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北京五輪

 トップの韓陽は1ゲーム目から落ち着いている。シュラガーのサービス、カウンターを苦にしていない。逆にシュアガーのバックドらをカウンターで狙うなど、自分のペースで試合を進めた。シュラガーに元世界チャンピオンの面影はなかった。韓陽は強いぞ。結果、ストレートでシュラガーを下し、幸先の良いスタートのニッポン。
 2番は水谷対陳衛星。陳衛星のカットを打ちあぐむ水谷。要所で放たれる陳のドライブにもミスが出る。ストレートで敗れ、1-1となった。
 3番のダブルスで日本ペアはオーストリアの陳衛星とガルドスの変則ペアと対戦。一進一退の流れで試合が進み、ゲームオールにもつれ、最後は日本はマッチポイントを奪いながらも相手にしのがれ、ジュースで最後はガルドスのボールがネットインでゲームセット。なんとも惜しい敗戦となった。
 4番で相手の3番手と韓陽。勝ってラストにつなげる日本。しかし、出足から韓陽はやりにくそうなプレーでモヤモヤとしたような様子。結局、3-1でガルドス。日本のメダルは消えた。
銅メダル決定戦2回戦
   日本  オーストリア
○韓陽   8、3、10       シュラガー
 水谷   -4、-12、-7     陳衛星○
 水谷/岸川 -9,6,-6、5,-12ガルドス/陳衛星○
 韓陽    10、-7、-9.-7  ガルドス○
 岸川              シュラガー
写真はトップでシュラガーに勝った韓陽。4番で韓陽に勝ったガルドス、勝敗を分けた3番のダブルス
 ドイツが決勝進出を決めたあとに登場した中国と韓国。中国は馬琳がまず呉尚垠と対戦。1ゲーム目は完全に馬琳が主導権を奪ったが、呉尚垠が2,3ゲームを連取した。長いラリーになれば呉尚垠、台上での早い展開では馬琳だったが、4ゲーム目をぎりぎりの接戦で馬琳がものにしたところで、この試合は馬琳のものになった。
 2番の王皓対柳承敏1ゲーム目は柳承敏はフォアで動いていったが、王皓の裏面ボールを捕らえられずに、2ゲーム目ではバックのブロックをうまく使い取り返した。ところが、バックショートを使ったことで柳承敏の足も止まり、王皓が3,4ゲーム目を連取し、勝負に決着をつけた。
 3番のダブルスは中国ペアの圧勝。尹在栄が完全にブレーキとなった。

男子準決勝
   中国    3-0  韓国
○馬琳   8,-7、-10、11、5  呉尚垠
○王皓    7,-6,9、6    柳承敏
○王励勤/王皓  4,6,4 呉尚垠/尹在栄

3番ダブルスでドイツはボルを外し、オフチャロフとズースで組んだ。日本ペアは1ゲーム目を4本で落とし、2ゲーム目は9-5、11-6で取り返す。3ゲーム目8-9から逆転して12-10、その後、韓陽は残った力を振り絞り、ゲームオールのジュースでズースを下した。オリンピック、どの試合もタフな試合だ。
 ラストは岸川対ボル。世界ランク的には力の及ばない相手だが、岸川は攻めてリードを奪うも結局7-11で1ゲーム目を落とした。2ゲーム目、ボルが少し硬い。岸川はバックハンドを決める。12-10で取り返す。ボルは勝って当たり前の中で重圧がかかってくるだろう。3ゲーム目は6本でボル。凡ミスがほとんどないボル、岸川は2,3本の打ちミス、その差が出た。4ゲーム目開き直った岸川と緊張するボル。岸川のカウンターが決まり8本で取り、最終ゲームにもつれこんだ。3-7,4-7,ここでドイツはタイムアウト。4-8,最後は5本で万事休す。ドイツの決勝進出が決まった。しかし岸川もボルに対して大健闘だった。ボルは泣いた、そして岸川も泣いた。
男子準決勝
   日本   2-3    ドイツ
 韓陽  -7、11、-11、9、10 オフチャロフ○
 水谷  -11、8,-4、-7   ボル○
○水谷/岸川 -4、   オフチャロフ/ズース
○韓陽  -5,-8,10、9,11 ズース
 岸川 -7、10、-6、8,5   ボル○


