卓球王国1月号 好評発売中!
Tリーグ応援サイトはこちらから!!
サイト内検索
スマホ版に
戻る

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

世界ジュニア選手権大会

●男子シングルス予選グループ・第1戦
篠塚 7、ー5、6、7、6 ジャイン(インド)
戸上 10、7、7、7 サンラーシルパンチャイ(タイ)
曽根 4、ー6、4、7、9 ソランケ(ナイジェリア)
●女子シングルス予選グループ・第1戦
木原 7、5、5、ー4、10 Ch.ルッツ(フランス)
出澤 キケン コルデロ(グアテマラ)

 個人戦に入った世界ジュニア、大会第5日目の11月28日は男女シングルス予選が行われている。

 決勝トーナメントに出場するのは32名で、そのうち16名はシード。日本勢では男子の宇田幸矢、女子の長崎美柚と小塩遥菜は決勝トーナメントからの出場だが、シニアの世界ランキング52位の木原美悠も予選グループから出場するのはいかがなものか。これはU-18の世界ランキングに応じてシードが決められているからだ。U-21やシニアのランキングに応じて、ランキングの高い選手をシードに組み込みスペシャルシーディングという制度もあるが、条件を満たすのが難しいのは、木原の例を見ればわかるだろう。

 男女シングルスは予選グループに各4名が入り、1位の選手だけが決勝トーナメントに進出できる。なかなかに狭き門だ。第1戦では、日本勢は相手が棄権した出澤を含む5人がすべて勝利した。

 やや苦しんだのは曽根。対戦相手のソランケはサウスポーで、身体能力を生かしたパワードライブだけでなく、台上のストップやバックブロックもなかなか巧み。サービスも多彩で、豪打を誇る曽根にとっても楽ではない試合だった。アフリカ勢がさらに躍進すれば、卓球界ももっと刺激的になるはず。
  • 先陣を切って登場した篠塚。ジャインの粘りに1ゲームを落とすも勝利

  • 戸上はややミスが多かったが、実力差は明らかだった

  • 曽根はナイジェリアのソランケを下す

  • 木原はルッツの横殴りの強打に1ゲームを落とすも、しっかり勝利

  • 曽根を苦しめたソランケ。身体能力だけに頼らず、守備力もなかなかだった

 昨日のジュニア団体表彰では、表彰を受けるチームの背後のLEDビジョンに、国旗をバックにした選手たちの画像が映し出された。選手によってはフランス料理のシェフのようでもあり、ラーメン屋の主人のようでもあり……。なんだか、カッコ良かったです。

 会場内には撮影ブースがあるので、パッと撮ってキリヌキして、うまく組み合わせてしまう。なかなかフットワークが軽いです。
  • バランスの良さナンバーワンの日本女子。威風堂々、出澤サン

  • 「若手四天王」という感じの日本男子。実際そうなんですけどね

  • フレンチのシェフっぽいフランス男子

  • 中国男子は少々おとなしい感じ

 大会の折り返しを告げる、ジュニア男女団体の表彰。日本はジュニア女子団体が銀メダル、ジュニア男子団体が銅メダルを獲得した。

 男女とも中国を追い詰め、中国以外とのチームとのレベルの差を見せる一方で、技術
戦術の両面で中国との差も感じた団体戦だった。シングルスでは団体戦に出場できなかった選手たちも数多く登場。2年ぶりに出場するモーレゴード(スウェーデン)や韓国勢など、強敵は多い。それでも今大会の日本は、個人戦で必ずタイトルを獲ってくれると信じている。頑張るぞ、ニッポン!
  • 表彰式での日本女子チーム

  • 表彰式での日本男子チーム

  • 女子団体優勝の中国チーム

  • 男子団体優勝の中国チーム

  • 日本選手団の集合写真。個人戦も「ワンチーム」でタイトル目指す!

  • 日本男女チームが集合。個人戦に向けてギアチェンジだ

●ジュニア男子団体決勝
 〈中国 3ー0 チャイニーズタイペイ〉
○向鵬 9、8、7 馮翊新
○徐英彬 7、7、7 戴茗葦
○劉夜泊 6、7、9 黄彦誠

 実際に決勝が終わるまでは、「事実上の決勝」なんて言葉は軽々しく口にすべきではない。そう思っていたが、終わってみればやはり事実上の決勝は、準決勝の日本対中国だったようだ。ジュニア男子団体決勝、中国対チャイニーズタイペイの一戦はオールストレートで中国が勝利した。

