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全中国運動会・速報2009

 男子団体準決勝、中国男子屈指のパワーヒッター張超が、世界ランキング2位の馬龍をゲームオール7-10からの鮮やかな逆転勝ちで下し、広東が2-0とリードして決勝進出に王手をかけた。終盤、馬龍はやや足が止まり、バックハンドにミスが多くなった。一方の張超は最終ゲーム8-10のビハインドから、中陣に下げられてバックに飛びつきながら打ったバックドライブがネットインで入るラッキーも。勝利の瞬間、張超がベンチに向かって仁王立ちで咆哮、広東応援団の大声援がそれを迎えた。

 女子団体準決勝の北京vs広東は、2番の郭炎vs劉詩ウェンが予想外の結果。劉詩ウェンの両ハンド強打を、中陣から余裕を持って受け止めた郭炎がストレート勝ちを収めた。劉詩ウェンも第3ゲームは序盤から大きくリードを奪い、何度もゲームポイントを握ったのだが…。北京は続く丁寧もストレートで右ペンドライブ型の曹幸ニィを下し、オールストレートの3-0で決勝進出一番乗りを決めた!

☆女子団体準決勝
[北京 3-0 広東]
○張怡寧 8、5、9 周芳芳
○郭炎 10、8、12 劉詩ウェン
○丁寧 8、6、5 曹幸ニィ
 男子団体準決勝、北京vs広東のトップで広東のエース馬琳が登場。対戦相手は世界ランキングを10位まで上げた実績のある侯英超。かつてはカットが苦手で、松下浩二をはじめカット主戦型に幾度となく煮え湯を飲まされてきた馬琳だが、完全にゲームを支配。時おり強打にミスは出るのだが、入った時の決定力は高く、また威力のある侯英超の連続攻撃をブロックで跳ね返して、終始主導権を握り続けた。広東、まずは予定どおりの先制点を挙げた!

●男子団体準決勝
馬琳(広東) 8、8、7 侯英超(北京)
★男子団体準決勝
[北京 vs. 広東]
 侯英超 -  馬琳
 馬龍  -  張超
 閻安  -  金義雄
 馬龍  -  馬琳
 侯英超 -  張超

・ラストまでもつれそうな試合だが、北京としては馬龍の2点獲りが必須。広東のラスト張超は侯英超のカットを打てるか?

[解放軍 vs. 山東]
 張継科 -  呉ハオ
 王皓  -  方博
 雷振華 -  周ジン
 王皓  -  呉ハオ
 張継科 -  方博

・ここまで大健闘の地元・山東だが、やはり地力の差は大きい。トップ呉ハオの金星に期待したいところ

☆女子団体準決勝
[山東 vs. 遼寧]
 李暁霞 - 楊楊
 彭陸洋 - 郭躍
 曹臻  - 常晨晨
 李暁霞 - 郭躍
 彭陸洋 - 楊楊

・4番で郭躍と李暁霞のライバル対決が実現すると面白い。遼寧は3番手の楊楊を2点起用、彼女の勝負強さに命運を託した

[北京 vs. 広東]
 張怡寧 - 周芳芳
 郭炎  - 劉詩ウェン
 丁寧  - 曹幸ニィ
 張怡寧 - 劉詩ウェン
 郭炎  - 周芳芳

・盤石の北京に比べ、やはり広東は2番手以下の層が薄い。エース劉詩ウェンが張怡寧を破れば、あるいは…?

Photo:北京市の絶対的エースである張怡寧。今大会では「大会後に結婚するのでは?」という報道も流れている
 午後の空いた時間に、報道向けにコーディネイトされた2時間半ほどの市内ツアーに参加。ホテルはかなり郊外にあるが、市内の真ん中に出てみるとさすがは人口750万人の大都市。巨大なビルが林立していた。工事はあちこちで行われているが、整備はかなり進んでいる。

