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欧州リポート

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 2017/2018シーズンのヨーロッパチャンピオンズリーグ・決勝第2戦が行われ、男子はボルシア・デュッセルドルフ(ドイツ)、女子はDr.チャッスル(クロアチア)が、ともに2連勝で王者に輝いた。ボルシア・デュッセルドルフは史上最多を更新する11度目のV、Dr.チャッスルはクロアチアのクラブとして初のECL制覇とメモリアルな優勝となった。

【2017/2018ヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝第2戦】
★男子
<ボルシア・デュッセルドルフ(ドイツ) 3-1 オレンブルク(ロシア)>
○フェガール -11、8、9、11 水谷
○ボル -7、11、8、7 オフチャロフ
 K.カールソン -7、-7、-9 サムソノフ○
○ボル 5、7、7 水谷
→ボルシア・デュッセルドルフが2勝0敗で優勝!

 第1戦に3-2で勝利していたボルシア・デュッセルドルフはトップでフェガール(オーストリア)が水谷隼(木下グループ)を下す殊勲の勝利。続く2番でもボル(ドイツ)が調子の上がらないオフチャロフ(ドイツ)を下し王手をかける。3番のK.カールソン(スウェーデン)が敗れるも、4番でボルが水谷に完勝し、優勝を決めた。第1戦に続いて2勝を上げたボル。37歳を迎えたがその実力は健在で、「何度目の全盛期?」と思うほどの好調ぶりを見せてチームを7シーズンぶり、通算11回目の優勝に導いた。ボルシア・デュッセルドルフはドイツカップに続き、シーズン2つ目のタイトル獲得。5月26日にはブンデスリーガ決勝が控えており、シーズン3冠を目指し、戦いはまだ続く。
 昨シーズンの覇者・オレンブルクは連覇ならず。決勝まで10戦全勝の活躍を見せていた水谷は決勝第1戦、第2戦で1勝3敗とブレーキ。両輪を担うオフチャロフも世界選手権から故障により不調で決勝2戦で勝利できず、苦しい戦いとなった。

★女子
<Dr.チャッスル(クロアチア) 3-0 バシャクシェヒル(トルコ)>
○ユ・フ 2、4、10 ノスコワ
○杜凱琹 5、8、-11、4 フー・メレク
○リー・ジエ 4、-9、-9、1、2 クラッチェン
→Dr.チャッスルが2勝0敗で優勝!

 女子も男子同様に第1戦を3-2で勝利していたDr.チャッスルが連勝で優勝。ユ・フ(ポルトガル)が1番で完勝すると、2番で杜凱琹(香港)が第1戦で2点を奪われた相手エースのフー・メレク(トルコ)に競り勝つ。3番のリー・ジエ(オランダ)が格下相手に苦戦するも、最後は勝利し、初優勝を決めた。Dr.チャッスルは決勝で出場した3選手の他、準決勝までに7勝を上げた元中国代表のペン粒高・周昕彤も擁し、圧巻の選手層を見せつけた。
 準優勝のバシャクシェヒルは要所で勝利を上げてきた李皓晴(香港)が決勝2試合で出場せず。3番手のクラッチェン(トルコ)は力が落ちるため、エースのフー・メレクが2勝を上げ、ノスコワ(ロシア)の1勝に期待したかったが、連敗で王座を逃した。
  • さすがのボル様。決勝2試合で4勝を上げ、チームをVへ導く(写真は2018年世界選手権)

  • 第1戦に続き活躍の杜凱琹。相手エースを下し仕事を果たした(写真は2018年世界選手権)

 昨日、ヨーロッパチャンピオンズリーグの男女決勝第1戦が行われ、水谷隼(木下グループ)が出場。試合の結果は下記のとおり。

【2017/2018 ヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝第1戦】
◎男子
<ボルシア・デュッセルドルフ 3-2 オレンブルク(ロシア)>
○ボル 7、8、-10、6 オフチャロフ
 K.カールソン -8、8、-10、9、-12 水谷○
 シェルベリ -6、-3、7、-6 サムソノフ○
○ボル 11、8、-5、3 水谷
○K.カールソン 8、4、8 オフチャロフ

