●平成27年度全日本選手権速報

【速報】ピックアップ/山梨有理、最後の全日本

2016/01/16

今大会で現役引退を決めていた山梨有理(ミズノスポーツサービス)。1回戦は崖っぷちの試合だったが、見事な逆転勝ちを決め、その後は「まだコートにいたい」という気持ちが伝わってくるような戦いぶりでランク決定戦まで勝ち上がった。

最終試合の相手は大学の後輩・松澤茉里奈(日立化成)。
第1ゲームから鋭い両ハンドを打ち込み、先手必勝の作戦。速攻型の山梨の一番得意なパターンだ。しかし2ゲーム目からは地力の差が出たか、前陣ドライブの威力を高めた松澤が山梨を打ち抜いた。
最後までコートでは凜として戦った山梨。天真爛漫な彼女は、前日まで「また勝っちゃった。引退が伸びました!」とおどけていたが、敗退時には大粒の涙を流し、ベンチでタオルに顔をうずめた。

「最後が後輩で良かったですよ。今は練習場所がないし、この2年間はモチベーションをしんどかった。十分に練習していないのは承知しているけど、試合をすると楽しくて頑張ろうと思っていたけど、ここが限界かな。今が良いタイミングだと思います。
 本当は1年前に引退するつもりだった。でもモチベーションがないまでも今までやってきたプライドもあって、辞められなくて……。28歳で辞めると決めて今回までプレーしようと決めた。本当にモチベーションがプロとは言えない状態だったから。楽しいけど、しんどかった。
 全日本が終わって、これからのことをゆっくり考えたいです。今までありがとうございました。」(山梨)

またひとり日本代表がコートを去った。
お疲れ様
  • 代名詞のフォアのカウンター

  • 得意のバックで松澤に迫った

【マニア】4度決勝で涙を飲んだ選手

2016/01/16

 優勝者は記録に残るが、決勝で敗れた選手はなかなか記録に残らない。

 最近では藤井寛子が3度決勝に進出しながら、涙をのんだことは記憶に新しい。

 過去には4度決勝に進みながらついに手が届かなかった選手がいる。
石田清美がそれだ。1986年度、1987年度と星野美香(現姓馬場、先日までの福原愛のコーチ)に敗れ、1991年度は佐藤利香、1992年度は小山ちれに敗れた。

 ちょうど星野、小山と強さが際だったチャンピオンの時代だったのが不運だった。
佐藤利香も全日本2度優勝、3度準優勝という強豪で、小山がいなければもう何度か優勝しただろうと思われる強さだった。  
                                             (岡本清美・卓球マニア)

【条太】今年もやるぞ「卓球FM」!

2016/01/16

 16日(土)、17日(日)は、今年も豪華解説者による場内でのFM放送が行われる。普通のFMラジオを持参して周波数を77.6MHzに合わせれば誰でも無料で聞くことができる。ラジオは会場での貸し出しもあるが、数に限りがあるので、持参した方が良いだろう。しかも持参したラジオを卓球FMデスク(一般入場口そば)で見せると福袋が当たるガラポンが引け、白がでれば当たりだそうだ。

 選手や卓球についての知識がない方にとっては、見どころを解説してくれるのでかなり便利だろう。知人同士で語り合いながらの観戦も、声が聞こえ難いなどの難点があるし、ひとりで観戦する人は間が持たないということがあるだろう。そういう人たちにとってこれは格好のアイテムだ。

 会場内で同じタイミングであちこちから笑い声が起ったらそれは、FM放送で面白いギャグが放たれたときだろう。

 解説が予定されているのは、河野正和さん、松下雄二さん、梅村礼さん、下川寛子(旧姓藤井)さんの布陣だ(変更される場合あり)。
 かくいう私もDVD『ザ・ファイナル2016.1』の監督をしながら、耳にイヤホンをつけていかにもカメラマンと連絡をとっている風を装いながら、実はこの卓球FMを楽しむ魂胆だ。詳しくは全日本特設サイトhttp://japantabletennis.com/zennihon2016/fm を。    (伊藤条太・卓球コラムニスト)

【速報】石川佳純、自信を感じさせた女王の会見

2016/01/15

 女子シングルス6回戦で宋(中国電力)を下し、3連覇まであと3つとした石川佳純。試合後の会見では充実の表情を見せた。
 「昨日よりもシングルスは良い試合ができました。特に2試合目は相手も良いプレーだったけど、しっかり抑えることができた。今日は朝イチの試合だったので、出足から全力で行けるよう、しっかり準備できたのが良かったです。自分でも納得のいくプレーができたし、明日につながる試合だった」

