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速報・現地リポート

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ユース五輪・卓球競技

●男子決勝トーナメント1回戦
村松 6、2、6、6 アファナドル(プエルトリコ)

 村松はアファナドルを寄せつけず、4試合連続のストレート勝ちでベスト8入り!

 試合後に「調子はすごく良いです。攻守の切り替えがうまくいっている」と語った村松。変化の大きいバックカットから、前にススッと出てフォアの連続ドライブ、さらに代名詞である一発のバックドライブ。かつての「守り切るカットマン」の面影はそこにはなく、完全に試合を支配していた。
 「まだ前後の動きは遅い部分があるので、もっと早くしていきたい」とも語っているが、実は前後の動きも相当良い。好調であるがゆえに「もっとやれる」という感触があるのではないか。ユース五輪というビッグゲームに、これだけのピークを持ってこれたのは大きい。このまま一気に突き進んでほしい。

 準々決勝の対戦相手は、韓国の金民爀。昨年の世界ジュニアを制した張禹珍(ジャン・ウジン)によく似たタイプの右シェークドライブ型だが、パワーとコースの厳しさは先輩ほどではない。ただし、韓国のジュニア選手はカット主戦型が多く、どの選手もカット打ちはうまい。韓国はすでに女子の朴セリがベスト16で姿を消しており、金民爀は全力でメダルを獲りにくるだろう。接戦は覚悟しなければならないが、今回の村松の調子なら勝利の可能性は高い。
  • 村松雄斗、攻守に抜群の冴え

  • ベンチでの表情も充実感が漂う

  • 気鋭の若手・アファナドルは完敗…

★その他の女子決勝トーナメント1回戦の結果
杜凱琹(香港) 3、5、3、8 トロスマン(イスラエル)
ディアコヌ(ルーマニア) 4、9、8、10 ミスチェク(オーストリア)
タモルワン(タイ) 6、9、ー8、ー7、8、7 S.ムケルジ(インド)
リリー・チャン(アメリカ) 5、7、-6、7、-10、5 リサ・ルン(ベルギー)
ラコバチ(クロアチア) ー4、8、7、6、5 アルベロ(ベネズエラ)
邱嗣樺(チャイニーズタイペイ) ー7、12、9、ー8、ー3、3、9 朴セリ(韓国)
劉高陽(中国) 3、3、3、6 ルオ・アンチー(カナダ)

 第1シードの杜凱琹、第2シードの劉高陽は圧倒的な強さでストレート勝ち。特に劉高陽は一気に二つ、三つギアが上がった感じだ。しかし、勝利にも表情を変えることなく、試合後も至ってポーカーフェイス。

 健闘が光ったのは、タイのタモルワンとチャイニーズタイペイの邱嗣樺。タモルワンはバックのブロックが堅いS.ムケルジに対し、身体能力の高さを活かしてよく動き、よく打った。長くタイ女子チームのエースを張ってきたナンサナー(コムウォン)の後継者になれる選手だ。そしてバック粒高の邱嗣樺は、朴の強烈な連続ドライブに攻守一体のプレーで対抗。最終ゲーム10-9のマッチポイントでは、下回転系のサービスからバック粒高のプッシュにいくのではなく、あえて上回転系のサービスから軽く合わせるようなナックルショート。意表を突かれた朴のバックハンドがオーバーミスして熱戦に決着がついた。
  • 観客を沸かせる間もなく勝利した劉高陽

  • ベスト8入りの快挙を成し遂げたタモルワン

  • 熱戦を制し、ベンチに戻って笑顔の邱嗣樺

●女子決勝トーナメント1回戦
加藤 9、4、-8、4、6 ロレンゾッティ(ウルグアイ)

 ウルグアイの伏兵、ロレンゾッティを下した加藤がベスト8進出!
 回転量の多い両ハンドドライブ、特にバックドライブに威力のあるロレンゾッティ。しゃがみ込みサービスもよく切れていたが、加藤は多少ミスが出ても、あまいサービスは積極的に狙った。競り合った印象もあるのだが、スコアを見ると余裕があるのは、守備力の高さと凡ミスの少なさゆえか。

