喫茶店で隣の女の子2人が
『男は命の危険に晒されてる方が男性フェロンとか魅力が増すみたいだよ。昔特攻隊に選ばれた人達は驚異的な男性フェロモンを発していたみたいだから、
彼氏に飽きてきたら半殺しにしてみて。』
みたいな事をさらりと言っててコーヒー吹いたのですが。
さてさて、昨日は雨だったので、はじめて家から持ってきた折りたたみ傘をさしてみました。いやー何でも初めてというのはこう、なんだかウキウキするもんですねえ。
ただ、意気揚々と傘を広げてさっそうと街を歩いてみたところ、傘の守備範囲が狭すぎて傘を持っていない方の半身が即行でずぶ濡れになりました。
それはもう見事に。
完璧なずぶ濡れ具合でした。
しかもありえない事に、その傘に数カ所の穴が空いておりまして、傘をさしていたにもかかわらず傘から雨が降り注いでいる状態で、すれ違う人からは
『何だあいつは。大丈夫か。』
みたいな目で見られ続けていたのでした。
なんなら
『わたしの傘貸しましょうか』
的な目をしてる人もたまにいたのですが、ボクは
『ノープロブレム。』
と念仏のようにブツブツ唱えながら岐路についたのでした。
沢山の痛い視線を感じながら歩きつづけて、それはもう恥ずかしさで憤死するかと思いましたし、というかもはや拷問だったのですが、
『仏陀がしてた禅の修行ってこれくらい辛かったんだろうな』
って思いながら家に到着してドアを閉めた瞬間、変な達成感がありました。
今思えばですが意外と楽しい経験でした。なかなか傘から雨が降り注ぐ経験なんてできないもの。
男性フェロモンは、まぁ変わってないでしょうね雨くらいじゃあねえ。