 韓陽対オフチャロフ。1ゲーム、韓陽の調子はまだでない。2ゲーム目10-7から10-10、13-11で取り返す。勝負どころでの韓陽の絶妙なストップレシーブが冴えた。3ゲーム目6-4、8-5,9-7,10-8、10-10と追いつかれる。11-13で落とし、1-2とゲームリードされる。4ゲーム目9-9、10-9、11-9 、最終ゲーム5-4から5-8と逆転され、6-8、7-8、8-8、8-9、8-10、9-10、10-10追いつき、レシーブミスで10-11最後はオフチャロフのドライブが打ち抜き勝負を決めた。日本としては痛い1敗となった。
 2番は水谷とボル。第1ゲーム5-8、5-10、5-11。2ゲーム3-5から8-5,10-8、11-8で取り返した。よし、ここからだ水谷!3ゲーム目は主導権をボルに奪われ、4-11で落とした。4ゲーム目3-3から11-7、ボルの勝利。0-2日本はあとがない。
 3番でドイツはボルを外し、5番に置いた。手堅くきた。
 これで勢いに乗った日本だが、ダブルスは福原・平野で勝負を賭けた。今大会初の起用。過去にプロツアーで優勝した実績を持つが、出足の1,2ゲームで平野に打ちミスが出る。少し硬い。しかし、3ゲーム目から調子が出てくる。福原は神懸かり的なカウンター連発。最後は11-9で逆転。すごい、ニッポン。2試合連続の逆転勝ちで4番の福岡につなぐ。過去の団体戦では福岡が勝ったことがある相手だがくせ者。柔らかいボールを放つ。
 福岡は先に2ゲームを先取され、1ゲームを取り返し4ゲーム目10-10で痛恨のサービスミス、10-12で敗れた。これでラストの平野対帖雅娜に勝負がもつれた。
 平野は1ゲーム目、7-1とリード、9-5,9-7,10-7、10-9、10-10、12-10、やった!先取した。2ゲーム目7-5とリード、8-6,10-6、11-6連取した。勝負の3ゲーム目がスタート。3-1でリード、エッジボールで5-1運もついている。ここで香港はタイムアウト。5-3,6-3、7-3帖雅娜レシーブミス、焦っている。8-3、8-5,9-5,9-6,9-7で平野タイムアウト。10-7、そして平野のドライブが炸裂。勝った、勝った!すごい平野、鬼だ。日本3-2で香港に勝った。明日は韓国だ。勝てるぞ、今度は勝て。
 
銅メダル決定戦2回戦
  日本  3-2 中国香港
 福岡  -2,-10、-10      帖雅娜○
○福原  -9、-12、5,8,8    林菱
○ 平野/福原 -7,-9,7,8,9 林菱/柳絮飛
福岡  -8、-2、7、-10      柳絮飛○
○平野  10、6,8        帖雅娜


  韓国  3-0 アメリカ
○金キョンア 6,-9、8,13   王晨
○唐イエソ  -7、10、9,-8、8 高軍
○金キョンア/朴美英 -10、5,-4、7,5高軍/ファン

 トップは福岡と帖雅娜。福岡を2点使いで臨んだ日本は前半で福岡を帖雅娜にぶつけてきた。はっきり言えば、福岡を捨てて、3-2のオーダーを組んだ日本。狙いは悪くない。いきなり出足で8-0と離され、2本で落とした福岡。2ゲーム目。6-4,9-6,9-8,10-10、10-12と逆転された。3ゲーム目は5-8,5-9,7-9,9-9,ここでネットインが入り9-10、スマッシュが決まり10-10、最後は10-12で福岡は敗れたが健闘した。
 2番は福原対林菱。福原にとっては組みしやすい相手だ。1ゲーム目3-3と互角のスタート。ストップショートが決まり6-4、7-4、9-7、9-9、9-10と逆転され、最後はナックルロングサービスをレシーブミスして9-11で落とした。2ゲーム目は3-2,5-5,7-6、カウンタードライブが決まり9-7,9-9、10-10、ストレートバックハンドが決まり11-10、サービスミスで11-11、結局12-14で落とした。あとがない3ゲーム目、3-0、5-0、7-1とリード。9-2、11-5で取り返した。
 4ゲーム目2-3の出足、5-5,9-6,10-6、11-8でタイに持ち込んだ。最終ゲーム6-3でリード、7-5、サービスエースで8-5、9-5、9-7,9-8と追い上げられ、タイムアウト。そこから素晴らしい速攻で2本連取し、11-8で林菱に逆転勝ち。見事な速攻、見事な精神力だった。応援に来ていたアーチェリーの山本博さんは「すごい、愛、かっこいい、来て良かった」と感激。