 昨シーズンと同カードとなった男子決勝はボルシア・デュッセルドルフが先勝。大黒柱のボル(ドイツ)が2勝をあげる活躍で、チームの持つ最多優勝記録を更新する11回目の優勝に王手をかけた。オレンブルクは足に故障を抱え、世界選手権でも調子の上がらなかったオフチャロフ(ドイツ)を2点起用するも、ボル、K.カールソン(スウェーデン)に連敗。水谷は昨シーズンのECLでは16戦全勝の活躍で優勝に貢献、今シーズンもここまで10戦全勝の活躍を見せていた水谷だが、決勝で初黒星を喫した。
 ちなみにチームとしての最多優勝はボルシア・デュッセルドルフだが、個人でのECL最多優勝経験はオレンブルク所属のサムソノフ(ベラルーシ)の12回。サムソノフはボルシア・デュッセルドルフ所属時にも優勝を経験している。


◎女子
<Dr.チャッスル(クロアチア) 3-2 バシャクシェヒル(トルコ)>
 杜凱琹 -7、-5、9、5、-5 フー・メレク○
○リー・ジエ 1、5、4 クラッチェン
○ユ・フ 4、-9、9、-8、4 ノスコワ
 リー・ジエ -8、-8、9、-6 フー・メレク○
○杜凱琹 6、-11、7、5 クラッチェン
 
 女子もラストまでもつれた接戦の末にDr.チャッスルが先勝。出場した3選手が1点ずつを奪って勝利をあげた。バシャクシェヒルはフー・メレク(トルコ)が2点も、李皓晴(香港)が欠場し、勝負どころの3番ノスコワ(ロシア)が敗れて接戦を落とした。ちなみにこの「Dr.チャッスル」というチーム名はクラブのオーナーであるマーティン・ティノ・チャッスル氏が経営するプライベートスクールの名前。以前、吉田光希が所属していたこともある(今シーズンはチェコリーグでプレー)。Dr.チャッスルが優勝すると、クロアチアのクラブとして史上初のECL制覇となる。


写真提供(上2枚):稲垣康介/朝日新聞編集委員
  • 勝利に沸くボルシア・デュッセルドルフ

  • 水谷は1勝を上げたが今シーズン初黒星を喫した

  • 杜凱琹がラストで勝利し、Dr.チャッスルが初Vに王手(写真は2018年世界選手権)

 ドイツ・ブンデスリーガ男子1部はプレーオフ準決勝第2戦が行われた。

【2017/2018 ドイツ・ブンデスリーガ男子1部】
準決勝第2戦
<オクセンハウゼン 3-1 フルダ・マーバーツェル>
○カルデラノ -15、-8、10、8、9 王熹
○ゴーズィ 8、-13、9、6 フィルス
 ジェラルド -4、-8、-7 グルーツ○
○ゴーズィ 7、-8、8、7 王熹
→オクセンハウゼンが決勝進出

<ボルシア・デュッセルドルフ 3-2 ザールブリュッケン>
○ボル 7、5、-12、5 トキッチ
 K.カールソン 6、-6、8、-13、-12 フランチスカ○
 フェガール -11、-6、1、-9 アポロニア○
○ボル -9、7、9、-7、8 フランチスカ
○K.カールソン 8、6、-10、-9、1 トキッチ
→ボルシア・デュッセルドルフが決勝進出


 準決勝第2戦は、第1戦に引き続きオクセンハウゼン、ボルシア・デュッセルドルフが勝利し、決勝進出を決めた。オクセンハウゼンはゴーズィ(フランス)、ボルシア・デュッセルドルフはボル(ドイツ)と大黒柱2人が第1戦と同じく2得点の活躍で決勝進出に導いた。
 決勝は世界選手権後の5月26日に開催されるが、今シーズンのリーグ戦での対戦成績はボルシア・デュッセルドルフの2勝0敗。ヨーロッパチャンピオンズリーグでも先日準決勝で対戦し1勝1敗だったが、得失ポイント差でボルシア・デュッセルドルフが決勝に進んでいる。
 ドイツ・ブンデスリーガは女子1部もリーグ戦の日程が終了。最終節に松平志穂(日本ペイントホールディングス)が出場した。

