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中国リポート

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 10月5〜12日に黒龍江省ハルピン市で行われた全中国選手権。もう間もなく、中国卓球協会HPに記録がアップされるので、詳細な記録は今しばらくお待ちください。

 この全中国選手権の最終日、話題を集めたのが張継科だ。その前日、10月11日に行われた男子団体準決勝で再び右肩を傷めた。5月の世界選手権蘇州大会でも悪化させた古傷。チームドクターの治療を受けた張継科だが、決勝は欠場を余儀なくされ、山東省は上海市に0ー3で完敗した。
 大会の前半に行われた男子シングルスで決勝に進出し、許シンに1ー4で敗れて準優勝だった張継科。決勝後、許シンがCCTV(中国中央電視台)のインタビューに答え、張継科をかばうようにコメントしている「今日の試合は、彼のコンディションがあまり良くなかった。でも、コートでの気迫はまた以前の状態を取り戻しつつあると思う。継科に対して疑問の声を投げかける人は多いけど、彼の頑張りは観客にも強い印象を残したはずだ」。

 しかし、リオ五輪を前に張継科の立場は苦しくなりつつある。全中国選手権の閉幕後、劉国梁総監督は北京テレビのスポーツ番組『天天体育』のインタビューに対し、中国男子のリオ五輪への選考レースに言及。「最も厳しい状況にあるのは張継科だ」と語っている。
 「彼は蘇州大会で方博に敗れた後も、多くの試合で敗れた。ただ敗れただけでなく、総合的に見てレベルが低下しているのを感じる。リオ五輪まで1年を切ったこの時期に、低調な時期を迎えるというのは、それだけ困難も大きい。この苦境をまだはね返す力があるかどうか、見極めていきたい」(劉国梁)。

 厳しい言葉を口にしつつも、張継科のここ一番での勝負強さに対して、劉国梁総監督は厚い信頼を寄せている。しかし、故障だけは怖い。体への負担が増したプラボールで、これからハードな集合訓練をこなし、万全の状態でリオ五輪を迎えられるかどうか。
 馬龍・張継科・許シン・樊振東の4人のうち、2人がシングルスと団体代表、1人が団体のみの代表、そして1人がリザーブ。難しい選考だ。このうち誰かひとりが五輪に出られないとは……。リオ五輪の中国代表メンバーの発表は、来年3月上旬に行われる世界選手権団体戦の後になるという。
  • アジア選手権で張禹珍に敗れた後の張継科