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ジャパンオープン・荻村杯2017速報

●男子ダブルス準決勝
丹羽孝希/吉村真晴 7、9、ー6、9 森薗政崇/大島祐哉
馬龍/許シン(中国) 6、6、9 樊振東/林高遠(中国)

世界選手権のメダリストペア対決は、丹羽/吉村が勝利!
「やりづらさはなかったけど、ラリー戦で勝てなかった。相手のペアのほうが打球点が早くて、ぼくたちは少し打球点が下がってしまった」と試合後の大島。先手を取った時の丹羽/吉村の攻撃は質が高く、厳しかった。3ゲーム目のラブオールでは、吉村の背面打ちから丹羽がフォアストレートに打ち込んで得点する場面も。4ゲーム目、森薗/大島も2ー7から追いつき、9ー8とリード。次のゲームに望みをつなぎたかったが、最後は大島の勝負をかけたチキータがレシーブミスとなり、勝負あった。

こちらも同士討ちとなった準決勝のもうひと試合は、許シンと林高遠のパワーの差が出て、馬龍/許シンが快勝。林高遠はシングルスで完敗して気落ちした部分があったか。
  • 厳しい攻めを見せた丹羽/吉村、決勝進出

  • 森薗/大島は銅メダル

  • 先輩ペアに一蹴された樊振東(右)/林高遠

●女子ダブルス準決勝
陳幸同/孫穎莎(中国) ー10、2、ー10、8、2 橋本/佐藤
田志希/梁夏銀(韓国) 11、ー3、9、3 鄭怡静/田志希(韓国)

日本期待のカットペア、橋本帆乃香/佐藤瞳は中国ペアにゲームオールで敗れ、惜しくも3位。3ゲーム目に8ー10から4点連取で逆転し、ゲームカウント2ー1と王手をかけたのだが、4ゲーム目以降は中盤でリードを広げられ、中国ペアに余裕を持って打たれた。中国ペアは、17歳の孫穎莎のパワードライブに威力と切れ味があり、コースもより厳しかった。

しかし、1ゲーム目の11ー10で佐藤がバッククロスのスマッシュを決め、橋本も中陣からフォアドライブで反撃するなど、攻撃力はさらにアップした印象。プレーの選択肢が増え、判断が難しい局面も出てくるが、まだまだ伸びしろは残している。さらなる成長に期待したい。

「勝つチャンスはあったと思いますが、最後は攻撃力の差が出たと思う。相手ペアが連続で強打してくることは予想できたので、中国人トレーナーの方にガンガン打ってもらって対策はしていた。競っているゲームは取れたけど、4点、5点と離れると相手のパワーが出てきて、力でねじ伏せられた」(佐藤)
「チャンスはあったと思うし、それだけに中国選手を倒せなかったのは悔しい。アジア選手権のダブルスで初めて中国選手とプレーして、今回が2回目。ジュニアなので思ったほどは威力はなくて、逆にこちらが身構えすぎたのが反省点です。中国選手ということで警戒しすぎた部分があった」(橋本)
  • 多彩なプレーを披露した橋本/佐藤だが、5ゲーム目は離された

  • 孫穎莎(左)のパワープレーが印象的だった中国ペア

●男子シングルス2回戦
水谷 ー10、7、11、9、8 K.カールソン(スウェーデン)
樊振東(中国) ー9、ー9、6、9、7、3 ルベッソン(フランス)

水谷、K.カールソンを破って準々決勝進出!
1ゲーム目、ゲームポイントを取ってから相手に連続得点を許し、逆転された水谷。K.カールソンのフォアドライブは非常にパワフルだったが、水谷は要所で相手のミドルを攻め、主導権を譲らなかった。世界選手権とのボールの違いにも少しずつ慣れてきたようで、「まだサービスのミスは出ているけど、これはしかたない。慣れればもっとミスは減るだろうし、プレーももっと良くなると思う」とコメント。次の対戦相手は李尚洙。「世界選手権の銅メダリストなので、胸を借りたい」と語った。

「最悪な立ち上がりでした。1ゲーム目、10点までは簡単に取れたけど、そこから凡ミスと相手のナイスプレーが出て逆転された。でも気持ちを切り替えていくことができました。
 どうしても序盤と終盤で、競った時のプレーが違う。序盤は積極的にいけるけど、終盤で追い上げられたり、競った時にレシーブのあまさや凡ミスが出ているので、もっと継続的に良いプレーをしていきたい」(水谷)

第2シードの樊振東は、ルベッソンのクセ球とフォアストレートへのカウンターに苦しみ、2ゲームを落としたが、そこから4ゲーム連取で逆転勝ち。順当に準々決勝へ進み、こちらはチームメイトの梁靖崑と対戦する。
  • 1ゲーム目を落とすも、2ゲーム目以降は要所を締めた水谷

  • 馬力があったK.カールソン

  • 樊振東を苦しめた現ヨーロッパ王者のルベッソン

  • ルベッソンのベンチには、元フランス代表のシーラが入った

●男子シングルス2回戦
李尚洙(韓国) 8、8、7、7 林高遠(中国)
梁靖崑(中国) 4、5、ー11、9、4 黄鎮庭(香港)

男子シングルス2回戦、世界選手権で張継科、サムソノフらを破って3位に入った李尚洙が、ここでも活躍を見せた。世界選手権代表の左腕・林高遠に圧巻のストレート勝ち。前陣での中国選手ばりに打球点の早いバックハンドに加え、フォアハンドもスピードにあふれ、打ち負けない。その超攻撃的なプレースタイルで、韓国では「タッコン(多攻)」というあだ名があるとか。日本のアニメが大好きだそうで、覚えた「おつかれさまです!」の発音は完璧!

