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 5月31日から6月2日にかけて大阪・池田市五月山体育館で開催された第88回関西学生選手権が終了。男子シングルスは李佳睿(龍谷大)、女子シングルスは鈴木理彩(神戸松蔭女子学院大)が優勝を果たした。

【男子シングルス】
優勝:李佳睿(龍谷大)
準優勝:西祥平(立命館大)
3位:高橋学斗(近畿大)、張博良(龍谷大)
◆決勝
李佳睿 2、7、-7、6、9 西祥平

【女子シングルス】
優勝:鈴木理彩(神戸松蔭女子学院大)
準優勝:宮脇千波(関西学院大)
3位:鈴木琴音(立命館大)、山本真由(同志社大)
◆決勝
鈴木理彩 -8、4、10、8、11 宮脇千波

【男子ダブルス】
優勝:上條晃希/割石佑介(立命館大)
準優勝:坂根翔大/福本卓朗(関西大)
3位:李佳睿/張博良(龍谷大)、馬場子龍/田中元樹(龍谷大)
◆決勝
上條晃希/割石佑介 -14、3、3、7 坂根翔大/福本卓朗

【女子ダブルス】
優勝:小脇瑞穂/村田咲紀(関西学院大)
準優勝:朝田茉依/塩見紗希(同志社大)
3位:麻菜々子/鈴木琴音(立命館大)、竹田彩乃/光根鈴香(関西学院大)
◆決勝
小脇瑞穂/村田咲紀 8、11、8 朝田茉依/塩見紗希

 男子シングルスは留学生の李佳睿が優勝。決勝では大西、重村と関西学院大勢を下して勝ち上がってきた1年生の西に勝利して優勝を決めた。龍谷大のシングルス優勝は昭和63年大会から平成3年大会まで4連覇を達成した王会元(現龍谷大監督)以来3人目。
 女子は異質攻撃型の鈴木がタイトル獲得。安定した勝ち上がりを見せた鈴木は準決勝で立命館大・鈴木との「鈴木対決」でやや苦戦するも4-2で勝利し決勝へ。春季リーグ大活躍を見せた宮脇を相手に1ゲーム目を先取されるも逆転で頂点に立った。昨年の後期日本リーグでも活躍を見せた鈴木、その成長ぶりをアピールした。神戸松蔭女子学院大のシングルス優勝は平成24年大会の鳥居夕華以来7年ぶり。

※写真提供:馬渡卓也/関西学生卓球連盟
  • 男子シングルス優勝:李佳睿(龍谷大)

  • 女子シングルス優勝:鈴木理彩(神戸松蔭女子学院大)

  • 男子ダブルス優勝:上條晃希/割石佑介(立命館大)

  • 女子ダブルス優勝:小脇瑞穂/村田咲紀(関西学院大)

 6月2日、中国・深センで行われていたITTFワールドツアー・seamaster中国オープンは大会最終日を迎え、男女シングルスでベスト4に勝ち残っていた張本智和と伊藤美誠は、ともに準決勝で敗れて3位で大会を終えた。

 世界選手権3連覇の馬龍(中国)と対戦した張本は、ジュースにもつれた1ゲーム目を16−14で奪取。続く2ゲーム目も10−9から計5回のゲームポイントを握ったが、このゲームを14−16で落としたことが惜しまれる。試合後、馬龍は「今日の試合はプレッシャーがあった。2ゲーム目を取れたのはラッキーで、3ゲーム目から戦術を変えて展開が良くなった」とコメントした。
 決勝で林高遠を4−0で一蹴した馬龍は、ITTFワールドツアーで28回目の優勝。サムソノフ(ベラルーシ)を抜き、通算優勝記録で単独トップに立っている。

 女子シングルス準決勝で王曼昱(中国)と対戦した伊藤は、1・2ゲーム目を10−12で惜しくも落とし、1−4で敗戦を喫した。昨年の中国オープンでも、準決勝で王曼昱に1−4で敗れた伊藤。その直後のジャパンオープン決勝で4−2で勝利し、国際大会で初勝利を挙げていたが、連続で勝利するのはやはり容易なことではない。