 ツアーでは北京五輪セーリング競技の記念博物館などを見学。初めて見る青島の海は意外に澄んでいた。昨年には藻が大発生してセーリング競技の開催が危ぶまれ、大量のボランティアを動員して清掃したそうだが、ヨットハーバーに並んだヨットの船影には小さな魚が群れ泳いでいる。どの施設もおどろくほど新しく、おどろくほど人がいない。あまり有効には活用されていないようだ。日本でも国体などで「ハコモノ行政」と批判されることがあるが、その巨大なものという感じだ。

 下写真左は海鮮レストランで目があった渡り蟹。青島は海鮮料理で有名。
 下写真中央はヨットハーバーから見た青島のビル群
 下写真右は記念博物館に展示されていた喬雲萍(96年五輪複銀メダリスト)のラケット。現在は山東省女子チームの監督を務めている。

 お待たせしておりますが、男女団体準決勝は日本時間の午後8時スタート。会場ではフロアで写真を撮影するためのビブスに人数制限があり、取得が難航。なんとか潜り込まなければなりません。
 第11回全中国運動会のマスコット「泰山童子」。泰山は山東省にあり、道教の聖地である五つの山(五岳)の中でも最上位にある有名な山。泰山童子の頭は泰山の峻険な岩、耳は泰山にかかる雲を表しているとのこと…。
 9月27日は夜7時から、男女団体準決勝が行われる青島体育センター。本日は快晴、空気は埃っぽいが、空の色は意外なほど青い。ホテルの入り口には中国の建国60周年を祝う横断幕が張られ、10月1日の国慶節に向けて祝賀ムード一色になりつつある。

 昨日の男女団体準々決勝は、どのコートも好試合の連続。プレースタイルはペンドライブにカット主戦、ペン粒高にシェーク前陣速攻と多士済々で、右シェークドライブ型同士の対戦は少ないくらいだ。各選手ともとにかく凡ミスが少なく、ブロックも非常に堅い。大きく台を出るかと思われたボールは、粘着性ラバー独特の弧線を描いて、球速に沈み込みながらエンドラインぎりぎりに入っていく。バックハンドは打球点の高いカウンターでなければ決定打にならず、基本として決定打はフォアハンド。この意識は徹底している。

 男女団体準々決勝で敗れたチームの中から、気になる選手をピックアップ。まず下写真左は、李暁霞を2-0とリードして3ゲーム目マッチポイントを握り、あと一歩まで追い詰めた武楊(ウ・ヤン)。長い手足でとにかく拾いまくり、超級リーグで張怡寧を下した実力はダテではなかった。おかっぱ頭と相手を見据える鋭い眼光で、なにやらゾクッとくるような雰囲気。凄腕の剣豪といった感じがする。2000年世界団体戦で中国女子チームのメンバーだった王輝(現:日立化成)以来、カット主戦型としては久々に団体のメンバーに入る可能性もある。

 下写真右は、国家2軍チームの方博(ファン・ボォ)。若手らしく動き回るエネルギッシュなプレーで、陳杞と激しいラリー戦を展開した。地元・山東での全中国運動会、この大会が彼にとってひとつのターニングポイントになる可能性はある。そろそろ中国代表として国際大会に出てもおかしくはないだけに、この2、3年がトップにいけるかどうかの分かれ目となる。
 本日のラストショットはこの1枚。試合前にストレッチに余念のない王励勤、この体勢をずっとキープできる筋力は凄い。ニックネームの「王大力」は、相撲のしこ名でも違和感はなさそうです。
●男子団体準々決勝
[解放軍 3-2 上海]
 王皓 -5、6、-10、4、-6 許シン○
 張継科 -8、9、6、-5、-5 王励勤○
○雷振華 5、-9、3、5 尚坤
○王皓 6、7、7 王励勤
○張継科 6、-1、9、7 許シン

[山東 3-2 江蘇]
○呉ハオ 9、9、-10、9 林晨
 方博 -8、6、7、-10、-3 陳杞○
○周ジン 9、4、-6、8 朱江
 呉ハオ 5、-5、-6、3、-10 陳杞○
○方博 4、7、6 林晨

[北京 3-0 河北]
○侯英超 9、3、10 崔慶磊
○馬龍 5、1、8 劉イェン
○閻安 -7、5、9、7 ジャイ超

[広東 3-1 天津]
○馬琳 10、7、4 李平
 張超 9、-8、6、-10、-13 ハオ帥○
○金義雄 -5、9、8、7 劉希博
○馬琳 7、-8、9、-9、7 ハオ帥

