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アジア選手権2015速報

昨年のアジア競技大会に「なんだこの選手は?」と速報班を驚かせたパキスタンの
クレシ・アシム選手

フォアもバックも同面で打球し、時折裏面に貼ってある変化系表で意表を突く。
現代に蘇ったシーミラー打法だ。

独特の長すぎるグリップも見ていて異様であり、このような選手はどんな用具を使っているのか非常に気になったので、話を聞いてみた。

ラケットはニッタク製の5枚合板、裏ソフトはファスタークS-1、表ソフトはC7
オールニッタク選手だった。

「グリップはこの形が良い。重心が手前にあり、切り替えがやりやすい。ほとんど裏ソフトだけでプレーするが、たまに表ソフトも使う。ぼくはデンジャラスプレーヤーだからね(笑)。裏ソフトはスピードが良いね。打ったときはもちろん、ブロック時にもスピードが出るのが気に入っている。
 パキスタンはニッタクが支援してくれているんだ。とてもありがたい。チームのウェアはスタッグだけど、ショーツはニッタクを履いている。ぼくはシューズもニッタクだ(エクストリームアクト)」(クレシ選手)

プレーは地域の変則おじさんそのものだが、アジア競技大会では荘智淵からゲームを奪うなど、世界のおじさんは強い。
  • 快くラケットのことを話してくれたクレシ選手

  • 試合中も笑顔がこぼれる

  • 見た目以上に速いフォアドライブ。ショーツはしっかりニッタクだ

  • バックも裏ソフトで打つシーミラー打法だ

昨夜の熱戦さめやらぬまま、本日は日本男子が準々決勝、日本女子が準決勝に臨む。

本日のスケジュールは以下のとおり(日本時間)
11時〜 第1〜4ディビジョン準々決勝〜準決勝
15時〜 女子団体準々決勝 中国vs.北朝鮮、香港vs.タイ
18時〜 女子団体準決勝
19時〜 女子団体準決勝 日本vs.香港orタイ 
     男子団体準々決勝 日本vs.第1ディビジョン勝者

男子の相手はアラミヤンが率いるイラン、アチャンタが強いインド、そして北朝鮮のどれかだろう。
北朝鮮はキム・ヒョクボンが出場しておらず、少々戦力はダウンしているが、決して侮れない。この中ではアチャンタとグナナセカランの2枚看板がいるインドが最も怖い相手だ。

そして女子は決勝進出をかけて準決勝へ臨む。
恐らく香港と対戦することになるが、昨日のチャイニーズタイペイ戦の勢いがあれば突破できるだろう
●男子団体準々決勝
チャイニーズタイペイ 3-2 香港
○荘智淵 8、-5、3、10 黄鎮廷
 江宏傑 9、-7、-7、9、-5 唐鵬○ 
 李佳陞 -2、-10、-8 何鈞傑○
○荘智淵 -10、5、-6、8、9 唐鵬
○江宏傑 -7、-10、9、9、7 黄鎮廷

取って取られの5番勝負の打ち合いは、チャイニーズタイペイの執念がわずかに香港を上回った。
今大会、異常なほど気迫に満ちていたのは香港のほうだ。ベンチの劉国棟監督がとにかく熱く、ゲーム間のアドバイスだけでなく、ガッツポーズも大きい。まるで弟の劉国梁がそこにいるかのような熱さだった。

前半は1-1で折り返すと3番は気合い全開の何鈞傑が制し、そのままいくかと思われたが、ここでチャイニーズタイペイの大エース・荘智淵が流れを渡さない。
唐鵬のバック連打に苦しみながらもドライブをつなぎ、堅陣を崩していく。

