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速報・現地リポート

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世界選手権広州大会(団体戦)

●男子 予選グループC第3試合
ドイツ(3勝) 3-1 フランス(3敗)
日本(3勝) 3-0 ロシア(1勝2敗)
セルビア(2勝1敗) 3-0 スロバキア(3敗)

●女子 予選グループA第3試合
中国(4勝) 3-0 アメリカ(3勝1敗)
クロアチア(2勝2敗) 3-2 スウェーデン(4敗)
北朝鮮(2勝2敗) 3-0 ロシア(1勝3敗)

 女子中国は高軍・王晨のツインエースがいるアメリカと対戦。オール3-0のストレートで快勝した。ここまで、誰が出ても勝てると言わんばかりにオーダーを目まぐるしく変えて勝利を積み重ねている。

世界チャンプの郭躍は容赦ない攻めで圧勝
 日本  3-0  ロシア
○水谷  7、9、2     クズミン
○韓陽  9、8、-6、-7、13 スミルノフ
○吉田  -11、9、6、11   マズノフ

 1番の水谷。出足からサービス、3球目攻撃がよく決まり、試合の主導権を握った。終始リードを保ち、安定した試合運びでゲームを取った。第2ゲームもフォアのストレートボールがラリーで威力を発揮した。相手のフォアを攻め、ポイントを重ね、バックハンドでのカウンター攻撃も光った。第3ゲームは持ち前のサービス、レシーブのうまさとコースの良さで6-0とリードし、体もよく動き、完勝した。

 2番の韓陽はスミルノフと対戦。韓陽は多彩な台上テクニックで先手を取り、リードを保ちながらフォアハンドドライブの連続攻撃でよく攻め、ゲームを取った。第2ゲームは出足からラリー戦となり、互角の勝負となったが、後半における先手攻撃が勝利を呼び込んだ。
 第3ゲームは中盤から相手のドライブが決まりだし、引き離された展開になってしまった。第4ゲームは徐々に相手ペースに入り込んだが、ラリー戦で消極的になり、相手に攻めきられた。最終ゲームでは前半から積極的に攻めリードをするが、中盤以降、相手の両ハンド攻撃にやや消極的になったが、集中力を切らさず、積極的にドライブで盛り返し、ジュースに持ち込んだ。最後はカウンターを2本連続で決めて勝利をもぎ取った。

 3番の吉田はマズノフと対戦。第1ゲーム、吉田は中陣でのラリー戦で劣勢になりリードされ、後半得意のフットワークとフォアドライブでジュースに持ち込んだが、サービスがあまくなったところをドライブで先手攻撃され、ゲームを落とした。第2ゲームはクロスのドライブ戦で吉田が打ち勝ち、ゲームは1-1のタイ。第3ゲームは前半からフォアドライブの連続攻撃で先手を取り、6-0とリードし、プレーに余裕が見えてきた。後半も落ち着いたプレーで完勝した。第4ゲームは、最後までフットワークを使ったオールフォアでのドライブ攻撃の執念が見られ、ジュースになってもその勢いは止まらず、勝ちを呼び込んだ。
【高島の通信簿】水谷85点 韓陽90点 吉田90点

大きな1勝をあげた韓陽/スミルノフ、最後で消極的になりつかみかけた勝利を逃す
●男子 予選グループD第3試合結果
シンガポール(3勝) 3-0 ギリシャ(1勝2敗)
デンマーク(2勝1敗) 3-1 中国香港(2勝1敗)
ベラルーシ(1勝2敗) 3-1 スペイン(3敗)

●女子 予選グループB第4試合結果
ルーマニア(2勝2敗) 3-0 ウクライナ(1勝3敗)
チャイニーズタイペイ(2勝2敗) 3-1 ポーランド(4敗)
シンガポール(4勝) 3-0 ハンガリー(3勝1敗)

 ともに3勝同士での争いとなったシンガポール対ハンガリー戦。
 ふたを開けてみればシンガポールがハンガリーを圧倒。3試合ともストレートで決着、1セットもハンガリーに許すことなく第2ステージへの切符を手に入れた。

●男子グループA第3試合
中国(3勝) 3-0 クロアチア(3敗)
オーストリア(3勝) 3-0 ベルギー(3敗)
ルーマニア(2勝1敗) 3-2 イタリア(1勝2敗)

