過激なだけのタイトルか。それともアイロニー(皮肉)なのか。
別冊卓球グッズが発売された。
表紙は写真無しの文字のみ。当初は「テナジーvs.ポスト・テナジー第2章」だけだった。う〜〜ん、何かパンチに欠けるな……弱いなこのタイトルだけでは。昨年の別冊と代わりばえしない。作り手は時に時間がおしてくると「前回と同じ感じで作れば……」という考えに走りがちだ。しかし、そんな内容では読者はついてこない。常に何かサプライズを用意するべきなのだ。
そうこうしているうちにある日ひらめいた。テナジーは苦戦しているとも言えるし、挽回してきたとも言える。そのテナジーやバタフライにフォーカスを当てよう、と。まずタイトルと扉ページのビジュアルイメージが頭に浮かんだ。
タイトルは「バタフライの終わり」。
ちょっと刺激が強いか。さすがにタマスの人たちは怒るだろうな。でも、必ず卓球愛好者は手に取るだろう。そこで少しだけタイトルは柔らかくした。
「バタフライは終わりか」。ちょっと柔らかい。
特集の扉ページのデザインは5回ほどやり直した。最終的に良い感じになった。タマスを訪れ、役員の方に取材もした。しかし、その時にはタイトルを伝えなかった。だって、反対されると思っていたから。
取材した時のコメントの確認はしてもらったが、他の文章は一切見せなかった。
結論としては、バタフライは終わらない。しかし、この数年間で様々な改革を実行したタマスのその真意を探る必要があった。ショップやユーザーから批判されることをやってきたのはなぜなのか?
タマスの目指す道が正しいかどうかわからない。テナジーというモンスターラバーが市場を動かしている事実はあるが、そのモンスターがモンスターでなくなる時が「バタフライの終わり」かもしれない。卓球市場はめまぐるしく動いているのだから。(今野)