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ジャパンオープン・荻村杯2017速報

 男子シングルス予選3回戦、張本は中国期待の若手、梁靖崑(世界ランキング41位)に1-4で敗れ、上位進出はならなかった。

 1・2ゲーム目を奪われた第3ゲーム、ゲームポイントを奪ってからデュースに追いつかれ、あわや0-3になるかと思われたが、悪い流れを断ち切った張本。しかし、4・5ゲーム目も梁が落ち着いたプレーで押し切った。梁は張本のチキータを封じ、緩急を付けたプレーで張本のミスを誘いつつ、フォアのパワードライブを叩き込んだ。バックハンドの目の覚める速攻を随所で決めた張本だったが、やや打ち急いでミスするラリーも見られた。



●男子シングルス予選3回戦
龍崎東寅 6、8、10、4 江宏傑(チャイニーズタイペイ)
吉田雅己 8、-7、9、9、10 田添健汰
吉村和弘 13、10、7、-10、-1、9 ニュイティンク (ベルギー)
上田仁 8、-5、5、12、-5、7 平野友樹
梁靖崑(中国) 2、11、-14、6、8 張本智和
吉村真晴 7、13、-9、5、-7、7 ワン・ユージン
林鐘勲(韓国) 8、-5、8、7、9 村松雄斗 
神巧也 5、-6、10、9、8 メンゲル(ドイツ)
ヴァルター(ドイツ) 9、9、9、-5、6 森薗政崇
  • 実力者が相手だったとはいえ、敗退の無念さを隠しきれなかった張本

 U21男女準決勝が行われ、日本勢は男子・龍崎、女子・梅村&木原が決勝進出を決めた。

 龍崎vsチゥ・ダンの対決は、1・2ゲーム目はチゥがペンホルダーを生かしたチキータや台上フリックなどで主導権を握り、完全にチゥのペース。しかし3ゲーム目からは龍崎が打ち合いに持ち込んで圧倒。最後は鮮やかな回り込みストレートドライブで決勝進出を決めた。

 女子の梅村と木原もそれぞれクロスゲームになったが、激しいラリー戦を制した。今晩19時からU21男女決勝が行われる予定だ。


●U21男子準決勝
林鐘勲(韓国) 6、6、-5、-3、9 高見真己
龍崎東寅 -4、-2、7、5、6 チゥ・ダン(ドイツ)

●U21女子準決勝
梅村優香 -8、5、9、12 蘇慧音(香港)
木原美悠 3、-9、5、-7、9 麦子詠(香港)
  • 鮮やかな逆転を見せた龍崎

  • ペン両面の技術をそつなくこなすチゥだが、決定力が課題か

 女子シングルス予選2回戦、中学1年の木原美悠が香港のエース・李皓晴と対戦、好ラリーを展開したが、ゲームオールで惜敗した。

 体格に恵まれた木原は、ラリー戦では互角以上の展開。バック表ソフトのミート打ちに、フォアもスピードドライブ、そして時折なぐりつけるようなカウンターを決めた。3ゲーム目以降、李皓晴が主導権を握り、武器であるパワフルなフォアドライブで得点を重ねたが、崩れずにゲームオールまで持ち込んだ木原の善戦が光った試合と言えるだろう。


●女子シングルス予選2回戦
李皓晴(香港) -12、-9、7、11、4、-9、5 木原美悠
加藤美優 9、5、9、9 成本綾海
陳可(中国) 8、7、12、12 浜本由惟
陳思羽(タイペイ) -8、6、5、9、-9、1 安藤みなみ
森さくら -8、9、5、10、-10、8 ディアコヌ(ルーマニア)
  • バックハンド連打が炸裂した木原