【2017/2018 ドイツ・ブンデスリーガ】
●女子1部
<ベルリン・イーストサイド 6-2 ドリブルク>
 I.パリナ/L.パリナ -7、-8、-4 ミッテルハム/デヌッテ○
○松平/ポータ 1、4、4 クリー/エイリッヒ
○ポータ 5、5、3 デヌッテ
○松平 8、10、9 ミッテルハム
○I.パリナ 4、2、1 エイリッヒ
 L.パリナ -9、-10、-5 クリー○
○ポータ -7、6、11、7 ミッテルハム
○松平 5、-5、6、7 デヌッテ
★松平志穂通算成績:単14勝0敗/複6勝2敗


 松平は最終戦でも3勝をあげる活躍。所属するベルリン・イーストサイドは昨シーズンまで4連覇中だったが、今シーズンはゾルヤ(ドイツ)が欠場。シャン・シャオナ(ドイツ)もわずか4試合の出場で、登録されていた帖雅娜(香港)もリーグ戦には出場なし、コーチ登録のパリナ姉妹が出場するなどメンバーが揃わず苦しいシーズンとなり2位に終わった。
 今季よりブンデスリーガ参戦となった松平はシングルス14勝0敗の好成績で、シングルスの個人成績では2位に輝いたが、個人成績1位はなんと49歳のゴッチェ(ドイツ)。中国からの帰化選手で中国名は何千紅。ドイツ代表としてもプレーし、シドニー五輪ではベスト8、2000年にはヨーロッパ選手権でも優勝している選手だが、今シーズンのシングルス成績は20勝3敗。松平、ポータ(ハンガリー)らに敗れたが、ヴィンター(ドイツ)、マテロバ(チェコ)らを下し、ゾルヤ、シャン・シャオナらの欠場があったとはいえ、堂々の1位に輝いている。
 ちなみにブンデスリーガ女子1部では4月13日で51歳になる元中国代表の丁亜萍(中国代表時代に羽佳純子さんとのペアで世界選手権3位)もプレー中。こちらもシングルス15勝8敗で個人成績6位とエース級の活躍でミュンスターのリーグ優勝に貢献した。男子2部では元フランス代表、48歳のエロワがバート・ハムでプレーし、親子ほど年の離れた宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)、金光宏暢(大原学園)とダブルスを組んでいるが、それ以上にブンデスリーガでは女性が元気だ。
  • 個人成績2位の松平(写真は2018年東京選手権)

 ヨーロッパチャンピオンズリーグに続き、ドイツ・ブンデスリーガ男子1部はプレーオフ準決勝がスタート。昨日、準決勝の第1戦が行われた。

【2017/2018 ドイツ・ブンデスリーガ男子1部プレーオフ】
★準決勝第1戦
<オクセンハウゼン(リーグ3位) 3-1 フルダ・マーバーツェル(リーグ2位)>
○S.ゴーズィ -10、10、10、-5、9 王熹
○ジェラルド 7、-5、9、-10、10 フィルス
 ディヤス -2、-3、12、-10 グルーツ○
○S.ゴーズィ 6、10、-9、9 フィルス

<ボルシア・デュッセルドルフ(リーグ1位) 3-1 ザールブリュッケン(リーグ4位)>
 K.カールソン -4、8、7、-9、-8 フランチスカ○
○ボル 9、5、3 トキッチ
○フェガール 9、-6、9、9 アポロニア
○ボル 9、8、5 フランチスカ


 2試合先勝の最大3試合で行われる準決勝はオクセンハウゼンとボルシア・デュッセルドルフが第1戦で勝利。2日前に行われたチャンピオンズリーグでは準決勝敗退となったオクセンハウゼンだが、前半でS.ゴーズィ(フランス)とジェラルド(ポルトガル)がカットマン相手にフルゲームで勝利し試合を優位に運んだ。
 5連覇を目指すボルシア・デュッセルドルフは大黒柱のボル(ドイツ)が2得点の活躍。チャンピオンズリーグ準決勝でも値千金の勝利を上げたフェガール(オーストリア)がこの日も競り勝ち勝利に貢献した。
 準決勝第2戦は4月14、15日に開催される。
  • この日も活躍を見せたフェガール(写真は2017年ジャパンオープン)

 ヨーロッパチャンピオンズリーグは男女の準決勝第2戦が行われ、決勝進出チームが決定した。

【2017/2018 ヨーロッパチャンピオンズリーグ 準決勝第2戦】
★男子
<オレンブルク(ロシア) 3-0 スポルティング(ポルトガル)>
○水谷 9、-12、4、4 カラバリョ
○サムソノフ -7、-8、8、8、10 モンテイロ
○リヴェンツォフ 9、3、3 シルバ
→2戦合計の結果、オレンブルクが決勝進出