●女子グループC第4試合
中国香港(4勝) 3-0 ドイツ(3勝1敗)
オーストリア(2勝2敗) 3-0 タイ(1勝3敗)
ベラルーシ(2勝2敗) 3-2 スペイン(4敗)

 女子ベラルーシ対スペインがラストまでもつれる白熱した試合。4番Vi.パブロビッチが勝利すると、ラストはVe.パブロビッチが締めるという姉妹リレーでベラルーシが2勝目を挙げた。

●男子グループB第3戦
韓国(3勝) 3-0 スウェーデン(3敗)
チャイニーズ・タイペイ(3勝) 3-0 ポーランド(3敗)
チェコ(2勝1敗) 3-0 ハンガリー(1勝2敗)

●女子グループD第4戦
オランダ(2勝2敗) 3-1 フランス(1勝3敗)
イタリア(1勝3敗) 3-0 チェコ(1勝3敗)
日本(4勝) 3-2 韓国(3勝1敗)
●平野のコメント  
 ホントにチビ愛(福原)が最後9-9からよく頑張りました。
 自分の最初の試合(文戦)は、流れが相手にあったけど、チャンスボールは絶対逃さない感じで、やれることは途中から全部やっていこうと思っていたらペースをつかんだ。4番の唐は打ったのが初めて。私は変化をつけていこうと。速さでは勝てないと思ったし、ミドルから崩していこうと思った。すごい厳しい試合だった。これで大きな自信になった。この感触を忘れずに明日から頑張っていきたい。
● 福原のコメント
 トップで私がチームの悪い流れを作ってしまった。唐は初めて。自分の攻め方が間違ってました。実力の差はあまり感じなかったが、試合運びがうまいなと感じた。ラストでは1ゲーム目、0-7と離された。そこから戦術も変えたし、合宿でたくさん練習してきたことを思い出して、最後まで絶対負けないという気持でやれたことがよかった。5番で本当に苦しかったけど、みんなが応援してくれたことが力になった。最後に緊張感から解放されたから、あんまり試合で勝ってないけど泣いてしまいました。 
● 福岡のコメント
 自分の試合に関してはああすればよかった、ここをこうすればというのしか思い浮かばない。相手も緊張して狙ったボールしか打って来なくて、逆に私がそこで攻めきれなかった。2ゲーム目の10―8の時に早くやりすぎた。少し弱気になったが敗因。愛ちゃんの試合は残ったエネルギーを全部応援で使おうと思った。全員の力がひとつになって勝てた試合だなと思います。
● 近藤監督
 我々は最後の2本を準備しようと言ってきたので、福原の最後の2本にうまくつながった。最後の2本は祈るような気持だった。平野は卓球に対して正面から努力する選手なので、そういうのがこういう場面で出たと思います。
 私の監督経験の中で、こういう試合は初めてで、思い出に残る試合。特に相手が韓国だったから。この試合はひとつの関所だったけど、もっと上を目指してやってきたので、一戦一戦頑張っていきたい。
 試合を1-2とリードされた日本。4番の平野が持ち前のガッツとフットワーク力を生かし、2番で逆転したプレーぶりを4番でも持続し、さらに両ハンドドライブが冴え、速いピッチのラリー戦に対してもフォアハンドでのカウンタードライブが随所に決まった。相手の唐の強烈なバックハンド攻撃に対し、バックをループドライブで対応し、ミスを誘う作戦が的中した。前陣でのバックループからフォアドライブに切り替える攻めのパターンは、世界で通用する技術の幅を見せつけた。

