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全日本選手権大会

 男子ジュニアNTの河野監督がベンチコーチに入ったのは昨年の全中ベスト16の西森(三里中)。First Stepで腕を磨いている西森は、全日本クラブ選手権小中の部優勝にも大きく貢献している。
 ジュニア男子1回戦では水谷(実践学園高)と対戦。第1ゲームをデュースで奪うと、続くゲームも得意のバックハンドが火を吹き、ストレートで快勝した。

…実は、筆者は夏に高知で西森くんと練習をして、ボコボコにされています。
 ジュニア女子1回戦に登場した平野美宇(平野卓研)。小学2年生でのジュニア出場は見事と言うほかないが、シングルス1回戦でもゲームオール14-12という大激戦の末に高校生に勝利。記念すべき全日本初勝利を挙げた。
 第1ゲームから積極的に攻めた美宇ちゃん。もちろん緊張もある。ベンチでドリンクを持つ手が震える。相手の矢走(利府高)の緊張感はそれ以上か。出足は美宇ちゃんの巻き込むような逆横回転系のフォアサービスが効き、美宇ちゃん2ゲーム先取。第3ゲームも11-10とストレート勝ち目前だった。
 しかし、全日本の魔物は、小学2年生の少女にも容赦なく襲いかかる。勝利を意識したのか、このゲームを逆転で落とすと、少しずつ固さの取れてきた相手が第4ゲームを連取し、第5ゲームも5-1でリード。ここで美宇ちゃんのベンチに入ったお母さんの真理子さんがタイムアウト。少しずつ攻めの手数が増え、10-10のデュースに。敗色濃厚な形成から、決死のフォアスマッシュをたたき込む。最後は相手の強打にも連続でミスが出て、14-12で激戦を制した。
 対戦相手の矢走は試合後「相手のサービスが最初全然わからなかった。高校生ぐらい強いと思います」とコメント。美宇ちゃん、どこまで勝ち上がれるか?

●ジュニア女子1回戦
平野(平野卓研) 3-2 矢走(利府高)
 ジュニア男子1回戦に出場した松下海輝(城山ひのくにジュニア)。95年世界選手権混合複ベスト8、日本を代表するペンドライブ型として活躍した松下雄二選手の息子さん。創刊間もない卓球王国ではまだ小学校に上がる前で、「家に来た浩二おじさんをお父さんと間違えた」というエピソードも。しかし、今やお父さんに迫る堂々たる体格。中学生ながら会場でも目を引く存在だ。
 昨年は根性系フォアハンドプレーヤーの印象もあったが、今年はバックドライブが格段にレベルアップ、中陣からでも強烈なバックドライブを決めた。両ハンドのスケールの大きいドライブ型へのモデルチェンジが感じられる。中学生にして全九州チャンピオンの肩書きはダテではない。将来に非常に期待が持てる選手だ。

●ジュニア男子1回戦
松下(城山ひのくにジュニア) 3-0 阿部(リトルキングス)
 全日本選手権が東京体育館に会場を移し、今大会が6大会目。マスコミの数は大会を重ねるごとに増え、いつしかテレビカメラやスチールカメラの砲列の指定席になっていったのが、体育館入り口寄りにある第20コートだ。
 そして今日はその第20コートに、12時30分スタートの混合ダブルス2回戦で水谷/福原(明治大/ANA)、続いて1時から渡辺/四元(シチズン/東京アート)が登場する。全日本では初のペアリングとなる水谷/福原ペアのコンビネーションは、卓球ファンなら誰もが気になるところ。四元奈生美の今年の新作ウェアも、大いにマスコミの注目を集めそうだ。

 ジュニア男女は男子1~2回戦、女子1~3回戦を行う。ジュニア女子はスーパーシード勢も登場、優勝候補筆頭の石川佳純(ミキハウスJSC)に、フォアドライブ連続強打の森薗美咲(青森山田高)、両ハンドの攻撃力が抜群の鈴木李茄(エリートアカデミー)、ブツ切りカットで世界ジュニア3位に入った谷岡あゆか(エリートアカデミー)、この4人が優勝を争うだろう。ジュニア男子は松平健太(青森山田高)、平野友樹(野田学園高)らスーパーシード勢は登場しないが、野邑大陽(青森山田高)や世界ジュニアベスト8のサウスポー藤本海統(滝川第二高)に注目だ。

 男女ダブルスは3回戦が行われる。男子ダブルスの注目カードはズバリ1点買いで遊澤/韓陽(東京アート)vs.町/丹羽(青森山田中)。社会人と中学生のトップペアの対決は見逃せない。

下写真:昨日の開会式で笑顔を見せる平野早矢香と福原愛。福原の全日本がいよいよ始まる
 今大会からの試みとして、大会初日の全試合が終了した17時20分から、しかも入場無料で行われた開会式。スーパーシードの選手たちを筆頭に、各都道府県の選手たちがズラリと入場行進。これだけの選手たちが一堂に会すると、なかなか壮観だ。