 女子シングルス優勝は陳夢。決勝で王曼昱を4−1で破り、これで国際大会では王曼昱に6連勝と相性の良いところを見せた。今回の中国オープンでは5種目中3種目を中国が制したが、男子ダブルス決勝でボル/フランチスカ(ドイツ)が世界選手権優勝ペアの馬龍/王楚欽(中国)に3−0で快勝。混合ダブルスでは、チャイニーズタイペイの林昀儒/鄭怡静が許シン/陳夢(中国)に3−0で勝利して勝ち上がり、優勝を果たすなど、ダブルスを中心に海外選手も奮闘した。

■ITTFワールドツアー・中国オープン優勝記録
●男子シングルス優勝:馬龍(中国)
           3位:張本智和(木下グループ)
●女子シングルス優勝:陳夢(中国)
           3位:伊藤美誠(スターツ)
●男子ダブルス優勝:ボル/フランチスカ(ドイツ)
●女子ダブルス優勝:顧玉ティン/劉詩ウェン(中国)
          3位:中森帆南/大藤沙月(ミキハウスJSC/四天王寺高)
●混合ダブルス優勝:林昀儒/鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
          3位:丹羽孝希/伊藤美誠(スヴェンソン/スターツ)

※写真提供:ITTF
  • 馬龍、地元大会でワールドツアー28回目のV

  • 世界選手権準優勝の陳夢は、一気に存在感を増してきている

 アスリートの心情への理解、選手個人のプレーする権利、五輪という夢舞台への憧れ……そこには様々な人の思いが交錯していたはずだ。
 4月上旬のアジアカップの大会期間中に、元日本代表で。世界メダリストの浜本由惟(木下グループ)が、オーストリア卓球協会の登録で5月のスロベニアオープン、クロアチアオープンにエントリーしていることがわかった。本人へ確認する術もなく、日本卓球協会は所属先の木下グループに問い合わせ、木下グループもその事実を知らなかったために浜本の母・楊子さんから事情を聞いた。
 
 以前から母・楊子さんの知人であるオーストリアの中国コーチから「オーストリアへの移籍」の話があり、それを受ける形でオーストリア帰化申請を進めているようだが、本人の声は聞こえてこない。

 ITTF(国際卓球連盟)が過去の協会代表の有無や年齢によって、協会を移動した場合の規定を作ったのは2008年だ。当時は中国からの帰化選手がヨーロッパを中心に数多くの協会から代表として大会に出場していたために、ITTFが今後の卓球界の発展や普及を考えて下した決定だった。ただし、この出場規定が適用されるのは、ITTFが主催する世界イベントのみで、ワールドツアーや五輪は適用外だった。ぎりぎりのところで、中国から他国に移動した選手のプレーする権利を守った形にも見えた。
 2016年のリオ五輪で銀メダルを獲った、ドイツ女子のシャン・シャオナ、ハン・インなども世界選手権には出場できないが、オリンピックに参加し、ドイツの団体メダル獲得に貢献した形となった。

 ところが、昨年になって、ITTFはIOC(国際オリンピック委員会)との協議のもと、オリンピックでも同様の出場規定を作成している。そのため、浜本のケースではオーストリア代表として、7年間はワールドツアーを除く、世界イベントや大陸イベント、国際チームイベント、そしてオリンピックには出場できない。
 その規定を知ったうえでオーストリアへの移籍と帰化を決断したはずだが、今のままでは彼女がそれらの世界イベントに出場できるのは7年後だ。
 
