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世界卓球東京チキータ
伊藤条太のそんなバナナに私はなりたい速報

・・・まずい。
ま、まずいじゃん・・・。
凄いボールは入ってるんだけど・・・。

頑張れ丹羽くん。

ゲームカウント 2-2
ちょっと追い上げられ気味で丹羽がタイムアウトだ。
卓球も早いが判断も早い。
取られたけど、相手が渾身の力を込めた打ったバッククロスのフォアスマッシュだかドライブを(どっちかわからん)、丹羽、前陣で思いっきりフォアストレートにカウンターをブチ込んだ。

くーったまらん。とともに、視聴者にこれが普通の卓球だと思われちゃ困るんだが。あれは特別。有史以来の人類で数人しかできないプレーです。

ゲームカウント 2-1
なんか丹羽、とんでもないプレーが飛び出している。
何球もフォアで連打した後、最後にフライトの99%が台の外というフォアストレートを見舞った。良く見えないが恐らくほとんど弾まないボールだ。

こんなシーンが民放でお茶の間に届けられるようになったことが心底嬉しい。
まだ日本がメダルに絡むことができなかった2007年頃までは、メディアは愛ちゃんを中心とした女子しか興味がなくてよく知人に「卓球の世界選手権って男子はないの?」と真顔で言われたものだ。
まずは危なげない試合だ。
1番は丹羽だ。

1.丹羽WR16-フロールWR109
2.水谷WR10-ルベッソンWR54
3.松平WR17-ゴジWR70
4.水谷WR10-フロールWR109
5.丹羽WR17-ルベッソンWR54

世界ランクだけで比較すると負ける要素はなく3-0なはずだが・・・。

国歌斉唱の件

2014/04/30

先ほどの北朝鮮の方に、書いた記事を読んでもらいに行き、ついでに気になっていたことを聞いた。

それは、初日の開会式の国家斉唱のときに、「全員立ってください」とアナウンスが流れ、観客、メディア関係者全員が起立したとき、この集団だけが立たなかったのだ。これはスポーツの場としてふさわしくないし、第一、悪印象をもたれるだけで何の得にもならない、それをどう思っているのかと聞いてみた。

ちなみにこの方は、朝鮮学校の先生だという。

彼の考えは私と同じで「起立するべきだ」ということだった。ただ、彼は今日からの参加なので開会式のことはわからないという。そこで、もし日本チームが入賞して国家が流れる機会があり、そのときにこの集団がいたら立ってほしいとお願いをした。彼は「自分が責任者ではないけど、働きかけはする」と約束してくれた。

私は政治的には何のポリシーもないが、あえていえば卓球主義者である。「卓球の試合会場でだけは在日北朝鮮人も嫌いなはずの君が代を起立して聞く」ということにしたいわけだ。日本人すらろくに歌わない「君が代」ではあるが。

残念な雨

2014/04/30

あいにくの雨のため、外のフェスティバルの係員はカッパを来ている。
当日券はまだ売っているようだ。
今日の第一試合が始まったが、平日であることと、日本の試合がまだであることで、観客の入りはまばらだ。その中で、3階席の片側半分を赤いスティックをもった集団が陣取っていて、ラリーが終わるごとに大合唱で応援をしている。

近くに寄ってみると赤いスティックにはハングルが書いてあるから、朝鮮関係の人たちだとわかった。その多くが子供たちだが、中には数少ない大人もいる。そこで、その中の一人にお話を聞いてみた。

この集団は関東近郊の北朝鮮関係の学校の人たちで、日本で生まれて日本に住んでいる人たちだという。卓球に限らず、北朝鮮の選手が日本に来ること自体が希なので、北朝鮮の試合がある時間をしめし合わせてチケットを買い、指定席ではないが自然に会場の一角に集まったのだという。こういう機会でもなければ集まることもないので、良い機会なのだという。東京で郷土の県人会を開くようなものだろう。もっともこの方は卓球にはさほど興味がなく、残念ながら卓球王国もご存じではなかった。

こういう方々でもいなければ会場は閑散としているわけだから、卓球に興味がないとはいえ、世界大会を盛り上げるのに非常に有益だと思う。「自分の祖国ばかり応援してちょっと感じ悪いと思われるかもしれませんが」と言っていたが、それはどこの国でも当たり前ですから問題ないですと答えた。意外にも韓国も応援するという。1991年に統一コリアが優勝した幕張大会も良い思い出だと語ってくれた。

ちなみに、彼らは日常生活は家の中も含めて日本語で、朝鮮語を話すのは学校でだけだという。そうでもなければ忘れてしまうのだろう。

思い切って、核開発をしているとか独裁体制とか国際的に批判されている北朝鮮のことをどう思っているのか聞いてみると、それはもちろん居心地の悪さを感じて困った気持ちだという。しかし報道は悪いことばかり取り上げるので、鵜呑みにはできないが、鵜呑みにする人もいるし、それはこの集団の中でもいろいろなのだという。どこの何の集団でも人はそれぞれなのだからこれも当然だろう。

私が彼にインタビューをしようと間合いをうかがっているときに、通りかかった日本人が「これどこの人たち?こういうことをするのは北でしょ?」と言外に敵意を込めて語った。まるで悪事を働いてでもいるかのようである。北でも西でも、少なくともこの場では大会を盛り上げてくれているのだから良いではないか。「こういうこと」など日本人でもプロ野球やJリーグで散々やっているではないか。これで日本と対戦して1983にも世界選手権を開催したこの建物が崩れるかと思うほどの応援合戦になれば、卓球人にとって感動的な大会になるだろう。もちろんそのときには日本に勝ってもらいたいが。ガタガタ言っていないで日本人も声を枯らして足踏みをして応援をするべきなのだ。

卓球の応援にしてはうるさすぎると思う人もいるかもしれないが、海外での世界選手権ではいつものことだ。ヘタすると、アナウンサーがマイクを使って自国の応援をすることまであるのだ。そういう、ボールの音も聞こえないような騒然とした中で試合をし、勝たなくてはならない。それが卓球の世界選手権なのだ。日本の観客は彼らに負けないように喉をからして応援して欲しい。どうしても恥ずかしい大人の人は、会場に来る前に歩けなくなるほどしたたかに酒を飲んでから来場してみるのも一興だろう(寝るなよ)。そういう観戦態度を私は歓迎する。
  • お話を聞かせてくれた方