 選手代表として選手宣誓を行ったのは、昨年度女子シングルス優勝の平野早矢香。
「「宣誓、私たち選手一同は、天皇杯・皇后杯、平成20年度全日本卓球選手権大会において、卓球選手として、この舞台でプレーできることを誇りに思い、力強く、たくましく、最後まで正々堂々プレーすることを誓います」と堂々たる宣誓。
 入場行進は15分以上かかり、やや間延びした感もあったが、和光高校ブラスバンド部による生演奏や、女性4人組のアカペラグループであるSoft Voiceによる君が代斉唱など、様々な工夫が見られた。
開会式の前には、先月行われた世界選手権代表選考会での大矢vs松平健、松平賢vs松平健の2試合がダイジェストで放映され、観客が思わず拍手するほどのスーパーラリーも。
 選手たちはちょっと疲れたかもしれないが、これまでよりも印象に残る開会式となった。

下写真右:平野早矢香、全日本3連覇に向けて決意新たに
下写真左:今大会限りでの引退を表明している鉄人・松下浩二。大会第4日目に登場する
●男子ダブルス2回戦
大森/張(東京アート) 8、-5、5、-9、5 門野/藤本(光南クラブ/玉野光南高)
上田/野邑(青森山田高) -6、4、8、-13、5 笹岡/石橋(Rising Niigata)
高木和健/高木和卓(東京アート) 6、7、7 矢野/横山(大阪桐蔭高)
土井/鬼澤(東北福祉大) 8、11、11 軽部/池田(明治大)
町/丹羽(青森山田中) 2、3、6 松下/上村(城山ひのくにジュニア)
遊澤/韓(東京アート) 6、4、8 木村/石崎(大宗/明治大)
平野/山本(野田学園高) -2、6、-8、9、9 熊田/三田村(日産自動車)

●女子ダブルス2回戦
渡辺/藤井(ミキハウス/四天王寺高) -7、4、-9、4、6 金子/福留(愛知工業大)
王/岡(日立化成) 3、4、1 岡内/鍬田(百十四銀行)
岡本/若宮(立命館大) 6、-6、6、7 茂木/三浦(JR北海道)
阿部/山崎(サンリツ) 5、4、-9、5 有田/山内(新田高)

下写真は日産自動車の熊田/三田村ペアを下す大金星を挙げた平野/山本。仙台育英学園高から野田学園高にチーム全体が転校し、野田学園高としては初出場となったが、派手な全日本デビューを飾った。ガッツプレーの平野は、プレーとガッツポーズでほぼ同等の消費カロリーを誇る(だろう)男だ。
 左写真は福島県代表、その名も桜の聖母学院高の清野由紀選手。桜満開の特注ウェアで、爽やかにコートを駆けた。
 右写真はサンリツの山崎知春選手。そのルックスとスタイルで、昨年は読売新聞のCMにも起用されたが、全日本でも桜と兎をあしらった「和」なミズノウェアで登場。難しいウェアでもさらりと着こなしてしまうのです。
 昨夏のインターハイで男子団体3位、一躍全国クラスの強豪の仲間入りをした鶴岡東高の岩崎/鈴木ペア。坊主頭がトレードマークだったが、全日本にはフサフサの髪の毛と、韓国の卓球メーカー・エクシオンのスタイリッシュなウェアで登場。愛知工業大の実力派ペア、安本/安藤とゲームオールの激戦を展開し、チームメイトたちも会場中に響き渡る応援で後押ししたが、惜しくも敗れた。しかし、まだまだ成長中の「ツルトウボーイズ」、これからも期待大だ。

●男子ダブルス2回戦
安本/安藤(愛知工業大) 3-2 岩崎/鈴木(鶴岡東高)
 女子ダブルス1回戦、昨年度の全日本カデットダブルスチャンピオンである、エリートアカデミーの谷岡あゆか/鈴木李茄が登場。エリートアカデミーは昨年4月に第一期生を迎え、迎える初の全日本となった。体格が良く、攻撃力のある鈴木と、カットマンながら積極的に強打を放つ谷岡のペアは、打って・止めて・カットしてと変幻自在のプレーぶり。高校生ペアを一方的なスコアで下し、全日本初戦を勝利で飾った。これは思わぬダークホースとなるか。

●女子ダブルス1回戦
谷岡/鈴木 7、5、6 熊川/川端(長崎女子商業高)
会場のオーロラビジョンでは、卓球王国のCMも放映中!
「観客席から見えないドラマがそこにある!」という名コピー、いかがでしょう。

 もちろん、観客席に来ないと見えないドラマもたくさんありますよ。編集部T部氏の力作を、どうぞ会場でご覧あれ!