 オーストリア協会への移籍の理由のひとつは「日本代表として試合に出るのが厳しいので海外で出場機会を求めるため」とのこと。
 これは以前の中国のケースと同じだ。レベルの高い中国で代表選手として世界選手権やオリンピックに出場できるのはひと握りの選手だけ。多くの選手は、世界選手権や五輪への憧れを胸に、またプロ選手としての仕事を求めて、海外に渡った。中には、国家チームの中での競争が激しく、常に下から若い選手が上がってくるために、中国国内での早めの引退を余儀なくされ、海外へ向かう選手もいた。
 日本でも小山ちれ、偉関晴光、羽佳純子、吉田海偉、韓陽のように、元中国代表、メダリストの実績を持った選手が第二の卓球人生として日本でのプレーを選び、日本代表として活躍し、日本のために貢献したケースも多い。

 現在、日本は男女とも、国内での競争が激しく、レベルも急激に上がっている。今回の浜本のように元日本代表でも次々に若手にその座を奪われるのが当たり前の状況だ。そういう中で、五輪への憧れや代表選手としての世界選手権への出場を求め、海外に向かう選手が今後も増えるかもしれない。
 もともと中国帰化選手の海外流出に一定の歯止めをかけるために作られた選手の出場資格だったが、まさか日本の選手も対象になるとは思わなかった。

 浜本はJOCエリートアカデミー所属の選手だった。国のお金がその活動予算に使われるプロジェクト出身だっただけに当初は波紋も広がった。
 だが、エリートアカデミーにいた頃には、選手本人も「日本代表として五輪に出たい」という夢と希望を持っていたのは間違いない。ただ、プロ選手になり、現実として自分の卓球人生を考えた時に、出場機会の可能性が低い日本ではなく、海外にその可能性を求めたのだろう。それは国籍の問題ではなく、ひとりのアスリートとしての本能だったのかもしれない。
 
 しかし、そういった熱い思いの選手の前に出場資格規定のルールが立ちはだかる。20歳の選手にとって、7年間という時間は余りに長い。与えられた時間ではあるが、出場機会を奪われている時間でもある。
 浜本由惟はその時間の壁を越えることはできない。時間の壁づたいに歩いていくしかないのだろうか。 (今野)
  • 2016年の世界選手権団体で日本代表としてメダルを獲得した浜本由惟

 5月からのスロベニアオープン、クロアチアオープン、中国オープンにオーストリア卓球協会からの代表選手として出場している浜本由惟(木下グループ)。2016年世界選手権クアラルンプール大会での日本代表であり、メダリストでもある。
 ワールドツアーのエントリーで事実を知ったという日本卓球協会は、6月1日の理事会で外国協会の選手の登録に関して協議した。
 理事会の後の会見で、宮﨑義仁強化本部長は経緯を説明。協会は浜本所属の木下グループからの報告を受けており、浜本の母・楊子さんによると、日本代表での出場機会が厳しいので海外に出場機会を求め、数年前からオーストリアの中国人コーチからオファーを受けていて、それを今回受け入れたとのこと。5月9日の木下グループからの報告書では、本人は母の指示に従ってやっているが、今後、オーストリアへの帰化申請を進めるという。
 21歳以下(浜本は現在20歳)の選手が所属の協会から移る場合は、世界イベントや大陸イベント、オリンピックには7年間は出場できないという規定がある。浜本が今後、最短でオーストリア代表として出場できる五輪は2028年大会となる。

 この日の理事会で協議、確認されたのは、帰化申請を進め、居住地をオーストリアに移している浜本は「外国籍選手」としての扱いになること。全日本選手権は出場できないが、Tリーグ、全日本社会人選手権、全日本クラブ選手権などは出場できる。
 5月18日付けでオーストリア卓球協会からの文章が日本卓球協会に届いており、浜本のオーストリア協会での登録申請が報告された。浜本はオーストリアのリンツのクラブにも所属しており、オーストリアリーグとTリーグでの参戦が予定されている。
 宮﨑強化本部長は「アスリートとして五輪を目指す気持ちは理解できる。支援はできないが、教えた選手でもあるので、『浜ちゃん頑張れよ』と見守っていきたい」と語った。

