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 日本の丹羽孝希が登場。世界8位の丹羽と同16位の李尚洙が対戦。出足から丹羽の速攻が冴え、ラリーの主導権を奪い、李に得意の足を使ったフォア攻撃をさせる局面を作らせなかった。

 2−0とリードした3ゲーム目、8−11で落とし、4ゲーム目は速さに慣れてきた李のペースになり、いきなり0ー8のビハインド。このゲームを2−11で落とし、2−2のタイになった。

 流れを変えたい5ゲーム目を5−1でリードする丹羽。表情ひとつ変えずに淡々と速攻を繰り出し、11−6で取り返した。
 6ゲーム目に一気に決めたい丹羽。4−1とリードしたところで李がタイムアウト。台上も支配する丹羽。10−6とマッチポイントをとったところでベンチの邱建新コーチがタイムアウト。気を緩めない。10−9と追い上げられたが、最後まで李の足を止め、11−9で下し、ベスト8入りを決めた。
 準々決勝は馬龍(中国)との対戦で、試合は現地時間の18時30分から始まる。(日本より7時間遅れの時差)

男子ワールドカップ2日目
●決勝トーナメント1回戦(第2ステージ)
馬龍(中国)    7、ー7、8、8、4    O.アサール(エジプト)
丹羽孝希(日本) 5、10、−8、−2、6、9   李尚洙(韓国)
  • 李尚洙で落ち着いたプレーを見せた丹羽

  • 次の馬龍戦でどんな戦いを見せるのか

 来週に23歳を迎える世界ランク13位のシモン・ゴーズィ。南フランスで生まれた卓球少年は12歳の時に、フランスナショナルチームのミッシェル・ブロンデルコーチに見いだされ、700キロも離れたパリのインセップ(フランス・ナショナルトレーニングセンター)に移った。

 ブロンデルコーチがナショナルチームを辞めたあと、彼は後を追うようにドイツのオクセンハウゼンでプレーし、LMC(マスターカレッジ)で練習をするようになる。フランス人がドイツに住むのは我々が想像する以上に厳しい。生活様式が相当に違うからだ。もちろん言葉の問題もある。過去に、ブンデスリーガでプレーしたレグーやエロワというフランス代表選手もそこに苦しみ、良い成績をあげずにフランスに帰っていた。

「最初の1年間はつらかった。パリでのナイトライフ、楽しい自由時間が恋しかったよ」とゴーズィは笑う。
「でも、オクセンハウゼンは卓球に集中できる場所だったから良かった。それに彼女(ジェシカ・コー)もできて、彼女に助けてもらっている。ミッシェル(・ブロンデル)はぼくにとって、2番目のお父さんのような存在で、いつもいろいろ話をして、前に進んでいるんだ」

 昨年のヨーロッパ選手権でも決勝に進んだ。今年のヨーロッパカップでも2位。この1年間のワールドツアーでもコンスタントな成績を残し、世界ランキングを13位まで上げた。

 実は彼とは10年前、2007年に会っていた。今回、インタビューの前に「一番最初に会ったのいつか知ってる?」と聞いたら、「もちろん!」と返事が来た。
 アメリカのパロアルトの世界ジュニア選手権の最終日。旧知の仲とミッシェル・ブロンデルと寿司を食べに行った。ほかにもフランスコーチが数人いたが、そこに当時13歳のゴーズィがちょこんと座っていた。
「本当はぼくはさよならパーティーに行きたかったんだ。そうしたら、ミッシェルが『シモンには早すぎる。危険だ。だから今野さんとご飯に行くから一緒に行くぞ』と言われたんだよ。つまんなかったから良く覚えているよ」と笑いながら、インタビューは始まった。
 13歳にしてパーティ好きのゴーズィ。何とも愉快で、でも人間的に興味深い選手だ。「卓球選手には絶対ワンチャンスがある。それをビッグゲームでつかんでみせる。世界選手権とか五輪でね。特に2020年に賭けているんだ」と真剣な顔で彼は答えた。

 人口9000人、フランスから遠く離れた小さな村で、ゴーズィは練習に励んでいる。 (今野)

*近く卓球王国でゴーズィのインタビューを掲載します

  • オクセンハウゼンで練習中のゴーズィ

  • 甘いマスクはヨーロッパで人気がある

 男子ワールドカップの2日目の決勝トーナメントは16名で争われる。
 日本の丹羽孝希は世界選手権メダリストの李尚洙(韓国)と対戦する。五輪メダリストの水谷隼はアフリカチャンピオンのアルーナ(ナイジェリア)と対戦する。この2試合は熱くなりそうだ。