<ボルシア・デュッセルドルフ(ドイツ) 3-2 オクセンハウゼン(ドイツ)>
○ボル -5、7、7、-8、7 S.ゴーズィ
 フェガール 9、-10、-8、-3 カルデラノ○
○K.カールソン 2、7、5 ディヤス
 ボル -9、3、-11、9、-6 カルデラノ○
○フェガール -7、9、4、8 S.ゴーズィ
→2戦合計の結果、ボルシア・デュッセルドルフが決勝進出

 男子は2年連続で決勝はオレンブルクとボルシア・デュッセルドルフの顔合わせに。水谷隼(木下グループ)所属のオレンブルクは第1戦に続き、スポルティングにストレートで勝利。2年連続のチャンピオンズリーグ制覇に王手をかけた。チャンピオンズリーグ初勝利から快進撃を続けてきたスポルティングはここで終戦。しかしながらも大きなインパクトを残した1年だった。
 準決勝もう1試合は第1戦を2-3で落としたボルシア・デュッセッルドルフがオクセンハウゼンのカルデラノ(ブラジル)に2点を奪われながらも、フェガール(オーストリア)がS.ゴーズィ(フランス)を破る殊勲の勝利で3-2で第2戦を奪う。両チームが勝敗、得失点、得失ゲームでも並び、最後は得失ポイント差で上回ったボルシア・デュッセルドルフが決勝進出を決めた。


★女子
<ベルリン・イーストサイド(ドイツ) 3-1 バシャクシェヒル(トルコ)>
○ポータ -7、7、8、-8、2 フー・メレク
○松平 8、9、9 クラッチェン
 パリナ -5、-8、-10 ノスコワ○
○ポータ 9、2、4 クラッチェン
→2戦合計の結果、バシャクシェヒルが決勝進出

<Dr.チャッスル(クロアチア) 3-1 タルノブジェク(ポーランド)>
○ユ・フ -9、-6、9、7、7 ハン・イン
○周昕彤 5、4、10 サマラ
 リー・ジエ -11、-3、-5 リー・チェン○
○周昕彤 6、-9、5、-9、5 ハン・イン
→2戦合計の結果、Dr.チャッスルが決勝進出

 松平志穂(日本ペイントホールディングス)所属のベルリン・イーストサイドは3-1で勝利するも、第1戦の0-3負けが響き、ここで敗退。3年連続のチャンピオンズリーグ優勝はならなかった。第1戦を2-3で落としていたDr.チャッスルは第2戦で勝利し、逆転で決勝進出を決めた。元中国代表のペン粒高・周昕彤(中国)が第1戦に続き、2得点の活躍でチームを決勝へと導いた。
  • ここまで10戦全勝の水谷(写真は2018年ジャパントップ12)

  • 周昕彤の活躍でDr.チャッスルが初の決勝進出(写真は2013年ジャパンオープン)

 ブンデスリーガ男子1部は昨日リーグ戦の最終節が開催。森薗政崇(明治大)、及川瑞基(専修大)が出場した。

【2017/2018 ドイツ・ブンデスリーガ】
男子1部
<グリューンヴェッターズバッハ 3-2 ブレーメン>
 チウ・ダン -12、7、-4、-6 シュテガー○
○森薗 -10、5、-9、8、9 スッチ
○ワルサー -8、4、13、6 O.アサール
 森薗 -4、10、-6、-9 シュテガー○
○チウ・ダン 10、10、4 スッチ
★森薗政崇通算成績:16勝4敗

<ミュールハウゼン 3-0 ケーニヒスホーフェン>
○Da.ハベソーン 8、5、-10、10 及川
○イオネスク 17、9、-8、-7、11 ヨルジッチ
○ヤンカリク 9、-8、9、9 オルト
★及川瑞基通算成績:9勝17敗