 第1回サンチアゴ大会(2003年)以来となる決勝進出。準決勝では中後陣で粘る選手が揃うフランスを打ち砕いたチャイニーズタイペイだが、中国を前にして戦う前から戦意を喪失していたか。トップ馮翊新、2番戴茗葦ともに時折フォアの強烈なカウンターを見せるものの、狼ににらまれた羊のようで「勝利への気迫」が感じられない。

 昨日の日本戦を乗り越え、どこか脱力感の漂う中国ベンチと、選手たちに笑顔がのぞくタイペイベンチ。ベンチの後ろから「喝!」を入れたくなりました。中国はこれで、3大会連続15回目の優勝を飾った。
  • 昨日は曽根に敗れた劉夜泊が、中国男子の優勝を決めた

  • 2番徐英彬に敗れた戴茗葦のプレーは、あまりにも守備的だった

  • あまり緊迫感のない中国ベンチ

  • ミョーに笑顔のタイペイベンチ……

 ジュニア女子団体決勝1番、石洵瑶にゲームカウント2ー0から惜しくも逆転を許した長崎美柚。準決勝で復調の気配を見せていたが、この石洵瑶戦では完全に本来のリズムを取り戻し、高い打球点の両ハンドドライブがビシビシ決まった。勝利を目前にしながら敗れた理由について、「3ゲーム目の9ー9で勝ちたい気持ちが出てしまって、挑戦しなければいけない場面なのに守りに入ってしまった。そこを落としてしまったのがすごく痛かった」と試合後に語った。

 中国選手の凄みについて、長崎が語ったのは「勇気」。「中国選手は技術もすごいですけど、メンタルもすごく強い。自信がなくても相手が嫌がっているところを突いてくる。それは勇気のいることなんですけど、中国選手の優れたところだし、もっと見習っていかないといけない」(長崎)。

 この中国選手の「勇気」について、偶然と言うべきか、今日の昼にも同じ話を聞いた。会場のフードコートで昼食をとりながら、日本選手団・男子スタッフの董崎岷コーチと話をしていた時だ。競った時の「あと1本」の取り方について、董さんはこう語っていた。「競った時の1本、それを取るために大事なのは勇気ですよ。勇気というのは、決して攻めることだけじゃない。たとえばチキータに自信がある選手でも、相手がストップを嫌がっているなら、ストップからの展開で勝負する。そう決断して、迷わずに実行できることが勇気なんです」。

 ジュニア世代での層の厚さ、実力の高さを今大会で改めて証明している日本チーム。個々の技術力も間違いなく世界のトップクラスだ。残る個人戦、各種目の上位ラウンドで中国勢と対戦することになるであろう日本。急所を突かれた中国選手が顔をしかめるような、勇気を持ったプレーを見せてもらいたい。
  • 中国選手の「勇気」について語った長崎。団体決勝での経験を個人戦で生かしたい

●ジュニア女子団体決勝
 〈中国 3ー1 日本〉
○石洵瑶 ー11、ー9、9、8、8 長崎
○蒯曼 11、ー11、6、7 出澤
 陳イ ー3、9、ー3、ー7 木原○
○石洵瑶 ー10、12、7、8 出澤

 日本女子、中国と3時間に迫る大熱戦を展開したが、1ー3で敗れ銀メダル……!

 トップ長﨑が中国のエース石洵瑶から2ゲームを先取し、幸先の良いスタートを切った日本女子。変化の大きい巻き込みサービスがよく効き、大会序盤は不調だったバックドライブが面白いように決まる。石洵瑶のバックハンドはスイングが大きく、前陣でのピッチの早いバックの打ち合いなら長崎がまさっていた。3ゲーム目に7ー9から9ー9に追いつきながら、このゲームを落としたのが悔やまれる。試合の後半もスコアは競ったが、長崎のサービス・レシーブがやや単調になった感があった。

 そして日本が2番と4番に起用したのは異質攻守の出澤。「準々決勝、準決勝となかなか調子の波に乗れなかった。出澤をエース起用するこのオーダーを起爆剤にしたかった」と試合後の渡邊隆司監督。「普段は、勝負に出るようなオーダーを組むことはあまりない」という渡邊監督の思い切ったオーダーだった。

 出澤は左腕の蒯曼(クァイ・マン)にロングサービスをミドルに集められ、そこから左右にコースを散らされ、「フォアの二度攻め」で逆を突かれる。それでも、まだ15歳の蒯曼は2ゲーム目の10ー8のゲームポイントからサービスミスで崩れ、このゲームは13ー11で出澤。3ゲーム目も5ー1と大きくリードを奪う。しかし、準決勝の北朝鮮戦で1点を献上した蒯曼も、ここが「踏ん張りどころ」と驚異の7点連取。出澤のプレーは決して悪い内容ではなかったが、若さとパワーに屈した。