ラストに繋ぎ、江宏傑に託すも、黄鎮廷の裏面ドライブに手こずり2ゲームを奪われたが、3ゲーム目からは裏面を打たせてからフォアに回して、黄鎮廷を下がらせる作戦がはまり、確実に点数を重ねていった。
最終ゲームの2−1で黄鎮廷が中陣から放ったドライブがエッジをかすめ、一度は黄鎮廷に点数が入り3-1となったが、ここでチャイニーズタイペイ側が猛抗議。
「サイドだ! 審判は相手のパフォーマンスに乗るな」と主張。

確かに、ボールが台をかすめた瞬間に、香港ベンチは大ガッツポーズで確実に点数が入ったという空気にしていたのは間違いない。
その後、審判がミステイクを認め、点数は2-2へ。これに劉国棟監督が抗議をしたがこれは覆らなかった。

香港は流れを逃したか、江宏傑が黄鎮廷を突き放し、値千金の勝利で準決勝進出を決めた。

終わってみれば時刻は23時をまわっていた。死力を尽くした両チームに拍手を送りたい。
  • 頼れるエースの荘智淵が2点取り

  • 陳建安不在の中、期待に応えた江宏傑

  • 黄鎮廷は裏面を確実にブロックされるときつくなるか

  • 金髪からまじめ青年になった何鈞傑。3番で気迫の勝利

  • ベンチでも応援団長の荘智淵。左は01年世界3位の蒋澎龍

  • 劉国棟効果が出てきたか、チームの雰囲気が良い方向へ変わりつつある

●女子団体準々決勝
韓国 3-1 シンガポール
○徐孝元 -6、13、11、10 ユ・モンユ
梁夏銀 5、-9、7、-12、6 馮天薇○
○李ジオン 6、7、9 イー・ウェンウェイ
○徐孝元 10、6、-7、-5、8 馮天薇

●男子団体準々決勝
韓国 3-0 シンガポール
○鄭栄植 9、3、6 ガオ・ニン
○朱世赫 -9、6、2、6 ヤン・ツー
○李尚洙 6、8、5 チウ・チェユー

男女とも韓国vs.シンガポールの戦いとなり、どちらも韓国が勝利した。
女子はカットの徐孝元が苦しみながらも2点取り。シンガポールの両輪はカットは打てないわけではないが、最後の詰めが甘いのか、カット打ちよりもレシーブミスなどの1点が重くのしかかってしまった。

そして男子でもベテランカットマンの朱世赫が若手に負けじと奮闘。技巧派ヤン・ツーのカット打ちをしのぎ、中盤はカットは最低限にとどめ、攻撃で次々に点数を取った。

準決勝の相手は男女とも中国。今度はカット打ちが得意中の得意の相手が立ちはだかる
  • 大黒柱の朱世赫が引っ張る

  • 粘り勝った徐孝元。サービス力も光る

  • カット打ちは得意なほうだが、攻撃に屈したヤン・ツー

  • 馮天薇が1点落とすとシンガポールは一気に厳しくなる

石川佳純が大会を棄権になったことはすでに伝えていたが、その経緯を村上監督に取材できたので紹介する。

石川は合宿の最終日となる23日の練習で左足内転筋(太ももの内側部分)に痛みを感じ、アイシングの処理をした後、治療院へ行き、そこで痛みはなくなったという。
ところが、24日にタイへ移動したが25日の練習を開始したら同じ左足の内転筋が痛み出した。

本人と村上監督、帯同マッサー、スポーツ医科学委員長の判断により、今後の試合のためにアジア選手権を棄権することを決定した。

すでに石川は日本へ帰国し、治療に当たっているということだ。

試合が続く中、選手は体を酷使して戦っている。仙台で行われる女子ワールドカップではきっと元気な姿を見せてくれるはずだ。
  • 囲み会見で石川の説明をしてくれた村上監督