男子ワールドカップ2日目の組み合わせ
●決勝トーナメント(第2ステージ)*( )の時間は現地時間です
馬龍(中国)    VS.    アサール(エジプト)(12:00)
丹羽孝希(日本) VS.    李尚洙(韓国)(12:00)
林高遠(中国)  VS.    フレイタス(ポルトガル)(12:50) 
ボル(ドイツ)  VS.    ツボイ(ブラジル)(12:50) 
水谷隼(日本)  VS.    アルーナ(ナイジェリア)(13:40)
ゴーズィ(フランス) VS.   丁祥恩(韓国)(13:40)
荘智淵(チャイニーズタイペイ) VS.  シバエフ(ロシア)(14:30)
オフチャロフ(ドイツ) VS.  コウ・レイ(ウクライナ)(14:30)

●準々決勝は18:30から
  • 水谷の明日の決勝トーナメント1回戦はアルーナ

  • 驚異的な身体能力を持つアルーナ

 男子のワールドカップがベルギーのリエージェでスタート。初日は第1次リーグが行われ、李尚洙(韓国)、フレイタス(ポルトガル)、シバエフ(ロシア)、丁祥恩(韓国)が1位通過を果たした。それぞれのグループの2位までが明日からの決勝トーナメントでシード権を持つ8人と対戦する。
 日本から参加の水谷隼(木下グループ)と丹羽孝希(スヴェンソン)は2日目からの登場となる。

男子ワールドカップ 1日目の結果
●1次予選リーグ  <>内は順位
A組
<1>李尚洙(韓国) −9、11、−8、6、−9、1、4 ジャー・カナク(アメリカ)
李尚洙(韓国) 8、−1、−7、−5、5、4、10 アルーナ(アルジェリア)
<2>アルーナ(アルジェリア) −7、8、−6、6、5、5 <3>ジャー・カナク(アメリカ)  

B組
<1>フレイタス(ポルトガル) 7、3、2、9 <3>パウエル(オーストラリア)
フレイタス(ポルトガル) 3、8、4,5  <2>コウ・レイ(ウクライナ)
コウ・レイ(ウクライナ) 7、2、4、3 パウエル(オーストラリア)

C組
<2>O.アサール(エジプト) −9、−10、8、−9、7、4、8 ニュイティンク(ベルギー)
<1>シバエフ(ロシア)  −8、−9、8、10、−11、7、7 O.アサール(エジプト)
シバエフ(ロシア)  8、8、10、5 <3>ニュイティンク(ベルギー)
 
D組
<2>ツボイ(ブラジル) 不戦勝  <3>陳建安(チャイニーズタイペイ)
<1>丁祥恩(韓国)   不戦勝  陳建安(チャイニーズタイペイ)
丁祥恩(韓国) −5、4、11、7、6 ツボイ(ブラジル)

  • カナク、アルナの猛攻を退けて1位通過した李尚洙

  • 安定感が抜群のフレイタスは危なげなく1位に

 ドイツのオクセンハウゼンにあるLMC(マスターカレッジ)でスポーツディレクターをするミッシェル・ブロンデル氏。つまり、LMCの方向性や選手の育成法を取り仕切る重要人物だ。
 日本通でも有名なコーチで、ヨーロッパチャンピオンのクラブチーム『ルバロワ』で10年間コーチをして、その後、フランス卓球協会のナショナルチームを12年間コーチしてきた人物だ。

 彼は日本の村松雄斗(オクセンハウゼンとLMCに所属。日本では東京アートに所属)を高く評価してこう言った。
 「ぼくらはユウト(村松)自身がその情熱がキープできるなら、彼はもっと強くなると信じている。もし彼が日本ではなく、ヨーロッパの国に来たら、どの国でもNo.1になるほどのポテンシャルを持っている。まだ21歳で、カットマンならチャンスは多い。
 日本の人に知ってもらいたい。ユウトの才能やレベルはこれから20年間は出てこないほど、彼は逸材なのだ。もちろん、日本には若い張本も出てきて、タフな競争があるのは知っている。
 彼には自分の才能を信じ、もっと自信を持ってほしいし、ぼくらは彼をとても大切に考えている」

 確かに、日本には村松レベルの才能ある選手が10名近くいて、彼自身が激しい競争を勝ち抜いていかなくてはならない厳しい現実がある。ブロンデル氏の言葉はある意味、日本のレベルの高さや、いつ振るい落とされるかわからないトップ選手の苦しい部分を表しているとも言える。