 しかし、日本も3番木原が1点を返す。試合前、練習場で中澤鋭コーチ(JOCエリートアカデミー女子監督)とサービスからの3球目や、フォア前へのレシーブについて入念にチェックしたという木原。「1球目攻撃」と呼ぶに相応しい迫力を備えたフォアの巻き込みサービスを、長身の陳イのフォア前とバックに散らし、これが抜群によく効いた。あまいレシーブを高い打球点の連続攻撃で攻めた木原が快勝し、日本が1点を返す。

 このオーダーではエース対決となる4番は、出澤と石洵瑶。出澤が1ゲーム目、7ー10からの5点連取で逆転する。ラストの長崎対蒯曼に回れば勝負はわからない。出澤はバック対バックの展開では相手に余裕を持たれると、思い切って回り込んでフォアで攻撃を仕掛けた。それでも経験豊富な石洵瑶のプレーは崩せず。出澤が回り込むタイミングで、突然フォアにロングサービスを出すなど、世界ジュニア4大会連続出場の貫禄を見せた。

 試合後、木原は個人戦に向けて「自分が一番勝ちたいと思うのは石洵瑶選手。一番強いと思うから、勝って自信をつけたい」とコメント。日本の前に立ちはだかった石洵瑶に、シングルスでひと泡吹かせたい。
  • 完全に復調した長崎だが、トップで惜しくも敗れる

  • 気合いが入っていた石洵瑶。日本の前に立ちはだかる

  • 3番木原、長身の陳イにサービスを効かせて快勝

  • 木原のフォアサービスは抜群によく効いた

  • 4番で石洵瑶に対し、思い切って回り込んで勝負をかけた出澤

  • 日本女子が敗れた瞬間。3大会連続の銀メダル

●混合ダブルス2回戦
曽根/小塩 2、4、6 フェルナンデス/フラビコバ(ペルー/チェコ)
戸上/長崎 4、4、4 ザレービン/レイチェル・ヤン(アメリカ)
宇田/木原 1、5、7 ドゥフォー/シュトフィエルトニャ(ペルー/ポーランド)
篠塚/出澤 4、10、5 パン・イエウエン/ゴイ・ルイシュアン(シンガポール)
●混合ダブルス3回戦
曽根/小塩 ー11、3、9、7 ラフィヌール/ザハリア(ベルギー/ルーマニア)
戸上/長崎 5、4、4 アルブケルケ/チタレ(インド)
宇田/木原 8、7、3 コー・ソンジュン/ジョウ・ジンイ(シンガポール)
篠塚/出澤 6、ー6、7、ー6、4 クマル/エイミー・ワン(アメリカ)

混合ダブルスは2・3回戦が終了。日本は出場した4ペアがすべてベスト16に勝ち進んだ。戸上/長崎は戸上が昨日の疲労を感じさせないカミソリドライブを連発。対戦ペアを全く反応できなかった。変則ペアの曽根/小塩は、曽根がレシーブから丁寧にコースへボールを運び、小塩をサポート。宇田/木原は宇田のチキータでのレシーブが冴え、木原も両ハンドで多彩なレシーブを見せている。

そしてシンガポールとアメリカの主力ペアを破った篠塚/出澤は、出澤の守備力で男子選手の決定打を何本もブロックし、左腕・篠塚がすかさず攻勢に転じた。お互いにクールなプレーで、言葉を交わすことも少ないが、プレーを重ねるごとにコンビネーションが高まってきたのを感じる。まだまだ伸びしろのあるペアだ。
  • アメリカ男女のエース同士のペアを破った篠塚/出澤

  • 宇田/木原は持ち前の攻撃力を発揮

  • 戸上/長崎は2試合とも一方的なスコアで勝ち上がる

  • 曽根/小塩は曽根がうまくリードしている

  • パナギットグン(タイ)と陳イ(中国)の国際ペア。ふたりとも長身

 昨日の女子団体準決勝後、会場外のパネルの前で取材に応じた日本女子チーム。最初から最後まで笑顔が絶えなかった。最も笑いを誘っていたのは出澤サン。「団体戦ではすごく声を出すんですね?」と尋ねられ、即座にひと言「優勝したいんで」とコメント。「いつもの3倍以上は声を出すように頑張っています。声が通らないんですよ……」(出澤)。「実は、裏では結構うるさいです」(長崎)との情報も。

