一重なのだ。王楚欽、2014年の世界ジュニア上海大会で見た時には、「この子は必ず中国の団体メンバーに入ってくる」と感じたのだが、ここ2年くらいは足踏み状態。その上海大会で優勝した于子洋も13位に沈んでいる。

 この第2ステージで8位の劉丁碩までの8名、さらにコーチ陣による協議の上で9位の林高遠と10位の周啓豪、そして補充要員として11位の尚坤が、3月3〜10日に深セン市で行われる「直通杜塞尓多夫」の第3ステージに進出。馬龍&張継科をプラスした12名を、劉国梁総監督は「地上最強の12人」と表現する。昨年9月の中国オープン以降、大会への出場がない張継科はどのようなプレーを見せるか。
 第3ステージは2回のラウンドに別れ、まず第1ラウンドは12名による総当たりのリーグ戦。第2ラウンドは代表に決まった1名の代わりに尚坤が入り、3つのグループに分かれて予選リーグを戦った後、各グループの1位となった3選手が総当たりで優勝を争う。ここで2名の中国男子代表が決まる予定だ。
  • 第3ステージでトップ通過を決めたい樊振東(写真は16年ジャパンオープン)