 浜本はスロベニアオープンでは3回戦で敗れ、ベスト16。続くクロアチアオープンでは1回戦で日本の小塩遥菜(JOCエリートアカデミー)に2-4で敗れた。中国オープンでは予選で敗れている。現在の世界ランキングは5月の時点で86位、最高位は2017年2月の16位だった。
  • 昨シーズン、木下アビエルでプレーした浜本由惟

 5月28日から中国・深圳で行われているITTFワールドツアー・シーマスター中国オープンは、男女シングルスの準々決勝が終了。男子シングルスで張本智和、女子シングルスでは伊藤美誠がベスト4に進出した。

 世界選手権個人戦と同じく、第4シードで大会に臨んだ張本は、決勝トーナメント2回戦で「張本キラー」のピチフォード(イングランド)に圧巻のストレート勝ち。続く準々決勝では、好調の黄鎮廷(香港)を4ー1で下した。フォア前のレシーブや台上での攻防では、フォアのストップやフリックをうまく使い、攻撃だけでなくブロックでも得点を重ねた。

 チキータからの速攻プレーを研究され、フォア前のサービスにバック深くへのロングサービスを混ぜられて攻略されるパターンが増えていた張本。フォアでのレシーブが向上したことで、攻守ともグッと安定感が増した。他の選手を例に出すのは失礼かもしれないが、「樊振東タイプ」から「馬龍タイプ」へシフトチェンジしていくかのような試合内容。準決勝ではその馬龍の胸を借りる。

 一方、女子では伊藤美誠が快刀乱麻の活躍を見せている。決勝トーナメント1回戦で、過去のワールドツアーでは0勝2敗の王芸迪(ワン・イーディ/中国)に4ー3で勝利。2回戦で馮天薇(シンガポール)をストレートで一蹴すると、準々決勝で丁寧(中国)を4ー1で下した。

 丁寧戦はスコアこそ4ー1だが、ジュースの連続となる激しい攻防。1ゲーム目、7点連取で7ー1としながら丁寧に10点連取を許し、7ー11でゲームを落とす厳しい立ち上がり。丁寧の回転量の多いドライブにミスも多かったが、会場の「丁寧親衛隊」から悲鳴のような声援が送られる中、最後まで臆せずにフォアスマッシュを打ち続けた。丁寧戦は昨年のスウェーデンオープンに続く勝利で、国際大会での通算成績を3勝9敗とした。伊藤は準決勝で、昨年のジャパンオープン決勝で勝利した王曼昱と対戦する。

 ITTFワールドツアーでも最も格付けの高い、プラチナ大会である中国オープン。3位の選手に与えられるランキングポイントは1660ポイントで、世界選手権個人戦のベスト8(1500ポイント)のランキングポイントを上回るものだ。世界選手権でベスト16の張本、ベスト32の伊藤にとって、今大会での好成績は非常に大きな意味を持つ。残るは準決勝・決勝。ここからさらにランキングポイントを積み重ねていくのか?

※写真提供:ITTF
  • 準決勝で馬龍と激突する張本。アジアカップのリベンジを果たしたい

 世界選手権大会の男子団体と男子ダブルスでメダルを獲得している松平健太と、株式会社ファースト(代表取締役/浜野浩)がスポンサー契約をした。
 ファーストは岸川聖也、大矢英俊らが所属する東京都江戸川区の企業で、卓球部は全日本実業団選手権で3位入賞などの実績のあるチーム。

 「この度、株式会社ファースト様とスポンサー契約を結んでいただき、大変感謝しております。ファースト様とともに卓球界に貢献できるようがんばりますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします」(松平健太)
  • ファーストとのスポンサー契約を行った松平健太

