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平成25年度全日本選手権大会速報

●ジュニア男子5回戦
平野(野田学園高) -8、4、-9、9、9 硴塚(JOCエリートアカデミー/帝京)  

 ジュニア男子5回戦、野田学園のハードヒッター・平野とエリートアカデミーの硴塚(かきつか)のサウスポー対決は、ゲームオール9点で平野に軍配。最終ゲーム9-7で硴塚がリードしたが、そこから平野が4点連取。10-9のマッチポイントから、壮絶なフォア対フォアのラリー戦を制した。その場にバッタリ倒れ込んだ硴塚。勝利した平野は「最後は思い切り振るだけでした」とコメント。今大会では男子ダブルスにお父さんの英樹さんも出場。「お父さんも頑張っていたので、ぼくも頑張ろうと思った」と端正な顔をほころばせた。
  • 勝利後、両腕を高く上げた平野

 日本リーグで活躍するオークワのエースダブルス、山本/深江が、小西/森に善戦しながらも、殊勲の勝利はならなかった。

 山本の変化形表ソフトから繰り出される、独特の球質のドライブと、深江の前陣両ハンドがうまくマッチし、2ゲーム目を奪取。3ゲーム目も競り合いになったが、小西/森もていねいなプレーで、勝負所となった3ゲーム目を奪う。4ゲーム目は球質になれた小西/森が落ち着いたオークワペアを攻略した。

 敗れたオークワペアだが、実績で大きく上回る相手にひたむきなプレーを見せた。地味ながら好ゲームだった。


●女子ダブルス2回戦
小西/森(DIOジャパン)6、-5、8、6山本/深江(オークワ)
  • 懸命なプレーを見せた山本(奥)/深江

●ジュニア女子5回戦
浜本(JOCエリートアカデミー) 7、7、9 木村(ミキハウスJSC) 
平(正智深谷高) -5、5、4、8 瀬山(富田高)  
加藤美(JOCエリートアカデミー)3-2 加藤杏(県立岐阜商業高) 
前田(希望が丘高) 8、-6、5、8 森薗(四天王寺高) 
佐藤(札幌大谷高)7、6、6 馬場(大成中) 
阿部(四天王寺高) 3、-9、7、5 石川(JOCエリートアカデミー) 
平野(JOCエリートアカデミー) 9、-10、7、5 椛澤(明徳義塾高)  
森(昇陽高) 5、3、5 奥下(就実高)

各校のエースたちと肩を並べて、JOCエリートアカデミーの中学生3人がベスト8まで勝ち上がった。最も激しい試合となったのは、加藤美優と加藤杏華の対決。ともに両ハンドでのラリー戦を得意とするふたり、加藤美優が序盤から常にリードする展開になったが、加藤杏華も緩急をつけたラリーと徹底した粘りで応戦。最終ゲーム9−9までもつれたが、加藤美優がわずかに上回った。
ジュニア女子5回戦、希望が丘高の前田美優と四天王寺高の森薗美月という、このラウンド屈指の好カードは、3−1で前田に軍配。昨夏のインターハイ学校対抗・準決勝では森薗が前田を破り、四天王寺に勝利をもたらしたが、この全日本で前田がリベンジを果たした。

「昨日の晩から徹底的に戦術について話し合いました」とベンチに入った希望が丘高の石田眞行総監督。「森薗のバックドライブで前田のフォアに攻められると展開が厳しくなる。とにかく先にフォアに振る、それが難しければミドルを突く、そしてフォアで攻める時はクロスには速いボール、ストレートには緩急をつけて攻める。この三つの戦術を徹底させた。2ゲーム目は安全にバックに入れに行って落としましたが、3ゲーム目から元に戻して、また前田のペースになった」(石田総監督)

