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 中国ペアに完敗した、全日本チャンピオンペアの藤井と若宮のコメント。 

若宮「常に惜しいゲームばかりだけど、常に少しリードされてあと1本が取れない状態が続いた。相手に先にレシーブを仕掛けられたり、チキータに対応できなかったり、もう少し早い段階で対応できれば良かった」

藤井「試合に入る前から思い切って出し切れるように向かっていこうと話をした。向かっていけたし、やることは全部やりきった。相手のチキータとか、私たちが考えた以上のレシーブであったり、回転だったり、それが1本、2本の差につながった。結果としてベスト8でメダル獲得はならなかったが、一つひとつの試合を見てみると私たちも成長できているなと思えたし、3回戦の試合も苦しいときに頑張れたし、レベルアップはできていた。ベスト8は誇りに思えます」
 シンガポールペアに完敗した平野と福原のコメント。
 
平野「最後まで形が作れなかったし、流れもつかめなかった。相手は威力もあったし、意外に台上もミスしなかった。自分たちでチャンスをつかめなかったし、攻めきれなくて得点を作れなかった。世界選手権のメダルは難しいですね。今回はチャンスはったと思うけど、ほかに何か良い方法がなかったかなと今も考えています」

福原「横浜に続いてメダル決定戦で負けてしまって、自分たちのプレーができなかった。相手も実力のある選手だったので、今日の試合は完敗でした。
 今日は実力もパワーも相手が上だった。ただ1ゲーム目、ユ・モンユがすごく緊張していてそれがわかったけど、そのゲームを取れなかったのがすごく痛かった。
 今回の世界選手権は3種目とも自分の満足行くような結果を出せずに終わってしまった。今回の試合から課題とかたくさん勉強させていただいたところもあるので、それを忘れず、しっかりと受け止めて来年の東京大会まで反省点を克服して良いプレーができるようになりたい」
 メダルのかかった女子ダブルス準々決勝、福原/平野はシンガポールペアに、藤井/若宮は中国の若手ペアにストレートで敗れ、ベスト8に終わった。

●女子ダブルス準々決勝
福原/平野 -7、-6、-3、-8 馮天薇/ユ・モンユ(シンガポール)
藤井/若宮 -9、-8、-10、-7 陳夢/朱雨玲(中国)
 メダルを決めた後の水谷と岸川のコメント。

岸川「ここまで勝ち上がってきているペアなので相手は実力があるのはわかっていたし、それ以上に僕らのメダルにかける思いは強かったので、どんな試合でもいいから勝ちたかった。(3大会連続のメダル)銅メダルしか獲ったことがないので、そろそろ違う色のメダルがほしい。戦術とかじゃなくて気持ちしかなかった。世界の舞台で勝つには難しい。その難しい状況で2回目のメダルを獲れたことは大きい。明日、良い試合をしたい。自信を持って戦いたい」

水谷「本当に苦しい試合で、改めてこういう世界の舞台で簡単な試合はないなと実感した。最後は僕らの気持ちが相手を上回ったと思う。最後は全力でスイングして決めればそれでいいし、返されても岸川さんが決めてくれると思っていた。丹羽とか賢二とかのペアの分まで頑張らないといけない。
 悪い意味でのポイントは、1ゲーム目4−1から逆転されてこういう競り合いになってしまった。良い意味のポイントは、5ゲーム目の9−8でエッジが入ってラッキーだった、それがあったからこそ勝つことができた。
 今までダブルスでは数多くの中国ペアを倒してきたので、その時のあたりを明日できるようにしっかり準備したい」
水谷/岸川がタイペイペアを下し、09年横浜大会に続いてのメダルを確定させた。
張/松平賢も惜敗したが、素晴らしい試合を見せた。

●男子ダブルス準々決勝
水谷/岸川 -6、8、4、-5、8、8 江宏傑/黄聖盛(タイペイ)
張/松平賢 11、10、-10、-5、9、-11、-9 陳建安/荘智淵(タイペイ)
●女子シングルス4回戦(ベスト8決定)
丁寧(中国) 8、4、5、7 パク・ソンヘ(韓国)
リ・ミョンスン(北朝鮮) 4、5、8、7 リュウ・ジャ(オーストリア)
武楊(中国) 2、9、4、7 キム・ヘソン(北朝鮮)
李暁霞(中国) 6、6、3、9 陳夢(中国)
馮天薇(シンガポール) 8、6、ー9、ー7、8、9 ビレンコ(ウクライナ)
朱雨玲(中国) 7、ー7、8、7、ー9、19 姜華君(香港)
フー・メレク(トルコ) ー6、ー13、9、11、5、6 シェン・イェンフェイ(スペイン)
劉詩ウェン(中国) 4、7、7、5 徐孝元(韓国)