 6月1日(土)、千葉・イオンモール幕張新都心内に『PING PONG PARK』がオープンする。

 『PING PONG PARK』は、複合型卓球施設「T4 TOKYO」(東京・渋谷)がプロデュースおよび運営サポートを行う“卓球のテーマパーク”で、フロアには卓球台を10台設置。30分単位から利用でき、フロア内で自由に飲食もできるので(持ち込み可)、ショッピングの合間に家族や友人などと気軽に楽しめそうだ。卓球用具やT4限定発売のオリジナルグッズなどの販売もあり、定期的にイベントの開催も企画しているとのこと。

 場所は、イオンモール幕張新都心のGRAND MALL(グランドモール)3階で、映画館や劇場などが集まるフロアの一角。

 オープン記念キャンペーン(6月1〜30日)や、オープン記念イベント(6月9日14〜16時)なども開催予定。6月9日のオープン記念イベントには実業団・東京アート所属選手によるデモンストレーションやワンポイントレッスンのほか、豪華賞品が当たる抽選会も行われる予定だ。


『PING PONG PARK(ピンポンパーク)』
【住所】千葉県市美浜区豊砂1-1イオンモール幕張新都心 GRAND MALL内
【アクセス】JR京葉線「海浜幕張駅」よりバスで約8分
【営業時間】10〜19時最終受付 ※営業時間は変更になる場合があります
【定休日】イオンモール幕張新都心の営業に準ずる
【URL】https://pppark.t-4.jp

 5月22〜26日にポーランド・ブワディスワボボでITTFジュニアサーキット・ポーランドオープンが開催。日本からは女子3選手のみが参加し、ジュニア女子シングルスで横井咲桜(ミキハウスJSC)が優勝、大久保ひかり(札幌大谷中)が3位に入った。
 また、ジュニア女子団体でも日本が優勝し、横井はカデット女子シングルスの優勝、白山亜美(明徳義塾中)とのカデットダブルス優勝と合わせ、今大会4冠を獲得した。

 大会の優勝記録と日本選手の上位記録は以下のとおり。 

■ポーランドジュニア&カデット記録
●ジュニア男子シングルス優勝:ピカルド(フランス)
●ジュニア女子シングルス優勝:横井咲桜 3位:大久保ひかり 
● ジュニア男子ダブルス優勝:バルデッテ/ピカルド(フランス)
● ジュニア女子ダブルス優勝:ブラスコワ/シュライナー(チェコ/ドイツ)
● ジュニア男子団体優勝:フランス  
● ジュニア女子団体優勝:日本 
●カデット男子シングルス優勝:モウレーヌ(ルーマニア)
●カデット女子シングルス優勝:横井咲桜 
●カデット男子ダブルス優勝:イスレーテ/ウルシェッテ(ルーマニア)
●カデット女子ダブルス優勝:白山亜美/横井咲桜 
● カデット男子団体:ルーマニア2 
● カデット女子団体:ルーマニア1
 5月22〜26日にタイ・バンコクでITTFチャレンジ・タイオープンが開催され、女子シングルスでカットの佐藤瞳(ミキハウス)が優勝。女子ダブルスでも大藤沙月/芝田沙季(ミキハウス)が女子アンダー21でも梅村優香(中央大)が優勝し、日本女子が3種目を制した。

 女子シングルスで佐藤は準々決勝で木村光歩(中国電力)をストレートで下すと、準決勝ではダブルスのパートナー・橋本帆乃香(ミキハウス)との同士打ちをゲームオールで制し決勝に進出。決勝では同じミキハウスの芝田にゲームカウント1-3とリードを許すも、その後3ゲームを連取し逆転で勝利。今季ツアー初勝利をあげた。女子シングルスでは日本女子がベスト4を独占する、好成績を残した。また、女子ダブルスでは決勝で大藤沙月/芝田沙季が森田彩音/梅村優香(中央大)を下し、3月のチャレンジプラス・オマーンオープンに続き今季2勝目をあげた。