まさに全日本は戦術と戦術のせめぎ合い。またそれを徹底できる選手たちの技術力にも脱帽だ。
 大会第3日目の1月16日、今日は女子シングルス2〜4回戦が行われ、4回戦でスーパーシードの32名が登場する。
 スーパーシードの選手たちは、男子だと大会第4日目の金曜日から出場する選手もいるが、朝は必ず会場に入り、メインフロアで練習している。女子シングルス2連覇中の福原愛は、練習を見ていても相当仕上がりが良く、自信に満ちあふれた感じがする。やはり皇后杯に最も近い存在か?
 その他にも石川佳純、平野早矢香、藤井寛子など優勝候補が続々登場。混合ダブルスで初戦負けを喫した平野の状態が気になる。波乱の多い4回戦、しっかりスタートを切りたいところだが……。

 ジュニア男女は準々決勝まで行われ、ベスト4が出揃う。ジュニア男子では、高校2年生の村松雄斗が最後の全日本ジュニアで、タイトルを獲得できるか注目される。ジュニア男子ではカットマンは長い間優勝していない。優勝すれば昭和55年度大会の野尻俊宣以来だ。
  • ジュニアで優勝を狙うカットの村松

 東京体育館の入り口(正面の一般入り口)を入ってつきあたりを右に曲がると、写真のような『栄養士による卓球競技者のための栄養相談』と『スポーツ医による卓球競技者のための障害相談』のブースが設けられている。
 休憩時間などに寄ってみてはいかが? 栄養相談では、「何を食べたら強くなれるのか」とか「試合当日にどんなものを食べたら良いか」などのアドバイスをしてくれる。また、障害相談のほうでは、たとえば卓球練習をしている時に、手首を傷めてしまったとか、日頃、どのような生活をしたら障害を防げるなどのアドバイスがもらえるかも? 後者は、日本卓球協会のスポーツ医・科学委員会のドクター小笠博義先生ら、専門家が担当。興味のある人は、気軽にのぞいてみよう!
  • これが看板!

  • 担当の方が丁寧に説明してくれる

●ジュニア女子4回戦
浜本(JOCエリートアカデミー) 8、5、10 伊藤(札幌大谷高)
木村(ミキハウスJSC) 6、9、4 田中(武蔵野高)
瀬山(富田高) 3、ー9、3、9 石山(聖和学園高)
平(正智深谷高) 7、ー10、7、10 伊藤(昇陽中)
加藤美(JOCエリートアカデミー) ー10、6、6、5 多田(芦屋学園高)
加藤杏(県立岐阜商業高) 5、ー7、ー2、2、11 三條(ミキハウスJSC)
前田(希望が丘高) 7、9、6 武田(富田高)
森薗(四天王寺高) 3、ー9、7、7 鎌田(駒大苫小牧高)
佐藤(札幌大谷高) 4、3、5 木村(山陽女子中)
馬場(大成中) 6、5、7 加藤結(JOCエリートアカデミー)
阿部(四天王寺高) 9、9、ー11、3 熊中(明徳義塾中)
石川(JOCエリートアカデミー) 9、12、6 田口(正智深谷高)
椛澤(明徳義塾高) 10、4、2 山本(ミナミラボ)
平野(JOCエリートアカデミー) 8、5、ー3、10 芝田(四天王寺高)
奥下(就実高) ー5、5、7、7 阿部(ミキハウスJSC)
森(昇陽高) 6、1、ー8、ー8、8 中澤(希望が丘高)

混戦のジュニア女子でもベスト16が決定。JOCエリートアカデミー勢を強豪校の主力選手たちが迎え撃つ図式か。インターハイ2位のカット主戦型・佐藤瞳の強さが目立っているが、準々決勝まで勝ち上がるとインターハイ決勝で敗れた「天敵」阿部に当たる。果たしてどのような勝ち上がりになるのか