 リーグ戦全日程を終え、順位は以下のようになり、プレーオフへはボルシア・デュッセルドルフ、フルダ・マーバーツェル、ザールブリュッケン、オクセンハウゼンの4チームが勝ち上がった。準決勝の対戦カードはボルシア・デュッセルドルフ対ザールブリュッケン、フルダ・マーバーツェル対オクセンハウゼンで、第1戦は4月8日に行われる。
 個人成績では森薗が2年連続の1位に輝いた快挙。各チームのエース格と対戦が続く中で16勝は立派な成績だ。今シーズンから1部で戦った及川はグルーツ、フランチスカらから勝利を挙げたが、9勝17敗で42位、ドイツ2年目の村松は18位と苦しんだ。平屋は1試合のみの出場だったが、その試合で世界ランク35位のコウ・レイにストレートで勝利し、ファンに大きなインパクトを与えた。


★2017/2018 ブンデスリーガ・男子1部 ※上位4チームがプレーオフへ
1位:ボルシア・デュッセルドルフ
2位:フルダ・マーバーツェル
3位:オクセンハウゼン(村松雄斗所属)
4位:ザールブリュッケン
ーーーーーー プレーオフ進出ーーーーーー
5位:ブレーメン
6位:ミュールハウゼン
7位:グリューンヴェッターズバッハ(森薗政崇通算成績)
8位:ベルクノイシュタッド
9位:ケーニヒスホーフェン(及川瑞基、平屋広大所属)
10位:グレンツァオ

★個人成績トップ10
1位:森薗政崇(16勝4敗:グリューンヴェッターズバッハ)
2位:王熹(16勝7敗:フルダ・マーバーツェル)
3位:K.カールソン(15勝6敗:ボルシア・デュッセルドルフ)
4位:シェルベリ(15勝7敗:ボルシア・デュッセルドルフ)
5位:シュテガー(18勝11敗:ブレーメン)
6位:カルデラノ(14勝7敗:オクセンハウゼン)
7位:S.ゴーズィ(12勝5敗:オクセンハウゼン)
8位:ボル(8勝1敗:ボルシア・デュッセルドルフ)
9位:フランチスカ(16勝11敗:ザールブリュッケン)
10位:ドゥダ(17勝12敗:ベルクノイシュタッド)

18位:村松雄斗(5勝4敗:オクセンハウゼン)
21位:平屋広大(1勝0敗:ケーニヒスホーフェン)
42位:及川瑞基(9勝17敗:ケーニヒスホーフェン)
  • 16勝4敗で2年連続の個人成績1位の森薗(写真は2017年世界選手権代表選考会)

 ヨーロッパチャンピオンズリーグは男女ともに準決勝第1戦が行われ、水谷隼(木下グループ)と松平志穂(日本ペイントホールディングス)が出場。欧州各国リーグにも日本選手が出場している。


【2017/2018 ヨーロッパチャンピオンズリーグ】
●男子準決勝第1戦
3月15日
<オレンブルク(ロシア) 3-0 スポルティング(ポルトガル)>
○サムソノフ 4、-10、6、-10、7 アルナ
○水谷 7、3、9 モンテイロ
○オフチャロフ 7、4、4 カラバリョ

3月16日
<オクセンハウゼン(ドイツ) 3-2 ボルシア・デュッセルドルフ(ドイツ)>
○カルデラノ 11、-8、9、4 シェルベリ
○S.ゴーズィ 8、8、-3、9 ボル
 ディヤス 9、-7、5、-9、-7 K.カールソン○
 カルデラノ -9、9、11、-5、-4 ボル○
○S.ゴーズィ 6、-7、-5、7、8 シェルベリ

●女子準決勝第1戦
3月16日
<タルノブジェク(ポーランド) 3-2 Dr.チャッスル(クロアチア)>
 リー・チェン -6、-2、-4 周昕彤○
○サマラ 8、-6、7、5 リー・ジエ
○ハン・イン -3、-8、4、7、8 ユ・フ
 サマラ -9、6、-10、-9 周昕彤○
○リー・チェン -5、9、8、-10、12 リー・ジエ

3月18日
<バシャクシェヒル(トルコ) 3-0 ベルリン・イーストサイド(ドイツ)>
○李皓晴 9、6、9 パリナ
○フー・メレク 8、6、-8、-10、8 ポータ
○ノスコワ 9、8、-6、9 松平

【2017/2018 ドイツ・ブンデスリーガ】
●男子1部
3月18日
<ボルシア・デュッセルドルフ 3-0 ケーニヒスホーフェン>
○フェガール 5、-6、6、9 ヨルジッチ
○K.カールソン -4、8、7、-10、8 及川
○シェルベリ -6、13、7、6 オルト
★及川瑞基通算成績:9勝16敗

