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 Tプレミアに関しては「大企業中心のチーム編成となるのでは」という予測と、トップ選手たちからは「いったい、何がどうなって、Tプレミアはどんなふうになるのか、自分たちは将来どの方向に行けばいいのか」という疑問と、「Tリーグの話は選手たちはほとんど聞かされていない、情報が少なすぎる」という不安の声が多く出てきている。
 また地方の卓球ファンには、「結局Tプレミアが首都圏中心のチーム編成になり、自分たちは関係ない。単なるプロ興行で、プレミア以下のT1以下のリーグはできるまで時間がかかりそうだし、もっと地方活性化のための構想かと思っていたのに、あまり関係ないのか」という失望感が漂っている。

 日本卓球協会の過去の理事会では「Tリーグは日本リーグと共存共栄であるべき」という建前だけが話されていた。
 そもそも加入の是非が注目された日本リーグの理事会といっても、企業の経営陣が入っているわけではない。卓球部長や企業の管理職の人たちが集まる会議の中で、日本リーグの将来を決定していくのも無理がある。
 なぜならば、理事会に出席する企業(加盟チーム)の管理職の人で、5年後、10年後も卓球部に関わっている人はごく少数だからだ。卓球部長の任期中に大きな変革の舵を切る決断を下すのは酷な話である。
 ということは、日本リーグからの結論はある程度見えていたのではないか。Tリーグと日本リーグをジョイントさせるには、企業のトップを動かす相当大きな力が必要だった。そして、今回その力は発揮されなかった。

 客観的に見ても、この何年間は無駄だったと言わざるを得ない。1993年にサッカーのJリーグをスタートさせ、2015年にはバスケットのBリーグを創設させた川淵三郎氏のような強いリーダーシップを持った人が卓球界にはいなかった。これだけの大きなプロジェクトを動かしていく人材が見当たらない。
 とは言え、実際にはTリーグ代表理事の松下浩二氏が今まで以上に動くしかない。彼以外に、卓球界とスポーツ界を熟知し、スポンサーとの交渉ができ、国内外にパイプを持っている人間はいない。裏を返せば、卓球界の人材不足に尽きる。
 「企業主体の興行だけのリーグを作るつもりなのか、単なる金儲けのリーグなのか」と指を指される前に、松下氏はTリーグの大義を述べ、大きなビジョンを掲げる必要がある。
 あと5年は続くであろう、この「卓球バブル」をバブルに終わらせないために、Tリーグが卓球界を健全な方向に導くことを願うばかりだ。 (今野)

*松下浩二代表理事のインタビューは卓球王国最新号(11月号/下記リンク)に掲載
http://world-tt.com/ps_book/back.php?lst=2&mcd=AZ247
 期せずして、9月15日に開かれたTプレミアの参加チームの一般募集の説明会と記者会見を行った日、ドイツのブンデスリーガ1部のオクセンハウゼン(現在村松雄斗やブラジルのカルデラノなどが所属)のクリスチャン・ペジノビッチCEO(最高経営責任者)がVICTASとの提携の発表会見のために日本を訪れていた。
 その日の午後、Tリーグの会見後に彼に話を聞くことができた。参加要項や入会審査基準をペジノビッチ氏に説明すると、彼は目を丸くしていた。

「ブンデスの男子1部リーグもプロ興行的なものだが、このTプレミアとはだいぶ違うような気がする。ブンデスリーガも企業がスポンサーになっているが、あくまでも主体は企業ではなく、チームであり、その地域。
 だからこそ、ブンデスリーガにはボルシア・デュッセルドルフやオクセンハウゼンのように50年以上も続くクラブが存在するし、ヨーロッパには100年以上続く卓球クラブもある。経済状況によって左右される企業に依存するのは危険だ。スポーツクラブはあくまでも地域主体となり、その地域に貢献することが重要だと思う」