下写真は左上から時計回りに、ラリーに強く抜群に打たれ強い浜本(JOCエリートアカデミー)、前回ベスト8の左シェークドライブ型・石川(JOCエリートアカデミー/帝京)、伊藤美誠を破った平(正智深谷高)、三條をゲームオール11点で下した加藤(県立岐阜商業高)
●ジュニア男子4回戦
三部(青森山田高) 10、−11、13、6 高見(愛工大附属中)
木原(東山高) ー13、8、9、ー3、9 宮崎(JOCエリートアカデミー/帝京)
郡山(関西高) 3、8、10 弓取(石田卓球クラブ)
松下(愛工大名電高) 6、ー8、5、3 佐藤(青森山田中)
酒井(JOCエリートアカデミー/帝京) 5、ー11、6、ー8、7 梅崎(倉敷工業高)
松宮(杜若高) 10、8、ー7、7 沼村(青森山田中)
硴塚(JOCエリートアカデミー/帝京) 4、5、8 大西(愛工大附属中)
平野(野田学園高) 7、10、7 出雲(遊学館ジュニア)
吉村(野田学園高) 4、10、7 比嘉(普天間高)
龍崎(JOCエリートアカデミー) ー8、3、8、ー9、7 高杉(愛工大名電高)
緒方(JOCエリートアカデミー) 10、ー5、ー9、13、5 木造(愛工大附属中)
及川(青森山田高) 6、ー7、2、4 高橋(明豊高)
渡辺(明徳義塾高) 7、8、8 坂根(育英高)
伊丹(野田学園中) 9、10、8 内村(都城商業高)
坪井(青森山田高) 5、6、4 飯沼(長森中)
村松(JOCエリートアカデミー/帝京) 7、8、7 千葉(野田学園高)

男子ジュニアで4回戦が終了し、ベスト16が出揃った。
下写真は左上から時計回りに、強烈な裏面ドライブを炸裂させた松下(愛工大名電高)、左腕から放つパワードライブで出雲を圧倒した平野(野田学園高)、3回戦で田添響(希望が丘高)を破って勢いに乗る松宮(杜若高)、木造との大激戦を制した緒方(JOCエリートアカデミー)
●ジュニア女子4回戦
加藤(JOCエリートアカデミー) −10、6、6、5 多田(芦屋学園高)
浜本(JOCエリートアカデミー) 8、5、10 伊藤(札幌大谷高)
平真由香(正智深谷高) 7、−10、7、10 伊藤(昇陽中)
平野(JOCエリートアカデミー) 8、5、−3、10 芝田(四天王寺高)

ベスト16が決定するジュニア女子4回戦。女子中学生の「黄金世代」のライバルたちは明暗が分かれた。JOCエリートアカデミーの加藤美優、浜本由惟、平野美宇がベスト16に勝ち残る一方、伊藤美誠は平との激しいラリー戦に敗れ、ここで姿を消した。

バック表ソフトで叩く強打を得意とする伊藤だが、対戦相手の平はそのボールを苦にせず、台からやや距離を取って安定したバックドライブで打ち返す。正智深谷の猛練習で培ったラリー戦での強さは見事だった。「レシーブで練習してきたことを出せず、サービスも台から出たりして、あまくなってしまった。もっと足を動かして、自分からフォアで攻めていくべきだった」と試合後の伊藤。

平野は実力者の芝田に対し、3ゲーム目を挽回され、4ゲーム目の終盤もリードされながら逆転して勝利。「去年はジュニアでゲームカウント2−0の10−9から逆転されて負けてしまった。今年は逆に、自分が挽回する立場になりたいと思った」と平野。厳しい試合展開でもそれだけ冷静だった。
  • ベスト16入りした平野

  • 敗戦後の会見での伊藤

●ジュニア男子3回戦
三部(青森山田高) 8、4、5 宇田(Meiji c.s.c)

ジュニア男子3回戦まで勝ち上がった小学6年生の宇田は、第1シードの三部の胸を借りたが、ストレート負け。大きいラリーになると中陣での攻撃力にまさる三部が上。サービス・レシーブでも三部が優位に立っていた。
しかし、勝利した三部も「バックハンドがうますぎますね。正直言ってすごくビビったし、サービスが効かなかったらヤバかった」と宇田の実力を認めるコメント。宇田のバックドライブは、ヨーロッパで腕を磨く三部の堅陣を、何本も打ち抜いた。

「サービスを取れていたら、もっと良い試合ができていたと思う。悔しいですけど、やれることはやれたと思います」と試合後の宇田。この後出場する一般男子シングルスでも活躍に期待したい。 

※写真は善戦むなしく敗退となった宇田