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全中国運動会・速報2009

 試合の合間や、表彰式の前に行われたブレイクダンスと、かわいい少女たちの卓球ダンス。
 明日はいよいよ個人戦がスタート。中国の無名の実力派をピックアップしていきましょう!
★男子団体5番
張継科(解放軍) 4、-4、6、8 馬琳(広東)

 張継科が弱気の虫を吹き飛ばし、馬琳を下して解放軍に2大会ぶりの優勝をもたらした!

 得意のバック連打で6-0とスタートダッシュをかけ、幸先良く第1ゲームを先取した張継科。しかし、第2ゲームは馬琳がサービスの種類を変えてきたのに対応しきれず、4-8から連続で3球目フリック強打を浴び、1-1のタイに戻された。
 第3ゲームは馬琳が4-1とリード。百戦錬磨の馬琳の前に勝機が薄くなったかと思われた張継科だったが、ここから強気のフォアドライブを連発、見違えるようなプレーを見せる。5-4と逆転したところで、張が馬琳のネットインを拾ってフォアドライブで盛り返し、バックドライブを決める。会場は今大会一番の熱狂に包まれ、そのムードに乗って張継科はなんと8点連取で9-4とし、11-6でこのゲームを奪う。

 第4ゲームは3-3、4-4、6-6と点差が離れない。張継科7-6のリードで馬琳がタイムアウト、張継科8-7で馬琳のフォアドライブに堂々とバックドライブで引き合い、9-7。会場のボルテージはさらに上昇。観ている者もここまで来れば、やはり張継科に勝たせてあげたいと思うのが人情か。
 9-8、馬琳がサービスのトスを上げる直前に張継科がタイムアウト。馬琳が「張継科加油!」の声にサービスの構えを外し、場内からはブーイング。両者ともリズムの崩し合い、待ちの外し合いだ。9-8から張継科のバックドライブを馬琳がカウンターミス。10-8でマッチポイント。静かにコートを見つめ、集中力を高める張継科。そして最後はフォアクロスの打ち合いを張継科が制した!

 張継科、ベンチに駆け寄る余裕もなく、自分の体を支えきれず、フロアにバッタリと大の字。フェンスを蹴倒して、その上に殺到するチームメイト。場内には大歓声の合間を縫ってクイーンの「We are the Champions」が流れた。
 2番での悔しい敗戦は、このラストでの歓喜へのお膳立てか。この勝利で張継科はひと回り成長し、日本にとってさらに怖い存在になるかもしれない。


 現地時間で23:00を回ったこの男子団体決勝。どの選手も緊張の色は隠せず、もつれた印象のある試合ではあったが、張継科の清々しい戦いぶりには目を見開かされた。こんな試合を見ると多少の疲れは吹っ飛んでしまう。試合が何時までかかっていようとも、見られて本当に良かった。そんな思いに包まれる幸せな夜です。
 詳しい報道はぜひ王国本誌にご期待下さい!
★男子団体決勝・4番
王皓(解放軍) 3-1 張超(広東)

 決勝4番は王皓がやや苦しみながらも張超を退け、試合は2-2のタイに。張超はややバックが弱く、守備力が低いところを突かれた。第3ゲーム3-7のビハインドから張超が11-8とよく逆転したが、第4ゲームは最後まで王皓のリードを守りきられた。

 決勝5番は張継科vs馬琳!
★男子団体決勝・2番
張超(広東) -15、-10、6、5、9 張継科(山東)

★男子団体決勝・3番
雷振華(解放軍) 12、4、5 金義雄(広東)

 男子団体決勝は総力戦の様相を呈してきた。
 2番では解放軍の張継科が最終ゲーム、5-0、8-4と大きくリードしながら9-9に追いつかれ、逆転負け。9-9でフォア前に浮いたボールを張継科が打てず、張超のパワードライブを浴び、最後はここまで有効だったフォア前をバックで回り込むチキータでのレシーブがネットミス。凱旋した若き英雄の痛恨の敗戦に、会場はため息に包まれた。もしラストに回るとしたら、張継科は馬琳との一戦に名誉回復を期すことになるが…?