 男子シングルスでは田中佑汰(愛知工業大)が準決勝に進出。徐賢徳(韓国)に3-4で惜敗するも日本男子最高位の3位入賞を果たした。男子の優勝はカットのフィルス(ドイツ)。徐賢徳を4-2で下しタイトルをつかんだ。

 各種目の優勝記録と日本選手の上位記録は以下のとおり。

ITTFチャレンジ・タイオープン優勝記録
●男子シングルス優勝:フィルス(ドイツ) 3位:田中佑汰
● 女子シングルス優勝:佐藤瞳 2位:芝田沙季 3位:橋本帆乃香、森さくら
● 男子ダブルス優勝:フィルス/メンゲル(ドイツ) 3位:及川瑞基/三部航平
● 女子ダブルス優勝:大藤沙月/芝田沙季 2位:森田彩音/梅村優香 3位:橋本帆乃香/佐藤瞳
●男子アンダー21優勝:黎昕祐(チャイニーズタイペイ) 2位:髙見真己
● 女子アンダー21優勝:梅村優香
 卓球の女子シングルスでは来年の東京五輪の代表権をかけて熾烈な国内競争に入っている。
 4月に閉幕した世界選手権ブダペスト大会の女子ダブルスで、ミキハウス所属の佐藤瞳(世界ランキング14位)と橋本帆乃香(同23位)がメダルを獲得したが、この二人は休む間もなく、クロアチアオープン、タイオープンにも参戦し、来週の中国オープンにも出場する。

 佐藤と橋本にはメダル獲得の余韻に浸っている暇はない。
 ブダペスト大会では準決勝で、日本の伊藤美誠・早田ひな組と同士討ち。2ゲームを奪う健闘を見せたが、惜しくも敗れ、銅メダルに終わった。
 二人はダブルスに敗れ、すべての試合を終えていたが、 翌日の卓球王国のインタビューの前に練習場で汗を流していた。
 聞けば、海外遠征をしても休みの日はないと言う。
 インタビューでは二人はこう答えている。

●練習はしんどいと思うけど、なぜそこまでできるんだろう。
佐藤 私はスター選手じゃない。小さい頃から注目されてきたわけじゃないし、同じことをやっても近づくことはできるけど最後に勝てるところまではいかないと思っています。2020年東京五輪があるので、そこに向けて必死に頑張りたいからここまでやっています。
橋本 私は中学からミキハウスでやっているし、中学、高校から長い練習をしているので、やらないと不安になります。もともと素質があるほうじゃないので、練習をしないといけない。練習をして勝てなかった選手に勝てるようになったこともあるし、苦しさを乗り切ったら勝てるのがわかってきました。

 そんな二人はメダルを決めた瞬間に抱き合い喜びを分かち合った。「佐藤さんは号泣していて(笑)、私はメダルを決めた瞬間はポロッと来たけど、あとは乾いてました」と橋本は語る。

 世界の上位に行くと、守備主体のカットペアは勝ちにくいと言われる中で、佐藤と橋本のペアは輝きを放っていた。絶妙なコンビネーションを見せたペアリングを佐藤はこう語る。「二人は卓球の得意不得意が違います。私は切るカットが得意だけど、帆乃香はナックルカットで、攻撃も私はフォアの攻撃だけど、帆乃香はバックハンドとか」。
 一見同じように見えるカットスタイルでも、佐藤と橋本のプレーがうまく対比しながら、個性を発揮した。
 通常、卓球のトップ選手というのはダブルスの練習をしない。しかし、佐藤と橋本は普段のミキハウスの練習でもダブルスの練習をやると言う。シングルスでは経験したことのないボールをダブルスでは受けることができ、それが役に立つと語る。まさに日々の練習の努力が実ったメダルと言って良いだろう。
 日本人同士のシェークのカットペアでのメダル獲得は史上初めての快挙だった。

*インタビューは卓球王国最新号からの抜粋 
  • 世界的に強いカットペアは珍しくなってきた

  • メダルを決めた瞬間に泣き崩れた佐藤瞳と橋本帆乃香