 明日はシングルスは準々決勝のみ。こちらも3連覇がかかる平野早矢香とのダブルスは決勝まで行われる。シングルス準々決勝の相手はカットの佐藤瞳(札幌大谷高)。ここ2年のワールドツアーでは3勝0敗。「佐藤さんとは国際大会でも何回もやっているし、お互いに手の内はわかっている。準備をしっかりしたい」と語る。

 今年は試合での表情のみならず、試合後の会見でも表情に充実感のある石川。昨年はアジア選手権を左太ももの故障で欠場したが、今までになかった故障を抱えたことで、体に対する意識も高まっている。前陣でのフットワークの良さ、スイングの速さは全日本という舞台でもやはり際立つ。
 「去年より自分自身良いプレーができている。去年はすごくプレッシャーを感じながらやっていたけど、今年はプレッシャーを力に変えてプレーできている。毎年全日本を戦っている経験が生きていると思います」(石川)。中学生3名・高校生2名がベスト8に入る中、石川佳純の全日本での経験値は他を圧倒する。安定感抜群の女王に死角はあるのか?
  • フォアストレートへのパワードライブは抜群の決定率

  • 会見でも表情は明るい!

【動画】動画を1本アップ!

2016/01/15

・女子シングルス6回戦、石川佳純vs宋恵佳、第2ゲーム(4-7から)

以上1動画を「リアル全日本ムービー」ページに公開しました。

【速報】男子ダブルス、水谷/吉田ベスト4入り

2016/01/15

● 男子ダブルス準々決勝
水谷/吉田(beacon.LAB/愛知工業大)6、11、8 上江洲/松下(愛知工業大)
大島/上村(早稲田大)6、-1、-9、6、3 松平/上田(協和発酵キリン) 
山本/平野(早稲田大)8、9、8 森田/軽部(シチズン) 
松生/鹿屋(リコー)1、9、1 村井/東(法政大/専修大)


第一声で「まさかここまで来れるとは思っていなかった」と喜びのコメントをした、山本/平野(早稲田大)。
5回戦で笠原/森本(協和発酵キリン)、準々決勝で森田/軽部(シチズン)という日本リーグの強豪ペアを下してのベスト4入りとなった。平野は、昨年も吉村和弘とのペアで銅メダルを獲得しており、2度目の準決勝進出となった。
「初戦の松下/船本(明治大)ペアには、全日本の予選で負けていて、そこに勝てて波に乗ることができた。平野とは4月からのペアだけど、平野は思い切りが良くて、“このボールが入るのか!?”というのが何発も入るのですごく頼りになります。明日もチャンスはあると思うので、優勝目指して頑張ります」(山本)
  • 水谷/吉田は守備力の高さも見せつけた

  • 全日本社会人優勝ペアをフルゲームで退けた大島/上村

  • 山本がパワードライブでグイグイ引っ張った山本/平野

  • 強打のリコーペア、松生/鹿屋がベスト4に躍進

【速報】女子ダブルス、4強決まる

2016/01/15

● 女子ダブルス準々決勝
平野/石川(ミキハウス/全農) 4、9、8 森田/加藤(JOCエリートアカデミー/帝京)
天野/中島(サンリツ) 3、-3、6、6 森薗/松澤(日立化成)  
池田/北岡(日立化成)6、8、-9、5 小道野/高橋(早稲田大) 
土井/土田美紀(中国電力) -7、-6、6、7、7 平/田口(正智深谷高)


池田/北岡の攻撃&カットという変則ペアが大学生ペアに勝利。池田、北岡ともに、3年前の全日本女子ダブルスでも他のペアリングでお互いに3位入賞を果たしており、2度目のメダル確定となった。普段は組んでいない即席ペアとのことだが、池田のミート&ブロック、北岡のカットのコンビネーションは抜群で、酒井/松平(ミキハウス)などの強豪を下しての勝ち上がり。
池田/北岡ペアのコメント
「組んで日は浅いですが、せっかく出られるんだから、チャンスは生かしたいと前々から話していたので、ベスト4はめちゃくちゃうれしいですね。うちのペアは、攻撃とカットという役割分担ができているのが強み。明日も自分の役割をしっかりつとめて戦いたい。大学の時にも同じ年に二人ともベスト4に残ったことがあるので、雰囲気にはのまれないと思います」