●女子団体準々決勝
日本 3-0 チャイニーズタイペイ
○福原 6、5、9 陳思羽
○伊藤 4、6、6 鄭怡静
○平野 6、6、8 鄭先知

日本女子がオールストレートでチャイニーズタイペイを下し、準々決勝へ駒を進めた。
1番福原、2番伊藤、そして3番平野の全員が持ち味を出し、寄せ付けなかった。圧勝と言っていいだろう。
福原は序盤からスタートダッシュで突き放し、パワーのある陳思羽を前後に揺さぶり
ミスを誘う。
「自分が絶対に取らないといけないといつも以上に思いました」とキャプテンとして良いスタートを切ると、後輩たちがそれに続いた。

2番の伊藤は変化サービスと要所のスマッシュ、そして臆することなくプレーする強心臓を見せつけ、「シニアの団体戦では初なのに、すごいね」と村上監督の度肝を抜いた。

3番平野は少々緊張気味だったが、「出られるチャンスを活かしたい」とバック対バックの安定感で優位に立ち、押し切った。

準決勝の相手はまだ決定していなく、第1ディビジョンから勝ち上がってきた国と香港との勝者が相手だ。
第1ディビジョンには強豪・北朝鮮もいるため、どこが来ても手強い相手になるだろう。
  • 愛、貫禄の試合

  • 堂々としたプレーの美誠はさすがWR10だ

  • 美宇は逆横ツッツキでチャンスを作る

  • 直近で石川に2連勝していた鄭怡静だが、美誠に完敗

本日、昼過ぎから日本選手も会場へ姿を現して各自調整を行っていた。
福原はバックハンドの連打から、フォアへのコンビネーション。特にカウンターでフォアストレートを狙う練習を入念にやっていた。

石川が棄権のため、2点使いが予想される伊藤はリラックスモードで乱打。フォアの連続強打、下がって引き合いなど、打法をひとつひとつ確認し、試合モードへ体を起こしていく。

日本女子、チャイニーズタイペイ戦はもうすぐ開始される。
  • 日本女子チームの最年長となった福原。キャプテンとして先陣をきりたい

  • 伊藤は気負いなく、臨みたい。ピンチをチャンスに変えろ!

メインコートでは地元タイの試合が次々に行われている。
タイと言えば、09年横浜大会でひとり太鼓を持ち、私設応援団として会場で「ターイランッ!」と声を響かせていた日本人を思い出す。

叫ぶ、盛り上げる、そして派手にやろう!というタイならではの応援は本場でも健在のようだ。
その甲斐あってか現在、タイは順調に白星を重ねており、応援団も大満足だろう。
  • 09年の横浜大会を盛り上げたタイ好きの伊奈さん(写真は09年当時)

  • 応援を背に、エースのパダサークが奮闘

  • 「タイランッド!」と連呼する応援

  • さすがのタイ人でもこの格好は熱いだろう。外は本日も30度越え

卓球王国本誌にて、次号から「トップ選手の会場での直前練習法」のようなものを企画しております。

15年世界選手権蘇州大会でいろいろ撮っており、今大会も材料として連続写真を撮れたらいいなと思い、練習会場へ足を運んだところ・・・・

全9台に人!人!!人!!!

とても連写が撮れる状態ではございません。もちろん中国選手も特別待遇などはなく、この中で練習をしています。

さすがに最強軍団でもここで派手な多球練習はできなさそうです。
参加している選手たちはアジアの選手だが、風貌やプレーは様々

グループリーグではほとんどレシーブがツッツキとストップ、そしてロングサービスにはドライブ。チキータはほとんど見ることができなかった。
技術レベルでは日本の高校生県大会とあまり変わらない。

しかし、技術レベルはなくても丸太のような体格ならば、狙い定めた一撃必殺の強打を放つことができるのが彼らの強みだ。体にパワーがある彼らはプラボールになって有利になっているのかもしれない。
  • パワー溢れるキリギスの選手

  • 入れば決まる!カザフスタンの選手。あくまで入ればですが……

  • 逆にミャンマーは少年が登場

  • グループリーグでは別格の強さのN.アラミヤン(イラン)