「それに2億円を超す予算というのはハードルが高いね。ブンデスリーガではボルシア・デュッセルドルフやオクセンハウゼンがそれに近い予算を持っていると思うけど、それ以外はもっと小さな予算でやっている。
(日本リーグのトップチームは人件費を含めると7千万円とか8千万円の予算だけども・・)ブンデスリーガのほかのチームの予算もそのくらいだと思うし、それでもやっていけると思う。
 選手の出場に制限(全体の75%までしか試合に出られない)があるのは驚いた。観客が水谷の試合を見に行ったら、彼が制限のために試合に出ていなかった、ということだよね……。
 もちろん日本のTプレミアが成功することを祈っているし、今後、協力してうまくやっていきたいと思っている」
 以上は、ペジノビッチ氏のコメントだった。

 実際には、選手の獲得という面ではブンデスリーガや中国のスーパーリーグとTプレミアが競合する面も出てくるだろう。
 昨シーズン、20数名の日本選手がヨーロッパのリーグでプレーしたが、ヨーロッパでプレーしていた選手たちが日本に戻ってプレーする可能性もある。トップ選手への報酬をTプレミアが押し上げていくことは間違いない。それはプロ選手にとってはプラスだ。

 長く日本選手が憧れていたブンデスリーガがTプレミアの手本だと思うが、予算やお金の面ではTプレミアがブンデスリーガを超えていく可能性がある。しかし、日本のTプレミアのチームがヨーロッパの卓球クラブの哲学やポリシーを手本にすることを期待したい。
 卓球チームの運営はお金で動くかもしれないが、卓球ファンの心はお金では動かない。卓球というスポーツで地域を活性化させ、貢献していくという理念。そこに毅然としたスポーツ文化としての哲学が存在しなければ、卓球というスポーツは発展せずに、Tリーグの努力は水泡に帰すことになる。 (今野)

  • オクセンハウゼンのクリスチャン・ペジノビッチCEO

T2 第4ラウンド、混合団体・第19・20試合の結果は以下のとおり。

●9/20-1 第19試合

 チーム・JJ 17ー12 チーム・ロスコフ
 荘智淵〈2ー2〉ー10、6、ー5、7ー6 劉丁碩
 エクホルム〈2ー3〉9、8、ー4、ー5、4ー5(KZ) 鄭怡静○
○サムソノフ〈3ー2〉ー4、10、9、ー10、5ー4 ドリンコール

○劉斐〈5ー0〉1、4、3、6、8ー4 サマラ

 張本 〈1ー4〉6、ー7、ー8、ー9、4ー6 オフチャロフ○
○田志希〈4ー1〉ー8、10、8、6、5ー4(KZ) ポータ

 マレーシアで行われているT2の第4ラウンドが始まった。本日の第1試合(第19試合)のチーム・JJ vs. チーム・ロスコフは17-12でチーム・JJが勝利。4番でカットの劉斐(中国)が17日(日)まで行われていたヨーロッパ選手権(団体戦)で劇的優勝を遂げたルーマニアのエース・サマラに5-0と圧勝したのが大きかった。張本智和(JOCエリートアカデミー)は5番で出場しオフチャロフ(ドイツ)に1ゲームを先取したものの、その後4ゲーム連取で勝利はならなかった。


●9/20-2 第20試合 
 
チーム・パーソン 14ー13 チーム・メイス
○サウェータブット〈4ー0〉6、9、9、9 梁夏銀
○朱世爀〈4ー0〉5、8、7、10 シバエフ
 スッチ〈2ー4〉ー9、10、ー5、10、ー5、4ー5(KZ) 木原○
 M.カールソン〈2ー3〉9、6、ー10、ー8、5ー6 陳建安○
 石洵揺〈1ー3〉ー8、ー9、8、4ー8 馮天薇○
 水谷〈1-3〉ー9、10、ー9、5ー6 ボル○