 3番は戦前の予想どおり、解放軍の雷振華が快勝。日本では無名に近い雷振華だが、長身でバックの守りが堅く、一発のパワードライブは国家チームでもトップクラスの威力がある。広東の金義雄も軽いフットワークでドライブを打ちまくったが、決定打にミスが多く、まだまだ粗い印象は否めなかった。
 男子団体決勝の2番、張継科vs張超の一戦も、ゲームオールまでもつれている。青島出身の張継科が第1ゲーム9-10、第2ゲーム8-10とゲームポイントを跳ね返して2ゲーム連取したが、ここから攻撃の手数が減り、積極性を失って張超の反撃を許している。地元青島の大声援に、果たして21歳の青年は応えることができるか? 
 会場には人民解放軍の兵士も集団で応援に訪れている。
★男子団体決勝1番
馬琳(広東) -4、-5、8、10、8 王皓(解放軍)

 世界ランキング1位と4位の対戦は、1位の王皓に軍配が上がった。
 第2ゲームまでは完全に王皓ペース。王皓はその最大の武器である裏面ドライブの威力を存分に発揮、裏面フリックからの裏面カウンターブロック、バックストレートからバッククロスへの連続裏面ドライブなど、すばらしいプレーで馬琳を圧倒する。バック対バックでは分が悪い馬琳、第3ゲームからやや間合いを長く取り、サービスを巧みに変化させながら王皓のミスを誘って心理戦に持ちこむ。第3ゲームは11-8で馬琳が1ゲームを奪い返す。

 両者とも勝負を賭けたのが第4ゲーム。出足で馬琳のサービスミス、王皓のネットインがあって王皓が3-0とリード、王皓5-2のリードとなったところで、馬琳が自分からタイムアウトを取る。王皓が7-3とリードを広げるが、ここから馬琳はバックのカット性ショートなどで追いつき、9-9。次の一本で王皓のサービスに対する馬琳のストップがオーバーして王皓がマッチポイント。
 しかし、次の一本を王皓が決めきれない。逆に馬琳が11-10として、強烈なパワードライブを王皓のミドルへ打ち込み、13-11でゲームオールへ持ち込む。

 第5ゲームは馬琳が5-2とリードしてチェンジコートするが、王皓が5本連取で7-6と逆転。7-7、8-8と一進一退の攻防に、双方の大応援団の声援が青島体育センターのドーム天井にこだまする。勝者は馬琳。8-8から大きく飛びつき、よく戻ってバックカットでしのいだボールを王皓がミス。3点連取で熱戦に決着をつけた!
★男子団体決勝
[解放軍 vs. 広東]
1.王皓  - 馬琳
2.張継科 - 張超
3.雷振華 - 金義雄
4.王皓  - 張超
5.張継科 - 馬琳

 トップでいきなり王皓と馬琳の対決が実現。世界最高峰のペンホルダー対決は、勝負の行方を左右する大一番となった!
 まもなく男子団体決勝がスタートする青島体育センター。決勝が始まる前に栄養をつけようと、メディアやボランティア用の食堂へ。その途中で場内の行き先表示に「卓球場」なる表示を見つけ、喜びいさんでその卓球場へとたどり着いてみると…。

 なんと、もともとの目的地だった食堂。フロアで卓球競技が行われる一方で、卓球場が食堂になっていたとは…。ちなみに今日の夕食のメニューは豚足の煮込み、ニラと卵の炒め物、ピーマンの炒め物、海老の塩茹で等々。ご飯はポソポソですが、味と栄養バランスはなかなか。
 女子団体決勝と表彰が終わってから、2時間30分近く時間が空きます。テレビ中継との関係なのでしょうか。観客は入れ替え制なのか、ひとりもいなくなり、報道席もガラガラ。

 写真は中国中央電視台(CCTV)から取材を受ける高橋発行人。通訳は偉関絹子さん、インタビューをしているのはCCTVの周到さん。中国の卓球雑誌「ピンパン世界」にも記事を書いている才媛です。
 ハードヒッター同士の対戦となった女子団体決勝3番。
 郭炎はチームの勢いそのままに、曹臻を出足から9-0までリードし、あわやラブゲームかと思われる快進撃。そのフォアドライブはまるで小さな砲丸。体重がグッと乗ったボールは見るからに重い。ここ数年は試合中もややおとなしい印象があったが、この試合はエンジン全開で「チョー!」を連発。エースコックのスーパーカップに出演した当時を思い出させた。さしもの全中国運動会と言えど、日本のCMに出演した経験がある選手は郭炎ぐらいだろう…。
 第2ゲームはシーソーゲーム、曹臻が8-7と一歩リードしたが、ここから郭炎が4点連取で逆転。パワードライブをミドルへ集め、決定率が非常に高かった。曹臻はバックサイドを切ってくる郭炎のバックのループドライブに対し、思い切って回り込めず、バック主体の守勢のプレーを強いられた。

 勝利の瞬間、ベンチからコートへ飛び出し、抱き合った北京チーム。まざまざとその強さを見せつけた。次回の大会では郭炎が引退し、張怡寧もプレーを続けているかどうかわからない。チームも若返りが求められるが、少なくとも今大会で最も強い女子チームだったことは間違いない。