3月18日
<グリューンヴェッターズバッハ 3-1 ミュールハウゼン>
○森薗 10、8、5 イオネスク
○ワルサー -9、-10、6、9、7 Da.ハベソーン
 チウ・ダン -10、-13、-6 ヤンカリク○
○森薗 10、-9、3、-7、9 Da.ハベソーン
★森薗政崇通算成績:15勝3敗

●男子2部
3月17日
<バート・ハム 6-2 ホムブルク>
○金光/エロワ -9、7、6、5 ヴァルッチ/シェーヤ
○金光 -7、7、14、9 アンダーソン
○金光 8、13、6 エチェキ

3月18日
<バート・ハム 5-5 ボルシア・ドルトムント>
 金光/エロワ -7、-5、-8 ボトロフ/シ・ウェンチェン○
○金光 11、-5、-9、7、8 マジョロス
 金光 7、-10、-9、7、-4 シューディ○
★金光宏暢通算成績:単8勝3敗/複4勝2敗

3月18日
<フリッケンハウゼン 4-6 ホムブルク>
○田添/チウ・リャン 9、6、-6、11 エチェキ/アンダーソン
 田添 -10、-3、8、-7 アンダーソン○
○田添 -6、10、10、-7、8 エチェキ
★田添響通算成績:単13勝3敗/複7勝3敗

【2017/2018 スウェーデン・エリートリーグ】
3月11日
<スパルバーゲン 4-1 エースレーブ>
○英田 -5、8、8、4 コシバ
○英田 6、-11、8、-6、8 スベンソン

3月15日
<スパルバーゲン 4-0 リコード>
○英田 -5、8、9、4 M.モアガルド
○英田 7、7、-7、9 アービッドソン
★英田理志通算成績:22勝6敗


 ヨーロッパチャンピオンズリーグでは連覇を目指すオレンブルクがグループリーグでも対戦したスポルティングと準決勝で再び対決。トップでサムソノフ(ベラルーシ)が相手エースのアルナ(ナイジェリア)に競り勝つとストレートで勝利を収めた。男子準決勝のもう1試合ではドイツ勢同士の対戦。0-2からボルシア・デュッセルドルフが追いつくも、S.ゴーズィ(フランス)の2得点の活躍でオクセンハウゼンが競り勝った。
 女子準決勝では松平所属の前回王者ベルリン・イーストサイドがストレート負け。松平もノスコワ(ロシア)に敗れ、後がなくなった。前回2位のタルノブジェクはペン粒高の周昕彤(中国)に2点を奪われながらも、リー・チェン(ポーランド)がリー・ジエ(オランダ)とのカット対決に勝利し、大激戦で準決勝初戦を乗り切った。準決勝第2戦は4月6、7日にかけて行われる。

 スウェーデン・エリートリーグは全日程が終了。今シーズンよりスウェーデンでプレーした英田の所属するスパルバーゲンは6位。英田自身は通算22勝6敗で個人成績2位に輝いた。ドイツ・ブンデスリーガ男子1部も、今節を終えてレギュラーシーズンは残り1試合。すでにボルシア・デュッセルドルフ、フルダ・マーバーツェル、ザールブリュッケン、そして村松雄斗(東京アート)が所属するオクセンハウゼンの4チームがプレーオフ進出を決めている。
  • 初の欧州リーグ参戦で22勝6敗の成績を残した英田(写真は2017年全日本社会人)