 本日の第2試合(第20試合)は1番でサウェータブット(タイ)が梁夏銀を、2番で朱世爀(韓国)がシバエフ(ロシア)をそれぞれ4-0で破りチーム・パーソンが序盤大きくリードを広げる。その後チーム・メイスが4試合全てに勝利するものの1ゲーム及ばず、チーム・パーソンが14-13で勝利となった。水谷隼(木下グループ)はチームは勝利したものの、ラストでボル(ドイツ)に1-3で敗れ個人の勝利はならなかった。また、チーム・メイスの早田ひな(希望が丘高)の代わりに今大会のみ参加の木原美悠(JOCエリートアカデミー)は3番で出場。スッチ(ルーマニア)と対戦し、ラストのKZ(キルゾーン)も制するなど勝負強さを発揮し勝利した。


本日は15時より第21試合、20時より第22試合が行われる。

【ライブ配信】
9月21日(木)
★第21試合:15時〜
https://youtu.be/r6Cigq5CNww
★22試合:20時〜
https://youtu.be/RbIqL0LP6gk


T2 HP:http://t2apac.com/
T2 Twitter:https://twitter.com/t2apac
T2 Facebook:https://www.facebook.com/t2apac
<前回から続き>
Q Tプレミアは入会金と年会費で合計3500万円、運営予算規模が2億円以上となっています。予算規模が日本リーグのチームのそれよりも相当に高いものになっています。

佐藤●今まで言われてきた内容と今回の内容は食い違ってきています。Tプレミア加入の条件のお金のハードルも高い。現状であれば、日本リーグ1部チームはプレミアの下のT1になるだろうし、2部チームはT2が妥当なのでしょう。
 去年の9月にプロアマ混成の組織の話が出てきて、その時点でも丁寧に説明してくれと申し入れたのに、説明不足だった。また途中で日本卓球協会側の意見が入ってきて、スピード感もなくなっていったのです。

Q 現状、日本リーグ側は全体として加入しない。だが、個々のチームがTプレミアに応募することは妨げないのですね?

佐藤●妨げないし、日本リーグとしても各チームに募集をかけていくし、個々のチームがプレミアに出ることは自由です。各チームが判断することです。

Q 日本リーグの加盟チームが、日本リーグとTプレミアのい両方に出ることは可能ですか?

佐藤●それはそういうチームが出てきたら,その時に考えます。今の時点で、仮定として日本リーグとしても話はできません。

Q 会見でも松下代表理事は「日本リーグから選手を引き抜きはしない」と言っています。

佐藤●引き抜くという、彼の発言は間違っています。「引き抜き」という言葉自体が誤解されます。選手には職業選択の自由の権利があるし、権利問題を今話し合っている段階で、コメントはできません。

Q 社員が会社を辞める権利もあるでしょうし、日本リーグにも契約選手、契約社員がいるので、彼らがTプレミアに参戦することも止められないですね。

佐藤●もちろん止められません。それは個々のチームで個々の選手と話し合って、解決していくものです。

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 Tリーグの松下代表理事からすれば、日本リーグと交渉を重ね、返事を待ち、この2,3年間の動きが遅くなった。もっと早くTプレミアを立ち上げることができたのに、時間の浪費だったという思いがあるだろう。
 一方、日本リーグの佐藤真二専務理事からすれば、Tリーグによって日本リーグの存在そのものが将来なくなるかもしれない、それならば日本リーグがTリーグの中に入ってもいいが、そのための説明があまりにも少なすぎる、という思いがあるだろう。
 お互いの妥協点は結局は見つけられず、日本リーグが加入の検討に入るというものの、平行線のままに終わったという印象がある。(今野)

  • 日本卓球リーグ実業団連盟の佐藤真二専務理事

 Tリーグはトップリーグを「Tプレミア」として、来年2018年10月開幕を目標にチーム募集に動き出した。既存の日本実業団リーグ(以下日本リーグ)がそこに何チーム入るのかという点は現時点では全く白紙であり、ゼロ加入の可能性もある。
 日本リーグが今後も独立した形で存続していくのか、それともTリーグ(プレミア)の下のT1やT2として組み込まれ存続していくのか、それとも将来なくなってしまうのか、全く予想はつかない。