  • フォルトを何度も取られた浜本。苦しい接戦をものにできず

 男子シングルスは昨日途中まで行われた予選2回戦の残りの試合が終了。日本選手の結果は以下のとおり。

●男子シングルス予選2回戦
村松雄斗 5、5、7、6 ブロフ(ロシア)
神巧也 10、9、10、6 ガオ・ニン(シンガポール)
O.アサール(エジプト) 8、8、9、9 松山
フィルス(ドイツ) -9、10、-9、-9、7、5、8 酒井明日翔
趙勝敏(韓国) 3、-11、7、-9、9、8 木造勇人
森薗政崇 7、9、2、5  ロレンツ(フランス)

 昨日の平野友樹らに続き、今日は神巧也が金星。神は昨年のジャパンオープンに続いて今年もガオ・ニンから勝利をあげた。酒井明日翔はフィルスと激闘を繰り広げ会場を沸かせたが、惜しくも及ばず。最後はフィルスの思い切りの良い攻撃に屈した。
  • 2年連続のガオ・ニン退治

  • 村松は完勝で予選3回戦へ

  • 激闘の末、酒井を下したフィルス

  • 会場を沸かせたフィルス、勝利の咆哮

 男子に続いて女子ダブルスの予選もスタート。日本ペアは出場していないが、日本ゆかりの馬文ティン(ノルウェー)がA.ゾルヤ(オーストリア)との国際ペアで登場。長身両ハンドの馬文ティンとバック面アンチの異質攻守のA.ゾルヤのペアリングというだけで少々異質ではあるが、経歴も異色。現在、広島日野自動車に所属する馬文ティンは中国生まれ→幼少期に日本へ→ノルウェーに移住しジュニア代表→大学から再び日本、という経歴。A.ゾルヤもドイツ生まれで世界ジュニア3位→オーストリアに帰化という経歴でなんとも国際色豊かなペア。試合の方は陳可/王曼昱(中国)ペアに敗れ決勝トーナメント進出はならず。昨日の女子シングルス予選1回戦で皆川優香(昇陽高)を破った馬文ティンは、今日行われる予選2回戦で決勝トーナメント進出をかけて梁夏銀(韓国)と対戦する。

●女子ダブルス予選1回戦
陳可/王曼昱(中国) 6、6、5 馬文ティン/A.ゾルヤ(ノルウェー/オーストリア)
  • 中国ペアを崩せず

  • 馬文ティンのバッグは新井さん。さすが広島在住、立派なカープ女子です

 まずは男子ダブルスの予選1回戦がスタート。ここを勝利すると決勝トーナメント進出となる。日本からは張本智和/木造勇人(JOCエリートアカデミー/愛工大名電高)ペアが出陣。大会の前日会見で「ダブルスは優勝が目標」と語っていた張本だが、フィルス/ワルター(ドイツ)ペアに勝利し、決勝トーナメント進出を決めた。カット&攻撃の変則ペアにも惑わされず、つなぎと強打のメリハリをつけて攻め切った。

●男子ダブルス予選1回戦
張本智和/木造勇人 7、-8、4、5 フィルス/ワルター(ドイツ)
 平日開催とあって、まだ観客もまばらな東京体育館。フロアから目につくのが、馬龍、樊振東の横断幕の横にある「張本智和」と「早田ひな」の名前の横断幕。恐らく中国からの観客の作成したものだと思われるが、世界選手権での活躍で中国の卓球ファンにも2人の名前が認知されてきたということだろうか。また、昨日の男子シングルス予選2回戦に登場した梁靖崑(中国)には観客席から「梁靖崑、加油」の黄色い声援が飛ぶ。梁靖崑の応援団はそこまで人数がいたわけではないが、まだ観客が少なく静かなこともあって、その声援は会場に響き渡っていた。馬龍ら主力はまだまだ登場していないが、観客席からも中国のパワーがビシビシと伝わってくる。
  • 樊振東の横に張本智和

  • 馬龍の横に早田ひな

  • 去年もあった帖雅娜の横断幕。人気は相変わらず

  • 黄色い声援を受けていた梁靖崑

  • 昨日の梁靖崑応援団。団扇の「胖」は中国語で「太っている」。ド直球すぎやしないか?