 明日の対戦相手はクロアチアのレア・ラコバチ。今大会は予選グループで1敗を喫するなど、あまり調子が良くないようだが、中陣での打ち合いになるとパワーに押される。サービス&レシーブから早めの勝負を仕掛け、主導権を握りたい。
  • 切れ味を増してきた加藤のしゃがみ込みサービス

  • 多彩な球さばきを見せたロレンゾッティ

  • 田㔟監督のアドバイスにも熱がこもる

●男子シングルス決勝トーナメント1回戦(ベスト8決定戦)
樊振東(中国) vs. ゲラシメンコ(カザフスタン)
テンティ(アルゼンチン) vs. 孔カ(金+華)徳(香港)
ディオゴ・チェン(ポルトガル) vs. オルト(ドイツ)
レイツパイズ(チェコ) vs. 楊恒韋(チャイニーズタイペイ)
カルデラノ(ブラジル) vs. パダサック(タイ)
プツァル(クロアチア) vs. ザトウカ(ポーランド)
アックズ(フランス) vs. 金民爀(韓国)
村松 vs. アファナドル(プエルトリコ)

 村松の決勝トーナメント初戦の相手は、中南米のホープ・アファナドル。まるで日本選手のような、教科書的で美しいフォームのフォアドライブを放つ。カット打ちの実力は未知数だが、パワーで圧倒してくるタイプではないので、まずは序盤のゲームメイクが重要だ。
 ここを勝ち上がれば、次はフランスのアックズと韓国の金民爀の勝者。金民爀は予選グループでディオゴ・チェン(ポルトガル)に敗れ、ここに入ってきた。どちらが上がってきても厳しい戦いになりそうだ。
 14〜18歳の選手たちが出場するユース五輪。日本でいえば、花の中学生、高校生の年代。あふれる若さが、ま、眩しい……。
 メディアルームでは、昼と夜にミール(食事)サービスがあって大変助かる。中華料理のお弁当と、マクドナルドのハンバーガーの2種類で、仕事しながら食べられる手軽さもあってか、圧倒的にハンバーガーが人気。

 昨日は昼も夜も中華を選んだ速報担当。中華料理は大好きだが、ホテルでの朝食も中華なのでさすがに飽きがくるし、なにより脂っこい。そこで今日の昼はハンバーガーを選んでみた。「運が良いわね、これ最後の1セットよ」とボランティアのおネエさんに言われて渡された袋を開けてみると……。
 出ました、巨大な唐揚げを挟んだチキンタツタ(的なもの)、チキンナゲット、そしてパイナップルパイ。恐怖の「揚げ物スリートップ」。中華の脂っこさを避けた先に、こんな落とし穴が待っているとは……。中国対アメリカのハイカロリー・バトルが、今まさに速報担当の体を舞台にして行われております。どちらが勝者になっても、自分が敗者になることは間違いありません(涙)。
  • チキンタツタは異様に辛かった……

  • なぜかホテルの部屋にある体重計。の、乗りません

●男子シングルス予選グループ・第3戦
村松 0、2、2 ジョンソン(セントクリストファー・ネイビス)

 村松にとっては別の意味で難しい試合だった。予選グループ第3戦の対戦相手であるジョンソンは、ほとんどカットが打てず、カットをツッツキで返そうとしてもネットミス。時おりフォアドライブが入るのだが、次の2本目は100%返ってこない。第1ゲームは11ー0、第2ゲーム以降も一方的な内容だった。

 ユース五輪では、世界の204のNOC(国内オリンピック委員会)、すべてが参加して行われることを重視している。そのため、小さな選手団で参加している国や、前回の第1回ユース五輪で参加選手が少なかった国には、特別に出場枠が与えられることがある。村松と対戦したジョンソンもそういった選手のひとりだ。ミスの連続に、さすがに表情は冴えなかったが、こんなフロアでラケットを握るのは恐らく一生に一度の機会だろう。