 日本卓球リーグ実業団連盟として、Tリーグ加入を先送りしつつ、2021年以降の加入への検討に入った。そこで日本リーグの佐藤真二専務理事へのインタビューを行った。
●聞き手 今野昇

Q Tリーグに対して日本リーグとして一応結論が出た形となりました。今までの過程を振り返ると、Tリーグは日本リーグとの共存共栄を掲げたものの、日本リーグからの返事待ちで時間を浪費した、日本リーグ側の検討と日本リーグからの返答が遅すぎたという印象があります。

佐藤専務理事●もともとプロリーグ検討のための委員会から、Tリーグに組織や内容が変わったために、我々日本リーグとしては、新たに変わったことの説明、その内容の説明を求め続けてきました。昨年12月の日本卓球協会の理事会でも説明を求めたのにもかかわらず、こちらからの質問は重要視されませんでした。

Q もともと佐藤専務理事もプロリーグの検討委員会の頃からそのメンバーに入っていて、会議にも出ています。しかも、Tリーグの松下浩二代表理事は「内容はさほど変わっていない」と言っていますが、日本リーグ側が先延ばししてきた印象はぬぐえません。
 しかも、Tリーグ構想というのは当初はプロアマ混成リーグを掲げ、それは日本リーグ側が加入しやすくするための組織のはずだったのに、それでも入らなかった。

佐藤●プロアマ混成リーグを作ることで日本リーグが参戦しやすいようにTリーグが歩み寄ったと言われていますが、企業チームである日本リーグ加盟チームにとっては、社内で判断する資料がTリーグの方から上がってこなかった。それでは加入するしないの判断はできません。
 特に企業の経営陣が判断するための情報がない。内容がお粗末すぎるために時間がかかったのです。
 もともとは「日本がオリンピックでメダルを獲るためにプロリーグを作る」と言ってみたり、実際にメダルを獲ると「普及のために新リーグを作る」と言ってみたり、強化なのか普及なのか、相当にぶれています。
 そして、出てきたTプレミアの参加要項を見ると、卓球王国がWEBでも指摘しているように、企業を軸にした日本リーグの拡大版で、お金儲けのためのリーグとも言えるような内容ではないですか。 (続く)
 本日、9月20日に六本木ヒルズ・アリーナ(東京都港区)で映画『ミックス。』の完成記念イベントが盛大に行われた。今をときめく役者さんが勢揃いとあって、会場には約1,000人ものファンが詰めかけた。

  W主演の新垣結衣、瑛太をはじめ、広末涼子、遠藤憲一、瀬戸康史(敬称略)など出演者の多くが舞台挨拶に立ち、映画出演の感想や現場での雰囲気、そして作品の面白さやおすすめポイントなどを語った。
 出演者が口を揃えて語ったのは、現場がいかに楽しかったかということ。とくに、舞台となった『フラワー卓球クラブ』のメンバーは、撮影の合間にも卓球をしたり、ゲームをしたり、と和気あいあいと過ごしたそうだ。
 映画出演の時間は短かったけど、しっかりと存在感を示した中学生卓球選手を演じた鈴木福くんは、「6年生の時にちょっと卓球をやっていて、もともと卓球が大好きなので、この映画をきかっけにもっともっと卓球を楽しむ人が増えてほしい」なんて、うれしいコメント。また、ミニトマト農園の奥さん役の田中美佐子さんは、「私自身は卓球をするシーンは少なかったんですけど、待ち時間に伊藤美誠ちゃんや木造勇人さんが(卓球の)相手をしてくれて、すごくうれしかったです」と語った。
 午後5時前から行われたこのイベントのあと、場所を移して、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて完成披露試写会も行われた。試写会チケットプレゼントに当選した、ラッキーな卓球王国の読者6名様もご覧になっているはず。

 映画館での封切りは卓球王国12月号の発売日と同じ、10月21日! ちなみに、12月号の卓球王国の表紙は新垣結衣さん×瑛太さんのツーショットの予定。インタビューも載ります。お楽しみに。
  • イベントで登壇した出演者の面々