 LMCには20人の選手がいて、7人のコーチが教えている。ほとんどが他国から来ている選手で、語学の先生もつけるなど、若手選手への教育を施している。彼らは数少ないダイヤモンドを日々磨いているのだ。実際に村松の英語力もアップし、口数は少ないながらも、コミュニケーションがしっかり取れている。「ユウトはクレバーな選手」とスタッフは口々に言う。

 取材した夜、彼らスタッフと食事をした。3時間の食事の中で、彼らは誰かの悪口を言うでもなく、真剣に所属する選手たちのことを話し合っていた。選手たちの良い部分を挙げながら、どうしたら選手たちが強くなるのかを話しているのだ。
 それはなぜか新鮮で、卓球のプロコーチと話をして、久しぶりに熱くなる思いだった。  (今野)

  • 若いときに日本でコーチ修行をしたミッシェル・ブロンデル

  • LMCで練習に励む村松雄斗

 10月18・19日に味の素ナショナルトレーニングセンター(東京)で『2018世界選手権ハルムスタッド大会(団体戦)』男子日本代表選手の第1次選考会が行われた。

 出場有資格者20名がA・B二つのグループに分かれ、総当たりリーグ戦を行い、その結果、各グループの上位4名(大島祐哉、村松雄斗、森薗政崇、平野友樹、木造勇人、田添健汰、高木和卓、酒井明日翔)合計8名が12月開催の第2次選考会への出場権を獲得した。最終順位は下記のとおり。

【リーグ戦順位】※数字は第1ステージの勝敗
<Aグループ>
1位:大島祐哉 7-2(木下グループ)
2位:村松雄斗 6-3(東京アート)
3位:森薗政崇 5-4(明治大)
4位:平野友樹 5-4(協和発酵キリン)
5位:及川瑞基 5-4(専修大)
6位:松平賢二 5-4(協和発酵キリン)
7位:町 飛鳥 5-4(シチズン時計)
8位:松山祐季 5-4(愛知工業大)
9位:神 巧也 2-7(シチズン時計)
10位:中村煌和 0-9(畳和卓球)

<Bグループ>
1位:木造勇人 8-1(愛工大名電高)
2位:田添健汰 7-2(専修大)
3位:高木和卓 5-4(東京アート)
4位:酒井明日翔 5-4(明治大)
5位:吉村和弘 5-4(愛知工業大)
6位:上田 仁 5-4(協和発酵キリン)
7位:龍崎東寅 4-5(明治大)
8位:吉村真晴 4-5(名古屋ダイハツ)
9位:濱田一輝 2-7(愛工大附中)
10位:手塚崚馬  0-9 (明徳義塾中)

【最終順位】
1位:大島祐哉
1位:木造勇人
3位:村松雄斗
3位:田添健汰
5位:森薗政崇
5位:高木和卓
7位:平野友樹
7位:酒井明日翔
9位:吉村和弘
10位:及川瑞基
11位:松平賢二
12位:上田 仁
13位:町 飛鳥
14位:龍崎東寅
15位:松山祐季
16位:吉村真晴
17位:濱田一輝
18位:神 巧也
19位:手塚崚馬
20位:中村煌和
 卓球レポート休刊(来年3月)のニュースはヤフーニュースまで広がった。これは「卓球ブーム」と言われる中で、60年の歴史を持つメディアの消滅が、意外な出来事として捉えられたからだろう。

 しかし、勘違いしてもらいたくないのでその背景を探ってみようと思う。
 休刊の理由が、インターネットによる情報配信の普及や卓球情報の多様化のため、として捉えられている。
 そこで考えてほしい。それだけの理由ならば、小誌卓球王国もその犠牲になっているはずだ。そのニュースを見た人も、「紙メディアの衰退だから仕方ない」「ネットでこれだけの情報が得られるのだから月刊誌の役割も終わった」と書き込んでいる。それはそうかもしれない。でも、それは正しくない。
 もし紙メディアがダメなら卓球王国も休刊になるはずだ。
 しかも小誌は、昨年のリオ五輪の時に出した号が、過去20年間の中で最高実売数を記録した。その後も高止まりの状態なのだ。

 つまり卓レポ休刊は紙メディアの衰退が理由ではなく、卓球メーカーのコマーシャル誌の限界だったのだ。
 日本の卓球メーカーや専門メディアの状況は非常に特殊だった。かつては書店売りの卓球出版社がなく、大手のスポーツ専門の出版社も卓球の雑誌から手を引いてきた。