 「明日は試合に出ても出なくてもチームに貢献して、みんなで優勝できるように頑張ります!」。しっかり声を張った出澤さん。声、通ってましたよ。

 チャイニーズタイペイ戦で「完全復活」のプレーを見せた長崎キャプテンは、「ジュニアの選手とシニアの選手ではボールの質やパターンも全く違うので、そこを調整したり、慣れることが自分にとって難しかった」とコメント。ジュニアの枠を飛び越え、シニアのワールドツアーを主戦場にするがゆえの難しさを語ったが、決勝の中国相手には思い切りぶつかれるはずだ。

 「この4人で歴史を塗り替えます!」と力強く締めくくったキャプテン。その熱いプレー、見届けさせてもらいます!
  • 頑張って声を張った出澤サン、試合本番でも声出し宣言

  • 木原サン、先輩にもガンガンツッコミ入れてました

  • 愛され感、伝わりますね

●混合ダブルス1回戦 ※カッコ内は現地時間
12:30〜(10:30〜) 篠塚大登/出澤杏佳 vs. オーグスティン/オク(ナイジェリア)
●混合ダブルス2回戦
13:15〜(11:15〜) 曽根翔/小塩遥菜 vs. 1回戦の勝者ペア
13:45〜(11:45〜) 戸上隼輔/長崎美柚 vs. ザレービン/レイチェル・ヤン(アメリカ)
14:15〜(12:15〜) 宇田幸矢/木原美悠 vs. 1回戦の勝者ペア
●混合ダブルス3回戦 16:15〜(14:15〜)

●女子団体決勝 18:30〜(16:30〜) 日本 vs. 中国
●男子団体決勝 21:00〜(19:00〜) 中国 vs. チャイニーズタイペイ

早くも大会第4日目の11月27日。今日は午前中から混合ダブルスの1〜3回戦が行われる。五輪の開催種目に加わったことで、重要性が増している混合ダブルス。日本もこれまで出場ペアを絞ったケースがあったが、今大会は4ペアでフルエントリー。朝一番の試合は篠塚/出澤ペアだったが、相手のナイジェリアペアが棄権。労せずして2回戦進出となった。

そして夕方からは女子団体と男子団体の決勝。女子団体決勝の日本対中国戦が最大の注目カードだ。16年ケープタウン大会決勝で中国を破った伊藤美誠・平野美宇・早田ひなの「黄金世代」に追いつけ追い越せと、才能も個性も豊かな日本女子チームがそのポテンシャルを解き放つのか?
  • 「待ってろ中国!」日本女子チームが決勝に出陣だ

 あまりに強烈だった昨夜の日中決戦、日本対中国のジュニア男子団体準決勝。試合後のミーティングで、田㔟邦史監督は選手たちに語りかけた。「最後の最後、競った場面で自分の得意な技術で勝負にいく。その姿勢は見えるけれど、それなら絶対に入れないといけない。あるいは相手をよく観察して、相手の嫌なこと、苦手なことをやるか。『最後の1点』の取り方を考えてほしい」。

 ラスト戸上隼輔対向鵬に声援を送る日本と中国のベンチ。「落ち着け! 落ち着け!」「迷うな!」「自信を持て!」。極限の精神状態に追い込まれた両選手に、日中両国のベンチから発せられる言葉は不思議なほど合致していた。そこで迎えた9ー9、10ー10の場面で、最後の1点の得点率が明暗を分けた。

 中国選手は基本的に、競った場面ではリスクは犯さずに「相手が嫌がるプレー」をやってくる。伸びるショートサービスや、同じモーションからのロングサービスで日本勢のミスを誘い、バックハンドでも威力より緩急とコースを重視。傍(はた)から見れば特別なことはやってこないが、なかなかミスをしてくれない。

 もともと中国卓球は、得意なプレーで相手を打ち破る「必勝」ではなく、「不敗」にその本質がある。「6割のパワーで、8割入るボールを打つ。それが中国卓球の基本」。元五輪複金メダリストの偉関晴光さんから何度も聞いた言葉だ。日本から2点を奪った徐英彬は、若い頃の馬龍を彷彿とさせる絞り込まれた体躯だが、そのパワーを開放してフルスイングする場面は滅多に見ない。パワーの上限値を上げていくことで、6割のパワーでも優位に立てる質の高いボールを、相手がミスするまで何本でも打つ。

 日本と中国、ジュニア男子シングルスで再び相まみえることがあれば、最後の1点をどのように奪うのか。その選択は選手のプレースタイルによるが、自分の得意な技術で勝負するのもひとつの選択肢だし、相手が苦手なところがあれば、自分の苦手な部分でもあえてそこにぶつけるのもアリ。卓球は対人競技、どのプレーが最も合理的かどうかを見定めることが重要だ。
  • 昨夜のミーティングで選手たちに語りかける田㔟監督

  • 戸上、この悔しさを個人戦での推進力に変えてほしい