  • 遠くから見守るファンも

  • レッドカーペットを歩く主演のふたり

  • カーペットの両脇はファンが詰めかけ、ギュウギュウ

  • 「すごく楽しかった」と語った新垣結衣さん

  • 「ガッキーとは以前から共演したいと思っていた」と嬉しそうに語った瑛太さん

  • 握手攻めにあっていた永野芽郁さん

  • 登場すると女性から黄色い声が上がっていた瀬戸康史さん

  • 「卓球が大好き!」と言う鈴木福くん

  • 「最初、球(ボール)役がきたのかと思った」と言って笑いをとった斎藤司さん

 先週土曜日、9月16日に日本卓球リーグ実業団連盟の臨時理事会が開かれ、主に「Tリーグ参戦に関する案件」が話し合われた。
 結論としては、「日本実業団リーグが全体として 2021年以降に加入するかどうかを検討する」ことを決めた。

 すぐの加入にならなかった理由は、「2018年、19年は連盟としての事業がすでに進んでいること」「2020年は東京五輪で忙しくなること」「Tプレミアの3年間の動向を見て、それらを判断材料にすること」などを挙げた。

 ただし、日本リーグとしてTプレミアへの参戦を妨げることなく、各チームが応募することはその企業にゆだねるとのこと。
 9月13~17日にクロアチア・ヴァラジュディンでITTFジュニアサーキット・クロアチアジュニア&カデットオープンが開催。日本からは大藤沙月と菅澤柚花里(いずれもミキハウスJSC)が参加し、カデット女子シングルスで菅澤が、ダブルスでも大藤/菅澤が優勝を遂げ、菅澤は大会2冠を達成した。また、エミー・ウォン(アメリカ)との混成で臨んだジュニア団体ではチャイニーズタイペイに敗れたものの3位入賞を果たした。
 団体種目ではチャイニーズタイペイが強さを発揮し男女カデット、ジュニアの4種目を制した。

優勝と日本選手の上位記録は以下のとおり。

クロアチアジュニア&カデットオープン結果
●ジュニア男子シングルス優勝:ジャー(アメリカ)
●ジュニア女子シングルス優勝:ソン・ジャイ(クロアチア)
●ジュニア男子ダブルス優勝:馮翊新/戴茗葦(チャイニーズタイペイ)
●ジュニア女子ダブルス優勝:ソン・ジャイ/サージャン(セルビア)
●ジュニア男子団体優勝:チャイニーズタイペイ
●ジュニア女子団体優勝:チャイニーズタイペイA 3位:日本/アメリカ混成(菅澤、大藤、エミー・ウォン)
●カデット男子シングルス優勝:ヤン・イェチャン(韓国)
●カデット女子シングルス優勝:菅澤柚花里
●カデット男子ダブルス優勝:キム・ムンス/キム・テヒュン(韓国)
●カデット女子ダブルス優勝:大藤沙月/菅澤柚花里
●カデット男子団体優勝:チャイニーズタイペイ
●カデット女子団体優勝:チャイニーズタイペイ
 9月15〜17日、千葉・旭市総合体育館で『2017世界ジュニア選手権イタリア大会 男女日本代表最終選考会』が開催。男子は田中佑汰(愛工大名電高)、女子は木原美悠(JOCエリートアカデミー)が優勝し、ともに世界ジュニア代表に内定した。

 男子の田中は、予選Aグループで曽根(愛工大附属中)に2ー3で敗れたものの、出雲(遊学館高)、髙見(愛工大名電高)という強豪を3ー2で下して4勝1敗で1位通過。決勝トーナメントでは、準決勝で宇田(JOCエリートアカデミー/大原学園)、決勝で髙見をともに3ー2で破り、勝負強さを見せつけての優勝となった。