 スポーツメーカーが専門誌を出す競技など、どこを探してもない。ヨネックスがバドミントンの専門誌を出版しているだろうか。もちろんNoだ。
 日本の卓球界では、古くはメーカーによる専門誌以外に、卓球雑誌があったがことごとく失敗。残ったのは、メーカー誌の卓球レポートやニッタクニュースだった。本来メーカーが出すのはメーカーのコマーシャルになるのだが、両誌(かつてはTSPトピックスもあった)は技術情報や報道ページにも力を入れていた。そのアプローチも特殊だ。

 しかし、読者も多様化して、1メーカーの情報よりは中立性のある記事や商品情報を求める。その結果、卓球王国が創刊したのだ。多くの卓球メーカーに支援、協力してもらいながら、中立的な記事も書けて、多くの商品情報がある専門誌なら生き残っていける。
 一過性の情報しか持たないがとにかく早い、スマホやパソコンのネット情報は有益だ。しかし、記憶や記録として残る紙メディアの情報、またじっくりと読んでもらうインタビューや技術ページ、きれいな写真を使ったレイアウト。そして、視覚的にインプットされる報道ページやメーカーの広告なども、紙メディアしかできない仕事だと思っている。

 だから、「紙はネットの前に敗れた」などという短絡的なコメントには納得いかない。紙の影響力は、記憶に残り、現物として手にして、多くの人が触れることを考えれば、役割は重いし、信頼性があるはずだ。紙メディアの同志として卓レポを来年に失うが、もし電子メディアの世界で彼らが奮闘するならば、それは新たなライバル出現で、こちらもモチベーションが上がる。
 そして、スクロールされながら画面の向こうに消えていく情報ではなく、選手や卓球ファンの人たちの脳裏に刻まれる素晴らしいビジュアルページや、感動する記事を卓球王国は送り続ける。
 決してインターネットに屈しない、卓球人が誇れる紙メディアを目指す。それが卓レポ休刊後の我々の新たなミッションとなるだろう。 (今野)

 坂本龍馬の妻・おりょうさんが眠る神奈川県横須賀市大津町が、11月19日(日)に「第3回 〜おりょうと龍馬の〜 全日本わらじ卓球大会」を開催する。
仮装も大歓迎!という大会。前日には「わらじ卓球体験会」も開催。
わらじ卓球にぜひ挑戦してみよう!

★第3回〜おりょうと龍馬の〜 全日本わらじ卓球大会
■日時:11月19日(日)10〜14時
■開催場所:大津行政センター2階体育室
■種目:ダブルス(男女問わず)
■参加費:1ペア1,000円(保険料含む)
■参加資格:小学生以上(卓球初心者大歓迎!)
■申し込み方法:往復はがき又はメールで①代表者の住所・氏名・年齢・電話番号②参加者の氏名・年齢③ペア名(フリガナ)④仮装の有無 を記入しお申し込みください
■ 申し込み/問い合わせ先:
〒239-0808 神奈川県横須賀市大津町3-34-40
大津地域運営協議会・わらじ卓球係(大津行政センター内)
TEL. 046-836-3531
Eメール. ota-ci@city.yokosuka.kanagawa.jp
※ 当日の運営ボランティアも同時募集
■ 募集人員:20組(40名)※定員を超えた場合は抽選
■ 申し込み締め切り:10月31日(火) 
※期限後も定員に達していない場合は参加可能ですのでお問い合せください

☆ わらじ卓球体験会
日時:11月18日(土)18〜20時
場所:大津行政センター2階体育室
参加費無料、連絡不要です。大会に参しない方の参加もOK。
 10月17・18日に味の素ナショナルトレーニングセンター(東京)で『2018世界選手権ハルムスタッド大会(団体戦)』女子日本代表選手の第1次選考会が行われた。
 出場有資格者20名がA・B二つのグループに分かれ、総当たりリーグ戦を行い、その結果、各グループの上位4名(森薗美月、早田ひな、加藤美優、長﨑美柚、田代早紀、芝田沙季、浜本由惟、森さくら)合計8名が12月開催の第2次選考会への出場権を獲得した。最終順位は下記のとおり。
 尚、男子選考会は明日19日に終了予定。

【リーグ戦順位】※数字は第1ステージの勝敗
<Aグループ>
1位:森薗美月  7-2 (サンリツ)
2位:加藤美優  7-2 (日本ペイントホールディングス)
3位:田代早紀  6-3 (日本生命)
4位:浜本由惟  6-3 (日本生命)
5位:森薗美咲  4-5 (日立化成)
6位:笹尾明日香  3-6 (横浜隼人高)
7位:前田美優  3-6 (日本生命)
8位:成本綾海  3-6 (中国電力)
9位:塩見真希   3-6 (四天王寺高)
10位:梅村優香  3-6 (四天王寺高)