 
  • あっという間に試合を終わらせた村松

  • ジョンソンはカットが全く打てず

●女子シングルス予選グループ・第3戦
加藤 4、7、4 ソフィア・ドン(ニュージーランド)

 相手のサービスを積極的にバックハンドで狙い打ち、フォアドライブも走ってきた加藤が完勝。予選グループ1位通過を決めた。まだ自分のプレーには納得がいかない様子だが、確実に内容は良くなってきた。

 今日の夜に行われる決勝トーナメント(ベスト8決定戦)では、ウルグアイのロレンゾッティと対戦。下がっても粘り強いが、攻めの遅いタイプなのでサービス・レシーブから一気に崩せるはずだ。続く準々決勝の対戦相手はラコバチ(クロアチア)か。昨年の世界ジュニアベスト8で、長身から強烈な両ハンドドライブを放つが、小回りは効かない。こちらもサービス・レシーブから多彩なコース取りで先手を取り、ラコバチがいら立つような展開になれば勝利は堅い。決勝トーナメントはエンジン全開といきたいところだ。

★女子シングルス決勝トーナメント(ベスト8決定戦)
杜凱琹(香港) vs. トロスマン(イスラエル)
ミスチェク(オーストリア) vs. ディアコヌ(ルーマニア)
タモルワン(タイ) vs. S.ムケルジ(インド)
リサ・ルン(ベルギー) vs. リリー・チャン(アメリカ)
加藤 vs. ロレンゾッティ(ウルグアイ)
アルベロ(ベネズエラ) vs. ラコバチ(クロアチア)
邱嗣樺(チャイニーズタイペイ) vs. 朴セリ(韓国)
ルオ・アンチー(カナダ) vs. 劉高陽(中国)
  • 加藤、きっちりストレート勝ち

  • 攻撃にはあまり迫力がなかったソフィア・ドン

  男子シングルス予選グループ、何ともユニークな選手を発見した。スイスのエリア・シュミッドは極端なフォアハンドグリップで、バックサイドに来たボールもすべてフォアハンドで処理。バックサイドを切るようなボールには、前陣で横に振り抜くワイパースイングで対応している。

 フォア面のグリップは、同じタイプのプレーヤーだったシーミラー(アメリカ)の「シーミラー・グリップ」にちょっと似ている。そしてバック面の人差し指の感じは……、しゃがみ込みサービスの名手、日本の岡崎恵子選手を彷彿とさせるものがある。フォアサービスの出し方(上写真右)は、何ともぎこちないが、予選グループは1勝1敗でまだ決勝トーナメント進出のチャンスがある。

 世界的に大流行したチキータも、台上バックドライブもシュミッドには無縁。なんでこのプレースタイルになったのか、余裕があったら聞いてみます。
  • すべてフォアブロックで返球!

  • 実は変化が激しいフォアサービス

  • 反抗期のように反り返ったフォア面の親指

  • バック面の人差し指は別の意思を持った生き物のよう

 昨日は速報のアップが遅れがちになり、失礼しました。昼休みにメディアセンターで、カメラマンが着用するベストを受け取った後、夜の試合はひたすら撮影。まずは出ている選手を全部抑えようとチョコマカ動いていたら、フロアにいるボランティアの女の子に「選手がプレーしている時はあんまり動かないでね」とやんわり釘をさされてしまった。

 今日は午前中に男女シングルス・予選グループの第3戦、夜にベスト8決定戦が行われる。間に長い昼休みがあるのだが、そこでユース五輪ならではのニッチな情報をお届けします。日本の村松、加藤の予選グループ3戦の相手は下記のとおり。

●10:30~
加藤 vs. ソフィア・ドン(ニュージーランド)
●12:00~
村松 vs. ジョンソン(セントクリストファー・ネイビス)

 村松が対戦するジョンソンは、プレーのレベルでいうと高校の県大会に出られるかどうか、ちょっと厳しいかなという感じ。村松のカットは……、とても打てそうにない。
  • 会場の五台山体育館は、少々古めかしい感じ