 ラストに出場し、プレッシャーのかかった福原は日本の勝利への重責を一身に背負い、責任感からプレーが消極的になり、いきなり0-7とリードされる苦しい流れだった。捨て身で盛り返し8-10と追いついたが逆転するまでは至らず。しかし、必死の福原は後半盛り返した勢いで、第2ゲームはさらに思い切ったプレーが出始め、8-2とリードしゲームを取り返した。思い切りの良いプレーに対して文もよく対応した。
 3ゲーム目、福原は勝負に出たフォアドライブが惜しいところでオーバーし、このゲームを落とした。第4ゲームは福原の速攻が冴え、徹底した相手のバック攻めに成功した。ゲームオールになり、福原は必死で相手のバックを攻め抜いた。
 キーポイントになるのは、最終ゲームで5-6でリードされ、そこから相手の意表を突いた福原のフォアハンドのロングサービス。相手のミドルに出して得点を奪った。リズムを狂わされた文は、福原の強気と集中力の前に守勢に回り、福原が逆転に成功した。最後はジュースになったが、積極性がよみがえった福原はジュースでもフォアのカウンタードライブを見事に決めた。素晴らしい戦いぶりであった。
 トップは福原対唐。第1ゲーム、バック対バックで3-6とリードされ、コースをフォア攻めに切り替えるが、相手のバックハンドの強打の思い切りに翻弄され、ゲームを落とした。第2ゲームはフォアのコースに攻める作戦に切り替え4-1とリードし、ペースをつかみかけたが、3本のバックハンドミスが響き8-11で逆転された。第3ゲームは投げ上げサービスから必死にボールに食らいつき、5-2とリードを保ち、またフットワークも良く両ハンドで粘るが、接戦での相手側のバックハンド強打が止めることができなかった。

 2番の平野は、文に対してラリー戦に持ち込めず、厳しいコースを先に突かれて第1ゲームを押し切られ、第2ゲームの前半も1-5でリードされ、ペースをつかむことができなかった。第3ゲームに入り、持ち前の粘りでジュースになり、思い切ったプレーでゲームを取った。勢いが出てきた平野はフォアドライブにも本来のスピードが戻り、4,5ゲーム目を連取した。

 3番の福岡は李恩姫と対戦。第1ゲームはサービスで得点するも相手の速攻に苦しみ、後半でサービスエースを取り、勝利した。第2ゲームはバックに攻められ、ジュースで惜しくも敗れた。サービス、レシーブも互角の展開となり、丁寧につないでくる李の粘りに3,4ゲーム目を連取されて敗れた。

 4番の平野は、第1ゲーム前半は互角の戦いから得意のフォアドライブで先取。第2ゲームはフォアドライブをカウンターで狙われ、後手に回って失点を重ねた。3ゲーム目から両ハンド攻撃に切り替え、フットワークを生かして3,4ゲームを連取した。

 5番ラストの福原は文と対戦。第1ゲームは出足でリードされ、ばん回できなかった。第2ゲームは思い切りの良いプレーで出足から一気にゲームを取り返した。第3ゲームも惜しいところでフォアドライブがオーバーし、ゲームを落とした。第4ゲームは福原の速攻が戻り、バックハンドの命中率でゲームを取り返した。最終ゲームは、バック対バックで勝ち抜き、思い切りの良さで勝利した。
【高島の通信簿】1番福原60点 2番平野80点 3番福岡70点 4番平野90点 5番福原100点

最後はやっぱり愛ちゃんだ!
韓国戦ラスト、福原対文玄晶。ともに持ち味をいかした攻めで接戦となった。そしてむかえた最終ゲームももつれにもつれ、9-10と王手をかけられた福原。しかし、数々の修羅場を乗り越えてきた福原がここから会心のプレーでおいつき、追い抜き、11-10、最後はサービスエースで試合を決めた。
大会最大の山場となった韓国戦をチーム力でのりきった日本。大きな大きな勝ち星をあげた。

  日本 3-2 韓国
福原 -5、-8、-9 唐イェ序
平野 -4、-5、10、4、8 文玄晶
福岡 9、-10、-6、-7 李恩姫
平野 9、-6、6、2 唐イェ序
福原 -8、4、-6、4、10 文玄
平野が強い。今度は唐を撃破した。
バックが強い唐に対し、コート全面に打ちわけ、コース取りで勝負を挑んだ平野。ループ系のボールを織り交ぜ、甘いボールをフォアハンドで狙っていく。福原戦では驚異的なバックを見せた唐だったが、平野のボールには合わないのか、ミスを重ねた。第4ゲームも、平野の一方的な展開。カウンターを狙う唐は、フォアもバックも崩れ、為す術なし。日本の大黒柱が大きな勝利を上げ、ラストの福原へつないだ。
福原対文玄晶。緊張の5番が始まる。

平野 9、-6、6、2 唐イェ序