 女子の木原は予選Bグループで木村(四天王寺高)に2ー3、野村(愛み大瑞穂高)に1ー3で敗れて3勝2敗となったが、大混戦のグループを辛くも2位通過。準決勝では、8月の全中決勝でも勝利したJOCエリートアカデミーの先輩・長﨑を3ー0で破り、決勝では木村(山陽女子高)をゲームオールの接戦の末に下した。中学1年生ながら、自らの手で世界ジュニア代表の座をつかみ取った。

 今年の11月26日〜12月3日にイタリアで行われる世界ジュニアの代表は、男女とも4名ずつ。選考基準では、8月発表のU-18世界ランキングで日本人上位2名が選ばれる。男子でU-18世界ランキング1位の張本智和(JOCエリートアカデミー)と同2位の木造勇人(愛工大名電高)、女子でU-18世界ランキング1位の平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)と同3位の伊藤美誠(スターツSC)が選考基準を満たしている。男女とも残る1名は強化本部推薦で選出される。
 代表最終選考会の結果は下記のとおり。

【男子】●出場選手
出雲卓斗(遊学館高)、手塚峻馬(明徳義塾中)、濱田一輝(愛工大附属中)、中村煌和(畳和卓球)、髙見真己(愛工大名電高)、金光宏暢(大原学園高)、田中佑汰(愛工大名電高)、宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)、曽根翔(愛工大附属中)、五十嵐史弥(遊学館高)、宮本春樹(愛工大名電高)、沼村斉弥(野田学園高)

●第1ステージ順位(リーグ戦)
A 1位:田中(4勝1敗) 2位:髙見(3勝2敗) 3位:沼村(3勝2敗) 4位:曽根(3勝2敗) 5位:出雲(2勝3敗) 6位:中村(0勝5敗)
B 1位:宮本(5勝0敗) 2位:宇田(4勝1敗) 3位:五十嵐(3勝2敗) 4位:金光(2勝3敗) 5位:手塚(1勝4敗) 6位:濱田(0勝5敗)

●準決勝
田中佑汰 ー7、5、ー7、8、7 宇田幸矢
髙見真己 11、ー7、9、8 宮本春樹
●決勝
田中佑汰 8、ー7、7、ー9、9 髙見真己

【女子】●出場選手
笹尾明日香(横浜隼人高)、梅村優香(四天王寺高)、木原美悠(JOCエリートアカデミー)、長﨑美柚(JOCエリートアカデミー)、小塩遙菜(石田卓球クラブ)、木村香純(四天王寺高)、塩見真希(四天王寺高)、木村光歩(山陽女子高)、野村萌(愛み大瑞穂高)、相馬夢乃(新発田ジュニア)、岡崎日和(川口総合高)、秋山星(愛み大瑞穂高)

●第1ステージ順位(リーグ戦)
A 1位:長﨑(5勝0敗) 2位:木村(4勝1敗) 3位:塩見(3勝2敗) 4位:梅村(2勝3敗) 5位:秋山(1勝4敗) 6位:小塩(0勝5敗)
B 1位:野村(4勝1敗) 2位:木原(3勝2敗) 3位:岡崎(3勝2敗) 4位:木村(2勝3敗) 5位:笹尾(2勝3敗) 6位:相馬(1勝4敗)

●準決勝
木原美悠 9、3、9 長﨑美柚
木村光歩 ー3、7、ー6、11、9 野村萌
●決勝
木原美悠 9、5、ー8、ー9、5 木村光歩
 ヨーロッパ選手権の女子団体は、ルーマニアが12年ぶりの優勝を飾った。ベテランのサマラとドデアン(モンテイロ)という両輪を軸に、T2リーグで腕を磨くスッチが3番で確実に勝利。決勝では、16年リオ五輪団体銀メダルで優勝候補本命のドイツを3ー2で撃破した。ラストでハン・インから殊勲の勝利を挙げたドデアンは、「私たちが良いチームワークを発揮できたのは、他のチームよりも多くの時間をともに過ごしてきたから。私たちはまるでファミリーのようでした」とチームワークを勝因のひとつに挙げた。