 男子団体準々決勝の結果は上記のとおり。
 ラストに勝敗がゆだねられた上海と解放軍の一戦は、張継科が許シンを下し、優勝候補筆頭の解放軍が逆転勝ち。張継科はゲームカウント1-1の第3ゲーム、許シンに終始リードされながらも終盤で9-9に追いつき、10-9から許の裏面ドライブを前陣フォアドライブで打ち抜いた。第4ゲームも7-3のリードから7-7に追いつかれる苦しい展開だったが、最後は台から距離を取る許シンのフォアミドルに回転のかかったバックドライブを集め、許シンを崩してポイントを稼いだ。10-7のマッチポイントからも、ミドルを攻められた許シンがゆるくつないでくるボールを、フォアストレートに打ち抜き、許シンは一歩も動けず。人差し指を観客席に高々と突き上げた張継科が、故郷に錦を飾る劇的な勝利を挙げた。
 江蘇は陳杞が国家2軍チームの方博と呉ハオに苦しみながらも2点を奪ったが、2番手以降の層の薄さを突かれて地元・山東に惜敗。ドイツから帰国した馬文革がベンチに入った天津は、ハオ帥が充実のプレーを見せたが、馬琳率いる広東に押し切られた。

下写真左:許シンを破り、チームの準決勝進出を決めた瞬間の張継科
下写真中央:張継科に熱い声援を送る解放軍ベンチ
下写真右:陳杞は不調ながらも2点を挙げたが、チームは2連覇への夢を絶たれた
●女子団体準々決勝
[北京 3-0 黒龍江]
○郭炎 9、7、-9、4 張瀟玉
○張怡寧 6、-11、8、5 王シュアン
○丁寧 -6、7、8、12 車暁曦

[広東 3-1 解放軍]
○劉詩ウェン 8、8、8 木子
 曹幸ニィ -7、9、-6、7、-8 文佳○
○周芳芳 -8、6、8、3 陳虹羽
○劉詩ウェン 7、9、-4、9 文佳

[遼寧 3-1 江蘇]
 常晨晨 -8、4、2、-4、-8 范瑛○
○郭躍 6、7、7 張薔
○楊楊 -9、8、6、-2、13 陳晴
○郭躍 10、-9、6、-9、4 范瑛

[山東 3-0 山西]
○李暁霞 -8、-8、10、9、7 武楊
○曹臻 -11、8、10、7 李暁丹
○彭陸洋 5、-14、8、9 楊飛飛

 女子団体でベスト4が出揃った。いずれの試合も競り合ったが、格上のチームが地力の差を見せたか。広東は劉詩ウェンが攻め込まれながらもミスのないバックハンドを軸にじっくりと盛り返し、ラリー戦を制して2得点を挙げ、エースの重責を果たした。地元・山東省と山西省の「東西対決」は、トップで李暁霞が逆転勝ちを収めた山東省に軍配。山東チームはオレンジのTシャツで揃えた大応援団が選手たちを後押しした。
 明日は午前・午後に順位決定戦が行われ、午後7時(日本時間:午後8時)から団体準決勝が行われる。

 下写真左は劉詩ウェン、右は彭陸洋。彭陸洋の長身は会場でもひときわ目を引く
 第1コートの上海vs解放軍は、ついにラストへともつれ込んだ。
 許シンが王皓を、王励勤が張継科をともにゲームオールで下し、2-0と勝利に王手をかけた上海だが、解放軍も軍人の意地に賭けて、負けるわけにはいかない。3番で雷振華が国家ジュニアチームの尚坤を3-1で下し、そして4番では王皓が積極的なフォアドライブ攻撃を見せて王励勤を完封した。王皓、交際している彭陸洋と一緒に試合をしていたため、気合いが入っていたか…?

 ラストは上海が許シン、解放軍が張継科。張継科はこの全中国運動会が行われている青島の出身だ。観客の声援は張継科に集まりそうだが、果たして勝負の結末は?