林高遠は昨日ボルを破って勝ち上がったが、この試合はまったく良いところなし。動きのキレ、ボールの回転量はあるが、フォアの力比べになると迫力不足だ。

梁靖崑と黄鎮廷の一戦は、中陣に下げられても黄鎮廷のフォアドライブを両ハンドでしのぎ、パワードライブで逆襲した梁靖崑に軍配。しかし、梁靖崑も試合後、中国男子の秦志ジェン監督に長く叱責されていた。勝って兜の緒を、グイグイ締められていた感じだった。
  • 李尚洙、ナックルで出すスピード重視のロングサービスが効く

  • 打ち負けた林高遠

  • 黄鎮廷はベスト8に進めず

 女子シングルス2回戦、平野美宇は中国から帰化した左腕選手・田志希に競り勝ち、準々決勝進出!

 試合後に「シングルスでは初めての対戦で、思ったよりボールがゆっくりで、タイミングが合わなくて手こずった」と語った平野。田志希は平野のループドライブへの対応が巧みで、回転をかけたゆっくりしたブロックで緩急をつけ、巧みに平野のミスを誘った。2回のゲームポイントを奪った1ゲーム目を落としたことで接戦に持ち込まれ、「自分が勝つと最初から最後まで信じていたけど、余裕はなかったですね」とナーバスな一戦を振り返った。

 続く準々決勝の対戦相手は陳夢。陳夢にとっては4月のアジア選手権決勝のリベンジマッチ、相当気合いを入れてかかってくるだろう。

●女子シングルス2回戦
平野 ー13、6、6、ー7、5、ー4、7 田志希(韓国)
鄭怡静(チャイニーズタイペイ) 7、8、7、ー10、7 ユ・フ(ポルトガル)
ハン・イン(ドイツ) 6、11、ー10、12、7 ツォン・ジェン(シンガポール)
陳夢(中国) ー11、5、8、4、5 姜華君(香港)
  • 平野、苦しみながらも要所を締めた!

  • 粘り強いプレーで平野を苦しめた田志希

  • 驚異的なカットの安定性を見せたハン・イン

 東京体育館に足を運んだ方、またITTF(国際卓球連盟)のitTVをご覧になっている方はおわかりかと思うが、今大会の観客席には中国の卓球ファンの姿が目立つ。圧倒的に女性ファンが多く、「馬龍、加油(頑張れ)!」「林高遠、加油!」の大合唱。10人くらいでもかなりのボリューム感で、中国選手がプレーしていると、日本なのか中国なのかわからなくなるくらい。

 手製の小さな横断幕(?)を作り、仲間に配って応援していた林高遠ファンの子に話を聞くと、応援団には日本に留学している子もいるが、多くは中国からやってきたのだという。彼女は上海在住で、世界選手権で林高遠を応援するためにドイツまで行った後、またジャパンオープンのために来日するほどの入れ込みよう。……お金あるんですね。「林高遠のどこが好きなの?」と聞くと、満面の笑顔で「太可愛(すごくカワイイ)!」。彼女の横断幕では、林高遠になぜかウサギの耳がついてました。張継科ガールズとはまた違った感情なんでしょうね。

 日本選手にも、負けじと大きな声援を送りましょう!
  • 揃いのウチワで馬龍を応援

  • 中国から来ました、林高遠ガールズ

  • 馬龍の横断幕はあちこちに張られてます

★大会第4日目・6月17日のタイムテーブル

10:00〜 ●女子シングルス2回戦
平野美宇 vs. 田志希(韓国)
ツォン・ジェン(シンガポール) vs. ハン・イン(ドイツ)
鄭怡静 vs. ユ・フ(ポルトガル)
姜華君(香港) vs. 陳夢(中国)

10:45〜 ●男子シングルス2回戦
水谷隼 vs. K.カールソン(スウェーデン)
ルベッソン(フランス) vs. 樊振東(中国)
黄鎮廷(香港) vs. 梁靖崑(中国)
李尚洙(韓国) vs. 林高遠(中国)

11:30〜 ●女子ダブルス準決勝
橋本帆乃香/佐藤瞳 vs. 陳幸同/孫穎莎(中国)
陳思羽/鄭怡静(チャイニーズタイペイ) vs. 田志希/梁夏銀(韓国)

12:00〜 ●男子ダブルス準決勝
森薗政崇/大島祐哉 vs. 丹羽孝希/吉村真晴
樊振東/林高遠(中国) vs. 馬龍/許シン(中国)