 日本男子はドローにも恵まれ、16日午後2時半にドイツと対戦する。広州の世界選手権では対戦したが、ボルのいないドイツに3-1で勝っている日本。ボルは今大会一時のキレはない。日本チームは好調で波に乗っている。全くの互角と言っていい戦いになるのではないか。そこで日本がABCを取った場合のオーダーを考えてみよう。
例1
1番水谷対ボル、2番韓陽対オフチャロフ、3番水谷・岸川対ボル・ズース、4番韓陽対ズース、5番岸川対オフチャロフ
韓陽の2点を計算し、あとはダブルスの勝負か。ドイツは今までボルをダブルスで使ってきている。ダブルスを取った方が絶対的に有利になる。
 日本は勝てば、五輪の卓球で初のメダル獲得となる。負ければ、銅メダル決定戦に挑む。頑張れ、ニッポン!

 日本女子は銅メダル決定戦の2回戦を16日朝10時から香港と戦う。これは敗者復活戦ではない。英語ではブロンズメダルプレーオフ、銅メダル決定戦なのだ。オーストリアを下し、香港と戦う日本だが、厳しい戦いが予想される。香港は帖雅娜が2点起用で、柳絮飛と林菱のダブルスで来る。予想オーダーは、もし日本がABCをとるとこうなる。
例1
1番平野対柳絮飛、2番福原対帖雅娜、3番平野・福岡対林菱・柳絮飛、4番福原対林菱、5番福岡対帖雅娜
例2
1番福原対帖雅娜、2番平野対林菱、3番平野・福岡対林菱・柳絮飛、4番福原対柳絮飛、5番福岡対帖雅娜
日本は帖雅娜に分が悪い。帖雅娜以外のところで全部勝ち、3-1で勝利を狙いたい。もしXYZなら3-2での勝利を狙う。
 もし香港に勝っても決定戦では韓国と再び対戦するだろう日本女子。メダルまでの道は険しい。

 あっけなく終わった。予想通りである。中国香港は緊迫がないまま中国の前に屈した。お約束通りと言うべきか。3試合の合計が1時間5分の短さ。準決勝にしてはあまりにあっけない。シンガポール対韓国の激闘のあとだけに残念だ。これで日本は明日、香港と対戦する。
女子準決勝
   中国   3-0   中国香港
○張怡寧   7,4,3   帖雅娜
○郭躍    7,10、4   林菱
○王楠/張怡寧  4,9,4 柳絮飛/林菱
写真は左から張怡寧、郭躍、緊張感のない帖雅娜
 シンガポールにとって初のメダルが決まった。韓国戦との激闘を制し、あさって17日に中国と対戦する。言わずもがな、シンガポールの3人は中国選手。リ・ジャウェイはジュニア時代にシンガポールに渡り、馮天薇は中国から日本のサンリツに来てプレーし、すぐに、なぜかシンガポール国籍を取得して強くなった。王越古も日本でプレーし、その後、いきなりシンガポールでプレー。すぐに国籍を取得できることも不思議なことだが、すべて中国で強くなった選手ばかりだ。
 同様の国は香港だが、香港と違うのはシンガポールは中国とガチンコ勝負をする点だ。そういう意味では元中国選手たちと決勝は見応えがあるものになるだろう。あっ、失敬。まだ中国と香港との試合が終わっていなかった。