土井/土田の中電ペアは、序盤は高校生ペアに攻め込まれ2ゲームを先取されるが、3ゲーム目からは流れを奪い返し、初のメダルをゲットした。
土井/土田ペアのコメント
「全日本社会人は予選で負けているので、まさか全日本でメダルとは、という感じですね。準決勝は、最初はレシーブであんまり対応できず、相手のバックに集めすぎていたので、0-2になってからは開き直って、思い切ってフォアに打っていったのが良かった。最終ゲームは不安感も消えていたので、そのままやれば大丈夫かなと、あんまり力が入ることもなく、最後までできたのが良かった。明日は日立化成ペア。チャンスはあると思うので、手の内知っているし、頑張って決勝を狙いたいです」
  • エリアカペアに完勝、平野/石川は3連覇へあとふたつ

  • 全日本社会人2連覇の天野/中島はさすがの強さ

  • 池田/北岡はうれしいメダル確定

  • 高校生ペアに0−2から逆転勝ちした土井/土田美

【動画】動画を2本アップ!

2016/01/15

・男子シングルス6回戦、大矢英俊vs松平賢二、第6ゲーム後半
・男子シングルス6回戦、水谷隼vs町飛鳥、第4ゲーム(3-1から)

以上2動画を「リアル全日本ムービー」ページに公開しました。

【速報】男子、ベスト8が出揃う

2016/01/15

●男子シングルス6回戦
笠原(協和発酵キリン) 9、-8、-9、14、-13、7、8 松下(明治大) 
張(東京アート)10、-11、-6、5、10、5 上村(早稲田大) 
吉村(愛知工業大) 4、-6、6、10、-9、4 森薗(明治大) 
大矢(東京アート) -15、-10、10、10、10、9松平(協和発酵キリン) 

右肩の故障からの復帰戦となる吉村が、森薗との学生卓球界の「頂上対決」を制し、昨年に続いてベスト8進出。「自分より格上の選手だという気持ちで臨みました。非常にタフな試合だったけど、うまくサービス・レシーブで崩せた。良い試合でした」と試合後のコメント。
「森薗選手の武器はチキータ。チキータをされると連続攻撃につなげられるので、やられたではなく、やらせたという気持ちの持ち方で戦った。フォアサイドに逆横回転のサービスを出すと、速いチキータはフォア側にしか来ない。バック側へゆっくり来るボールはバックで狙って、フォアに打たれたらしっかり返してラリーにする作戦でした」(吉村)。「卓球脳」の進化が、安定性を増した吉村のプレーの秘密だ。

大矢は松平とのヤマダ先輩・後輩対決を制して、特大の勝利の咆哮(ほうこう)。しかし、「準々決勝はもう過去に5回か6回ある。優勝しないと本当に意味がないんです。あの優勝カップを手に入れたい。今年は本当に優勝したい」と試合後にコメント。表情にも充実感より、まだまだこれからというどん欲さが感じられる。大矢の明日の対戦相手は吉村だ。
  • 吉村はライバル森薗に競り勝った

  • 大矢、我慢のプレーで逆転勝利!

  • 壮絶なドライブ戦を制し、笠原が大爆発!

  • 松下は大魚を逃し、ベスト8入りならず

【速報】水谷、丹羽は順当にベスト8入り

2016/01/15

●男子シングルス6回戦
水谷(beacon.LAB) 10、-8、5、5、4 町(明治大)
・2年前の決勝の組み合わせ。各ゲームが競り合いになるが、ゲーム終盤をしっかりと勝ちきる水谷は順調な勝ち方を続ける。

酒井(明治大)-10、5、6、-10、7、4 坪井(筑波大)   
・落としたゲームはジュースで、取るゲームは一気に行く。酒井がベスト8入りを決めた。

森田(シチズン) 5、9、5、-8、-7、3 村松(東京アート)
・この試合の前にダブルスでも村松組に勝っていた森田は出足で3−0とゲームをリードし、試合の主導権を奪い、勝利。3度目のランク入りでベスト8。「吉田さんが来ると思って森田さんの対策をしていなかった。ブロックは固いと思っていたが、想像以上に固かった」と村松。
「吉田戦は最後はメンタルの勝負だった。ベスト8に入ることは自分が目標にしてきたのでそれだけの準備をしてきた。村松はダブルスでもやっていたので彼のカットに慣れていた。明日もがんばります」と森田。

丹羽(明治大) 8、8、6、9 上田(協和発酵キリン)

・最近好調だった上田を丹羽は完璧に攻めた。「3−0とリードできて、よい出足で試合を進めているのが良い。集中力もあるし、足もよく動いている」(丹羽)。
  • 気合いが入っている丹羽。上田を寄せ付けず

  • フルスイングのドライブで村松のカットを打ち抜いた森田