13:30〜 ●女子シングルス準々決勝
伊藤美誠 vs. 王曼昱(中国)
孫穎莎(中国) vs. シャン・シャオナ(ドイツ)

14:15〜 ●男子シングルス準々決勝
馬龍(中国) vs. 丹羽孝希
方博(中国) vs. 許シン(中国)

15:00〜 ●女子シングルス準々決勝
鄭怡静 ー ユ・フ戦の勝者 vs. ツォン・ジェン ー ハン・イン戦の勝者

15:45〜 ●男子シングルス準々決勝
水谷 ー K.カールソン戦の勝者 vs. 李尚洙 ー 林高遠戦の勝者  

17:30〜 ●女子シングルス準々決勝
平野 ー 田志希戦の勝者 vs. 姜華君 ー 陳夢戦の勝者

18:15〜 ●男子シングルス準々決勝
黄鎮廷 ー 梁靖崑戦の勝者 vs. ルベッソン ー 樊振東戦の勝者

19:00〜 ●女子ダブルス決勝
19:30〜 ●男子ダブルス決勝

大会第4日目、6月17日のタイムテーブルは上記のとおり。平野美宇対田志希という注目のカードが朝一番の10時からスタート。その後も日本選手の試合が続く。観客もかなり入りそうだ。チケットをお持ちの方は早めの来場をオススメします!
 本日最終試合は、男子シングルス2回戦、8決定のうちの4試合。丹羽vs上田の好調同士の対決は、互いにテクニカルな台上から前陣で切り裂くようなドライブが炸裂したが、コースを読んでのカウンターが冴え渡った丹羽が勝利。今年1月の全日本のリベンジを果たした。

 松平vs許シンは、許が無理にフォアで動くだけでなく、両ハンド待ちで、松平のフォアクロスのボールをバックでカウンターブロックするプレーも。松平も良いプレーを見せたが、その攻撃パターンに対応された感がある。

●男子シングルス2回戦
馬龍(中国) 4、7、6、7 何鈞傑(香港)
丹羽孝希 7、-5、8、-5、7、7 上田仁
方博(中国) 8、6、-7、8、10 林鐘勲(韓国)
許シン(中国) 5、9、-7、4、10 松平健太


 明日16日は、女子と男子の2回戦の残り4試合ずつからスタートする。
  • 最後の1本がエッジをかすめ、「入った?」

 女子シングルス2回戦(ベスト8決定)で伊藤が中国の若手を退け、日本勢で8強一番乗りを果たした。ラリーに強い陳可だが、バック左横回転レシーブも効果的に使い、ストレートコースを活用しながらミートで決める持ち味のプレーで優位に立った伊藤。陳もパワフルなラリーで最終ゲームまで持ち込んだが、終盤、集中力の差が出て伊藤が勝利、笑顔で両手を掲げた。

 佐藤瞳は非常に粘り強いプレーを見せたが、いかんせんシャン・シャオナのカット打ちにミスが出ない。反転での変化やバックドライブなど手を尽くしたが、わずかに及ばなかった。対カットに卒のないプレーを見せる、このクラスのトップランカーに対し、いかに崩していくか。世界ランキングを上げている佐藤にとっての大きな課題だ。

●女子シングルス2回戦
孫穎莎(中国) 8、-8、4、7、10 馮天薇(シンガポール)
シャン・シャオナ(ドイツ) 5、-10、6、11、10 佐藤瞳
伊藤美誠 6、-7、8、-9、8、-8、7 陳可(中国)
王曼昱(中国) 7、10、7、7 サマラ(ルーマニア)
  • 競り合いを制し、観客の声援に応える

 男子シングルス1回戦に登場した第3シードの水谷隼が、シュテガーを4-1で下す。ドライブ連打で強さをみせるシュテガーを、落ち着いたプレーで料理した。また、ボルは当たりを見せている林高遠の猛攻の前に勝機を見いだせず、1-4で敗退した。

 大島はルベッソンとの真正面からの打ち合いに押されて1ゲームを奪うにとどまった。吉田は樊振東に対してドライブ強打を随所で見せ、点数的には競ったものの、ゲームを奪うまでには至らなかった。これで2回戦進出は、丹羽・上田・松平健・水谷の4人となった。

●男子シングルス1回戦
水谷隼 9、5、-7、5、10 シュテガー(ドイツ)
K.カールソン(スウェーデン) 3、7、4、7 龍崎東寅
李尚洙(韓国) -4、7、7、10、9 O.アサール(エジプト)
林高遠(中国) 6、7、-6、5、8 ボル(ドイツ)
黃鎮廷(香港) 5、6、7、10 神巧也
梁靖崑(中国) 7、7、-13、7、-7、4 フェガール(オーストリア)
ルベッソン(フランス) 5、6、5、-8、10 大島祐哉
樊振東(中国) 10、9、6、9 吉田雅己
  • まずは1勝の水谷

  • ファンタスティックなプレーをもう少し長く日本のファンに見せてほしかったボル

  • U21と予選ラウンドで好プレーを見せた龍崎も、K.カールソンに及ばず