速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

世界卓球 パリからジュテーム速報
~伊藤条太のお前にトリコロール!~

今野さんの講演の結論は、卓球が強くなるためには個性を生かして自分のスタイルを作らなければならないというものだった。

卓球王国の編集部員にもそれぞれ個性があって面白い。個性とはもちろん、誌面作りに関しての個性だ。

先日紹介した佐藤祐は(写真左)、単なる用具オタクではない。どんな選手に対しても基本的に上から目線で、選手を神格化しない批評眼がある。人間そのものよりも用具を上に置いているためにそうなるのかもしれない。その結果、全日本の特集号で、偉関晴光さんに歯に衣着せぬ選手批評を言わせるという記事をものにしている。あれは偉関さんが語ったことではあるが、それを言わせる雰囲気、言ったことを選ぶ手腕は編集者の実力そのものなのだ。

一方、柳澤太朗(写真右)は卓球王国随一の智恵袋であり、編集部にあったTSPトピックスのバンナンバーをすべて読んで頭に入れたというほどである。中国語にも造詣が深く、その情報網は中国にもおよぶ。
その知識を基盤として常に物事を海よりも深く考え、ときには考えすぎて微動だにできないほどである。その結果、誌面では名選手のインタビュー「レジェンド」や、中国選手の技術を徹底的に解剖するコーナーなど、他の者には真似のできない手の込んだ記事を安定して量産している。本大会でもメインの「速報」を担当している。彼の考えすぎた視線の先に見えているのは卓球界の明るい未来だろうかそれとも自宅で待つ貫太郎くん(1歳)だろうか。
福澤朗アナウンサーの登場だ。なんとタキシード姿だ。エンタの神様路線だろうか。
福澤さんは奇しくも私と同学年である。同じ歳の人がこうしてテレビ界で名を馳せて頑張っていることにちょっとだけ勇気付けられる。同じ歳というだけで我ながら単純だが、そう感じるのだから仕方がない。

福澤さんとご挨拶をしたときに、マネージャーの中山さんという方からもご挨拶をいただいた。以前私の東京の親戚(80歳越え)が、あるスポーツジムで手に卓球王国を持っている人を見つけたので話しかけ、私の名前を出したと聞いていたのだが、そのご当人であることがご挨拶で判明した。その親戚は私の話ばかりか、ビルマでの戦争の話までをこってりとしたそうで、ご迷惑をおかけしたことをこの場を借りてお侘び申し上げます。

星野美香

2013/05/14

星野美香さんと子供の教育について話した。星野さんには現在高校生になる息子さんがいるが、小さい頃に卓球をやりたいと言われたときに「才能が無いからダメ」と断ったそうだ。どれくらい才能がなかったのかと聞くと、スポーツは何でも得意で、球技も短距離も長距離も速かったそうだ。しかし星野さんに言わせると「それって・・・どうよ」ということらしい。つまり、学校で一番なんていうのはどこの学校にもいるわけで、その程度の素材では世界で戦えないということらしい。しかも、卓球をやったら星野の息子としてみんなに注目されて辛い思いをすることは目に見えている。だからやらせなかったという。

星野さん自身はどうだったのか聞くと、何でもダントツで一番で、男子にも負けなかったという。言い訳代わりの謙遜をする選手が多い中、ここまで言い切るところはさすがに卓球史に残る選手である。編集長の奥さんにしておくわけにはいかんだろう。
昨日の朝、ホテルのレストランでTSPの仲村錦治郎さんに会った。偶然に同じホテルだったのだ。私は初対面だったが、仲村錦治郎といえば元祖怪童である。

小学生時代には剣玉で日本チャンピオンとなり、卓球でも途方もないポテンシャルを示しその将来を嘱望された逸材であった。現在はTSPで商品開発を行っているが、その用具のモニター力は業界随一という噂を聞いていた。

その話はよいとして、現役時代の荻村伊智朗がらみの話が面白かった(ワンパターンで済まん)。仲村さんも荻村伊智朗はとにかく怖かったそうで、20歳のときにはふがいない試合をした後で「印鑑をもってこい」と言われたそうな。銀行口座でも作らされるのかなと思ったら「仲村錦治郎は今後一切、国際試合には出さない」と書かれた書類に押印させられたという(荻村が亡くなった後に自然と解除されたそうだ)。体罰より恐ろしい荻村の念入りかつ徹底的な指導である。

もっとも、本人によれば、勝てる試合でも面白くするためにカットを入れて負けたりしていたそうで、荻村が怒るのも当然だったそうな。

射撃場

2013/05/14

世界選手権の会場の隣に射撃の練習場があったので覗かせてもらった。
何に興味があったというわけでもないが、珍しいことは珍しかった。
INSEPには陸上トラックや自転車のトラックまで備えている建物があった。床はすべて柔らかいゴムでできていて、天井の柱は木製だった。

陸上トラックの内側には卓球台が並べられていたが、おそらく世界選手権の練習場のための臨時的な設置だと思われる。
INSEPはかなり広い敷地で、陸上トラックやらサッカー場やらプールやらが設けられていた。その一角で卓球の世界選手権の下位リーグが行われているのだが、なんとも寂しい出入り口だった。
講演の聴衆の中に、どうみてもサムソノフのお兄さんがいた。サムソノフのお兄さんがなぜフランスの指導者としているのか理解に苦しむが、まあつまりは別人なのだろう(しかし亡命した腹違いのいとこという可能性も考えられないでもない。そんな言葉あるかどうか知らんが)。
大会2日めの午前中は、世界選手権の別会場であるINSEPというところに講演を聞きに行ってきた。INSEPとはフランス国立のスポーツ施設であり、あらゆる競技のエリートたち400人が常時寝泊りして研鑽をしている場所だ。

そこで講演が行われたのだが、演者はなんと我が卓球王国の今野編集長である。フランス卓球協会の関係者から頼まれて、フランスの指導者たち70人に対して、アジアの卓球の発展について1時間の講演であった。講演内容はもちろん説得力のある興味深いものだったが、ときおり「ワイフは一人しかいません」などといういかにも英語らしいジョークも交え、まことに堂々たるものだった。得意の駄洒落を言いたくても、英語なので言えなかったことも功を奏したといえる。

私とともに同席した星野さんが、今野さんの奥さんだと思われて、司会者から壇上に呼ばれて慌てて否定するという一幕もあった。
帰りに近くのスーパーマーケットに寄って水などを買った。

そこで極めて珍しい「楽(Tanoshi)」というカップラーメンを見つけた。
その味の種類がすこぶる面白い。まともなのは「ポーク・トンコツ」だけであり、「チキン・テリヤキ」とか「ビーフ・テッパンヤキ」とかカップラーメンにあるまじき名前がついていた。極めつけは「フルーツ・ヨセナベ」だ。さすがにこれを買う度胸はなく、無難に「ポーク・トンコツ」を買った。


と、書いてみたものの、 fruits de merはシーフード味という意味だとコメントをいただきました。お恥ずかしい。結局、これがもっともまともな味だということになる。