 日本ではジャパントップ12が開催される中、ヨーロッパでは各国で国内選手権が行われ、チャンピオンが決定。主要な国のシングルス優勝者は下記のとおり。

【ドイツ】
男子:ボル
女子:ハン・イン

【フランス】
男子:A.ロビノ
女子:ユアン・ジャナン

【オーストリア】
男子:Da.ハベソーン
女子:ポルカノバ

【イングランド】
男子:ピチフォード
女子:ホ・ティンティン

【スウェーデン】
男子:K.カールソン
女子:エクホルム

【ポルトガル】
男子:カルバリョ
女子:シュラムコ

【ルーマニア】
男子:イオネスク
女子:チオバヌ

【クロアチア】
男子:ガチーナ
女子:ペテク

【チェコ】
男子:シルチェク
女子:マテロバ

【デンマーク】
男子:リンド
女子:クリステンセン

【オランダ】
男子:オーストワウダー
女子:シュオ・ハン

【ポーランド】
男子:ディヤス
女子:バヨル

【イタリア】
男子:ストヤノフ
女子:ピッコリン

【ギリシャ】
男子:コンスタンティノス
女子:トリオウ

【ベルギー】
男子:ニュイティンク
女子:ルン・リサ

【スロバキア】
男子:ヨルジッチ
女子:ガリッチ

【スロベニア】
男子:バイ・ヘ
女子:ジャルコバ

【ベラルーシ】
男子:プラトノフ
女子:バルトゥシテ

 ドイツ選手権では男子がボル、女子はハン・インがV。ボルは決勝で若手のオルトを下し、自身の持つ最多優勝記録を12に伸ばした。ハン・インは意外にも初のドイツ選手権制覇。
 実力者が揃うフランス男子は伏兵のA.ロビノが優勝。ルベッソンら上位候補が敗れる中を勝ち上がり、決勝では兄のQ.ロビノを下して勝ち上がってきたアングレスを下した。
 デンマークでは来シーズンよりドイツ・ブンデスリーガ1部のグレンツァオでプレーする19歳のリンドが初優勝。オーストリアではポルカノバが女子シングルス、ダブルス、混合ダブルスを制し3冠女王。ヨーロッパ選手権優勝のルーマニア女子は準決勝でサマラ、決勝でドラゴマンを下したチオバヌが優勝を果たしている。
  • 12度目の優勝を果たしたボル(写真は2017年男子ワールドカップ)

 2016年3月に一度は引退するも、今シーズンのヨーロッパチャンピオンズリーグで現役復帰を果たした2005年世界選手権3位のミカエル・メイス(デンマーク)が自身のインスタグラムでデンマーク代表として国際大会への復帰を宣言。2020年の東京五輪で自身5度目の五輪出場を目指す。

 メイスはアキレス腱やひざ、臀部(でんぶ)など多くの故障を経験し、リハビリを経て復帰しては、また故障を繰り返し、ベストの状態でプレーできないことを理由に2016年3月に現役引退を発表。昨年から開幕したT2リーグでは監督業を努めていたが、9月から始まった2017/2018シーズンのヨーロッパチャンピオンズリーグにロスキレ(デンマーク)のメンバーとして出場。出場チーム中最下位の第16シードから準々決勝進出とチームの躍進に貢献した。
 チャンピオンズリーグで復帰した際には、「練習は試合前の3日間だけ」と語っていたメイスだが、天才的なボールセンスは健在。全盛期の動きのキレはないが、老かいなプレーでボル(ドイツ)、松平健太(木下グループ)、K.カールソン(スウェーデン)ら世界トップランカーともフルゲームの試合を展開している。

 国際大会への復帰について、メイスはデンマークのメディアに対し、次のように語っている。
 「そんなに練習できたわけではないけども、チャンピオンズリーグでプレーしてみて、体の調子も良いし、今も高いレベルでもプレーできると感じることができた。昔から一緒にプレーしてきたボルや水谷との試合は、国際大会にカムバックするモチベーションを与えてくれた。デンマーク代表としてまたプレーできることに興奮しているし、2020年の東京オリンピック出場が目標。自分にとって5回目のオリンピックで良い結果を残したいと思っている」(メイス)

 再び世界の舞台でのプレーを宣言したメイスだが、現在36歳。現役引退の大きな引き金となった全身の故障との付き合い方が課題となる。また、チャンピオンズリーグの試合でも終盤で競り負ける試合が多く、体力の低下は否めない。メイス本人も「オリンピック出場のためには練習が必要」とコメント。それでも「長い道のりだということは知っているし、周りは楽観的だと思うかもしれない。でも僕は大きな挑戦が好きなんだ」(メイス)と熱意に満ちている。

 デンマーク代表としての復帰戦は早くも来週の火曜日。2019年のヨーロッパ選手権(団体戦)の本戦出場をかけた予選ラウンドのスウェーデン戦に出場予定だ。05年世界選手権で地元・中国の王皓、ハオ帥をロビングで連破した番狂わせは今でも語り草。再び世界をファンタスティックなプレーで沸かせてほしい。

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  • 国際大会にカムバックするメイス。T2リーグでは監督としてチームを優勝に導いた