<Bグループ>
1位:早田ひな  9-0 (日本生命)
2位:長﨑美柚  6-3 (JOCエリートアカデミー)
3位:芝田沙季  6-3 (ミキハウス)
4位:森さくら  6-3 (日本生命)
5位:加藤杏華   5-4 (十六銀行)
6位:松澤茉里奈  4-5 (十六銀行)
7位:安藤みなみ  4-5 (専修大)
8位:木原美悠  4-5 (JOCエリートアカデミー)
9位:小塩遥菜  0-9 (石田卓球クラブ)
10位:山本怜   1-8 (中央大) ※途中棄権

5位以下は、A・Bの同順位同士が対戦。最終的に以下の順位が決定した。
【最終順位】
1位:森薗美月
1位:早田ひな 
3位:加藤美優 
3位:長﨑美柚 
5位:田代早紀 
5位:芝田沙季 
7位:浜本由惟 
7位:森さくら 
9位:加藤杏華  
10位:森薗美咲 
11位:松澤茉里奈 
12位:笹尾明日香
13位:安藤みなみ 
14位:前田美優 
15位:木原美悠 
16位:成本綾海 
17位:塩見真希 
17位:小塩遥菜
19位:梅村優香
20位:山本怜
 何ともユニークな選手がドイツのオクセンハウゼンにいる。
 名前はウーゴ・カルデラノ。21歳。ブラジルのリオ出身の選手だ。
 何がすごいかは、彼の選手としてのバックグラウンドを見ればわかる。8歳にピンポンを始めた。卓球ではなく、まさに遊びのピンポンで、11歳くらいまでは週3回しかやっていない。同時にバレーボールも週3回ほどやっていて、陸上の走り幅跳びの選手も兼ねていた。その後、週4回か5回かは練習をするようになったが、1回が2時間くらいだった。14歳の時に卓球の伝統のあるサンパウロに移り、急激に頭角を現す。

 カルデラノの名前を最初に聞いたのは4年前のジャパンオープンのU21(21歳以下)での優勝の時だった気がする。ということは、本格的に卓球を初めて、まだ3、4年しか経っていなかった。
 18歳でドイツのオクセンハウゼンに移り、LMC(マスターカレッジ)で練習するようになり、グングンと力をつけた。2015年の蘇州での世界選手権では日本のエース水谷隼と対戦。ほとんど試合を支配し、勝ちかけた。
 そして2016年リオ五輪でも再び水谷と対戦し、大接戦を演じた。

 インタビューしていても彼のクレバーな頭脳を感じる。21歳ながら、質問への反応は早い。穏やかで冷静に自分のことを語れる。母国語のポルトガル語以外に、英語は完璧に話すし、フランス語も操る。
 精神的に安定し、育ちの良さを感じるのは、両親の教育のせいだろうか。父は学校の体育の教師で、母親は英語の教師だという。
 
 音速の貴公子と言われたフランスのガシアン(元世界チャンピオン)の名前を挙げながら、「自分だけの卓球スタイルを創造したい。両ハンドで強いボールを打てることがぼくのストロングポイントだ」と言う。
 彼を13歳の時から指導するジャン-ロネ・モーニーコーチ(フランス)は「精神的に強い選手で、非常に賢い選手でもある。体の不安もあるので大事に育てたい」と語り、同じくLMCでスポーツ・ディレクターとしてカルデラノを見守るミッシェル・ブロンデル氏は「両ハンドが強い。今まで周りの人はあんなに強く打たなくても良いのにと言うけど、強く打つことが彼にとって特別なことではない。その確率を高めていけばいいんだ」と言う。

 本格的に卓球を始めるのが遅かったために強度のある練習をすると、故障が発生する。昨シーズンは足の故障で満足に連続できなかったので、LMCでは注意深く彼を世話している。
「中国に勝って、世界選手権や五輪でメダルを獲りたい」と語ったウーゴ・カルデラノ。ひょっとすると南米から初のメダリストが将来生まれるかもしれない。
 ダイヤモンドの原石は母国を離れ、ドイツで少しずつ磨かれ、光り始めている。 (今野)

*近く卓球王国ではカルデラノの特集を組む予定です

  • 両ハンド、とりわけバックハンドの威力はすさまじい

  • ウーゴの甘いマスクは日本でも人気が出そうだ