女子シングルスでベスト8が決定。リ・ミョンスン、朱雨玲、フー・メレクが初のベスト8入りを果たしている。
下写真左は姜華君に辛勝した朱雨玲。第5ゲームの大量リードを逆転され、第6ゲームも何回もマッチポイントを逃しながら、ようやく振り切った。戻ってきたベンチでこの表情、昨年の世界ジュニアでは際だった強心臓と勝負強さも、世界の舞台ではまだ甘さが残った。
下写真右は一昨年の世界ジュニア四冠・陳夢。中国でも大器と目される選手だが、山東省チームの先輩・李暁霞に圧倒された。彼女の才能を知っているからこそ、李も全力の勝負を挑んだのかもしれない。
星野美香の眼★
 水谷/岸川組、丹羽/松平組、どちらにも勝ってほしい試合だった。水谷/岸川組にとって4ゲーム目を取ったのは大きかった。水谷/岸川組はラリー戦、もしくはストップからの戦いに持って行きたい。逆に、丹羽/松平組はレシーブ、もしくは3球目から速い攻撃に持って行こうとする戦術を使いたい。
 2,3ゲーム目、丹羽選手の攻めは速かった。特に岸川選手に対してはバックストレートを多用し、フォアで回り込ませない攻めで有利に運ぼうとしたし、水谷選手に対してもフォアドライブをさせないうまいコース取りだった。
 4ゲーム目になり、水谷/岸川は丹羽のリズムを崩すサービス、レシーブを使っていった。そこから少しずつ水谷/岸川組のペースになっていった。逆に丹羽/松平組はリズムが止まった。どちらがいかに自分たちのリズムに持って行くかという戦術、ラリー、心理戦、読み合いの中、最終ゲームのジュースまで行った。
 岸川選手のバックストレート、フォアドライブの攻撃、10−10でのジュースでの相手の読みを外すバック前ストップに対する水谷のフリックは見事だった。
 丹羽/松平も早い打球点でのカウンターをより磨けば、打倒中国も見えてくると思う。

 張一博/松平賢二組は無謀すぎるくらい思い切ったプレーで、2,3,4ゲーム目を落としたが、5ゲーム目、2−5でタイムアウトを取り、その後、中国が崩れてきた。はじめは合っていなかったボールも後半入り出してきた。5,6ゲーム目を取り、日本の勢いは止まらない。
 最終ゲームの出足、松平選手のすばらしいプレーが2本続いた。その後は中国が何も入らなくなるほど、日本ペアの勢いはすばらしかった。
●男子ダブルス3回戦
張/松平賢 8、-3、-10、-4、10、9、6 陳杞/方博(中国)

張/松平賢が陳杞/方博(中国)に1-3から3ゲーム連取の逆転勝利でベスト8入りを決めた!

我が目を疑うような一戦だった。ゲームカウント3ー1とリードした陳杞/方博が、第5ゲームも9ー3とリード。敗戦まであと2点だった。ところがここから、賢二のパワードライブに、ここまで硬さの見られた張のカウンターバックプッシュなど、張/松平賢が一気の7点連取で逆転。結局12ー10でこのゲームを奪った。中国ペアはその前の第4ゲーム、6ー3の場面で早めのタイムアウトを取っており、タイムアウトを使うことができなかった。
さらに、第6ゲームも中国ペアが6ー2でリードを奪いながら、賢二の強烈なバックドライブがビシビシ決まり、日本ペア7ー8のビハインドで陳杞がまさかのサービスミス。最後は方博のバックハンドがネットにかかって、勝負は最終ゲームへ。

最終ゲームは0ー0からいきなり賢二がバックドライブを決め、4ー0でリード。張のカウンターバックハンドが2本決まり、中国ペアを突き放した。あまりに劇的な逆転劇。ベンチに戻ってガッチリ握手をする張/松平賢ペアの横を、敗れた方博が茫然自失の表情で通り過ぎていった。日本、今大会2回目の中国越えだ!
男子ダブルス3回戦で、日本ペアが対戦。ゲームオール・ジュースの大激戦の末に水谷/岸川が勝利し、ベスト8進出を決めた。最終ゲーム、水谷/岸川の8ー4のリードから松平健/丹羽ペアが追いついたが、水谷/岸川ペアが2回目のマッチポイントで決め、大きくガッツポーズ!

●男子ダブルス3回戦
水谷/岸川 7、-8、-6、8、2、-6、10 松平健/丹羽

水谷「相手は予想以上に強かったし、勝機を見いだせなかったけど、1本1本苦しくて、その中で気持ちを切らさず自分たちのプレーができた。1ゲーム目が一番大事でした。最初からぼくが丹羽のボールを取るつもりでいたので、トスで勝って、レシーブを選択し、丹羽がサービスだったのでぼくがレシーブに回り、その1ゲーム目を取れたことが大きかった。
 この勝利はメダルへの大きな前進。僕らは最近結果を出せてなかったので、彼らに勝ったことで大きな自信になった。ぼくはシングルスもないので全身全霊かけて戦ってメダルを獲得して、さらにその上を目指したい」

岸川「苦しい試合でした。彼らは実力があって、レベルの高いプレーを毎回してくるし、一度も勝ったことのない相手だったので不利かなと思った。でも、隼もぼくも銅メダル以上を目指して、強い気持ちでやっているので、その気持ちの差がちょっとは出たかなと思います。最終ゲームは8−3でリードしていて、8−8に追いつかれて、考えてもしょうがないので、目の前のボールを追いかけるだけだった。
 最大の難関を突破したので自信を持ってプレーするだけ。次の試合の1本目からベストパフォーマンスをするだけ」
●混合ダブルス準々決勝
王励勤/饒静文(中国) 8、6、ー10、6、ー8、ー8、4 バン・ボラ/フー・メレク(トルコ)
李尚洙/朴英淑(韓国) 10、ー4、7、6、ー9、3 陳建安/黄怡樺(チャイニーズタイペイ)
キム・ヒョクボン/キム・ジョン(北朝鮮) 5、9、8、ー6、3 趙彦来/梁夏銀(韓国)
張ユク/姜華君(香港) ー9、ー10、6、ー4、6、10、8 江天一/李皓晴(香港)

混合ダブルス準々決勝が行われ、中国・韓国・北朝鮮・香港から1ペアずつが準決勝へ進出。アジアの強豪がメダルを分け合う形になったが、この中に日本がいないのが残念だ。下写真左は北朝鮮から個人戦で久々のメダルとなったキム・ヒョクボン/キム・ジョンと、気合いのこもった声援を送る北朝鮮の選手団