  • そして今日。増えた!

 大会2日目のITTFワールドツアー・ライオンジャパンオープン荻村杯。今日は男女ダブルスがスタートし、U21男女シングルスではチャンピオンが決定する。タイムテーブルは下記のとおり。

★6月15日タイムテーブル
10:00 男子ダブルス 予選1回戦
10:40 女子ダブルス 予選1回戦
11:20 男子シングルス 予選2回戦
13:00 女子シングルス 予選2回戦
14:40 21歳以下男子 準決勝
15:10 21歳以下女子 準決勝
15:40 男子シングルス 予選3回戦
17:20 女子ダブルス 1回戦
18:00 男子ダブルス 1回戦
19:00 21歳以下男子 決勝
19:00 21歳以下女子 決勝

 昨日準々決勝までが行われたU21男女シングルスでは男子・龍崎東寅(明治大)、高見真己(愛工大名電高)、女子・木原美悠(JOCエリートアカデミー)、梅村優香(四天王寺高)がベスト4に進出。ホームでのタイトル獲得に期待したい。
●男子シングルス予選2回戦
龍崎東寅 -9、6、7、-9、7、10 江天一(香港)
吉田雅己 -6、7、8、7、8 楊恒韋(チャイニーズタイペイ)
田添健汰 -7、-7、6、7、6、8 フロール(フランス)
吉村和弘 6、4、-9、8、-8、10 張禹珍(韓国)
平野友樹 10、7、6、15 陳建安(チャイニーズタイペイ)
上田仁 7、6、-8、4、-9、4 林兆恒(香港)
吉村真晴 -9、9、8、10、7 朴康賢(韓国)
張本智和 12、6、-8、3、-9、10 ヨン・パーソン(スウェーデン)


 男子シングルス予選ラウンド2回戦。日本選手は2回戦からの登場となったが、金星続出。直前のU21男子シングルスで何鈞傑(香港)を下した龍崎東寅は勢い止まらず、江天一も撃破。U21男子シングルスでは準々決勝で敗れた吉村和弘もその鬱憤を晴らすように張禹珍から勝利をあげて予選3回戦進出を決めた。さらに平野友樹も、世界選手権混合ダブルス準優勝の陳建安をストレートで退けるなど、出場全選手が予選3回戦へ駒を進めた。
 また注目を集めた張本智和はベテランのヨン・パーソンの思いきりの良いコース取りに苦しみながらも勝利。試合の内容には納得がいかない様子だったが、ここから調子を上げていってほしい。
  • 苦しみながらも勝利をあげた張本

  • ベテランらしさを見せたヨン・パーソン

  • 平野は最後まで攻めを緩めず陳建安を撃破

  • 混合複世界王者・吉村真晴も上々のスタート

●U21男子準々決勝
龍崎東寅 -8、7、-6、9、9 何鈞傑(香港)
チウ・ダン(ドイツ) 12、-6、-6、7、9 趙勝敏(韓国)
高見真己 6、-3、-9、9、10 酒井明日翔
林鐘勲(韓国) -9、9、13、-8、7 吉村和弘


 女子に続いて、U21男子でもベスト4が決定。日本からは同士討ちを制した高見真己と、何鈞傑を下す金星をあげた龍崎東寅が準決勝進出を決めた。吉村和弘は第1ゲームにフォルトを取られて失点するなど、苦しみながらもフルゲームまで持ち込んだが、最後はサービスミスでゲームセット。韓国のパワーヒッター・林鐘勲に敗れた。準決勝のカードは龍崎vs.チウ・ダン、高見vs.林鐘勲。
  • ラリーに持ち込み酒井を下した高見

  • 龍崎はフルゲームでの金星にこの笑顔

  • フルゲームに持ち込むも惜敗の吉村