 ルーマニアが前回優勝した05年大会以来、ヨーロッパ女子の覇権は帰化選手を軸とするオランダ、そしてドイツが握ってきた。帰化選手のいないルーマニアの優勝は快挙と言えるだろう。スッチに次ぐ若手であるディアコヌの成長が待たれる。4連覇を狙ったドイツは、ゾルヤが故障、ジルベライゼンが「おめでた」で今大会に出場できず、選手層が薄くなったのが最後の最後で響いた。

〈女子チャンピオンシップディビジョン〉●第1ステージ(勝/敗)
A 1位:ドイツ(3/0) 2位:ハンガリー(2/1) 3位:スウェーデン(1/2) 4位:クロアチア(0/3)
B 1位:ルーマニア(3/0) 2位:オランダ(2/1) 3位:ルクセンブルク(1/2) 4位:チェコ(0/3)
C 1位:オーストリア(2/1) 2位:ポルトガル(2/1) 3位:ウクライナ(1/2) 4位:スペイン(1/2)
D 1位:ロシア(3/0) 2位:ポーランド(2/1) 3位:フランス(1/2) 4位:ベラルーシ(0/3)

●準々決勝
〈ドイツ 3ー0 ポーランド〉

○ハン・イン 7、ー13、6、8 リー・チェン
○シャン・シャオナ 4、4、6 グルジボウスカ-フランツ
○ミッテルハム ー9、10、4、6 パルティカ
〈オランダ 3ー2 オーストリア〉
○リー・ジエ 5、8、ー14、ー8、9 リュウ・ジャ
 エーラント ー11、ー10、ー6 ポルカノバ○
 フェルマース ー8、ー9、12、ー5 A.ゾルヤ○
○リー・ジエ 7、9、9 ポルカノバ
○エーラント 5、7、10 リュウ・ジャ
〈ロシア 3ー1 ハンガリー〉
○ミハイロワ ー8、11、10、ー13、9 マダラシュ
 ヴォロベワ 8、ー6、ー11、12、ー6 ポータ○
○ノスコワ 10、ー9、7、6 ペルゲル
○ミハイロワ 6、ー9、6、7 ポータ
〈ルーマニア 3ー0 ポルトガル〉
○モンテイロ-ドデアン ー8、7、6、ー5、9 ユ・フ
○サマラ ー6、4、3、ー11、9 シャオ・ジエニィ
○スッチ 2、4、7 オリベイラ

●準決勝
〈ドイツ 3ー2 オランダ〉

 シャン・シャオナ 11、ー8、ー13、ー8 リー・ジエ○
○ハン・イン 2、3、5 エーラント
 ミッテルハム ー7、7、6、ー7、ー9 フェルマース○
○ハン・イン ー11、ー10、7、6、6 リー・ジエ
○シャン・シャオナ 6、5、ー3、9 エーラント
〈ルーマニア 3ー0 ロシア〉
○サマラ 9、ー6、ー1、8、7 ノスコワ
○モンテイロ-ドデアン 6、7、9 ミハイロワ
○スッチ ー15、11、7、5 ヴォロベワ

●決勝
〈ルーマニア 3ー2 ドイツ〉

○サマラ ー9、10、ー9、8、7 ハン・イン
 モンテイロ-ドデアン ー6、ー6、ー7 シャン・シャオナ○
○スッチ 5、5、ー6、6 ミッテルハム
 サマラ ー8、ー9、15、ー3 シャン・シャオナ○
○モンテイロ-ドデアン 4、8、ー4、10 ハン・イン

※写真提供:レミー・グロス/ITTF
  • 劇的な優勝に、歓喜を爆発させるルーマニアチーム

  • 実に12年ぶりの優勝だ

  • 決勝トップでハン・インを下したサマラ

  • 決勝で2点を奪ったドイツのシャン・シャオナ

  • 3位に入ったオランダはリー・ジャオが抜けたが、写真のエーラントが活躍