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速報・現地リポート

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全中国運動会・速報2009

●女子シングルス2回戦・速報
丁寧(北京) 4-0 張瑞(香港)
張瑩瑩(江蘇) 4-0 帖雅娜(香港)
劉詩ウェン(広東) 4-0 薛絲雨(上海)
馮亜蘭(湖北) 4-0 范瑛(江蘇)
張怡寧(北京) 4-0 ニエ維(四川)
蔡賽(広東) 4-2 木子(解放軍)
張瑩瑩(江蘇) キケン 帖雅娜(香港)

 范瑛のカットを見事に打ち抜いた馮亜蘭(下写真)は湖北省武漢市の出身。体はそれほど大きくないが、力強いスイングは体幹の強さを感じさせる。安定感とパワーを兼ね備えたカット打ちは見事で、カットを打った後の戻りの早さ、フットワークの早さも見逃せない。06年に世界ジュニアで優勝してから、なかなか中国代表に選ばれる機会がないのは、やや一本調子になりがちなプレースタイルのゆえか。また、馮亜蘭が勝利したことで、次の対戦相手であり、カット打ちが苦手な丁寧は当たりが楽になったか。
 男子ダブルス1回戦、超級リーグの四川全興で活躍する邱貽可と王建軍の名コンビが登場。王建軍は国家チームでは柳承敏(韓国)の仮想選手として有名で、中国では本当に数少ない日本式ペンホルダードライブ型だった。しかし、今大会では中国式ペンホルダーとして登場、遼寧のペアを寄せ付けない強さで1回戦を突破した。

 これは、中国が柳承敏に対するマークを外したということなのか。そうだとしたら、仮想選手の任務から解放されたことになる王建軍。「これこれ、やっぱりこっち(中国式)だよな…」と中国式ペンをなでながら呟いている…かもしれない。

●男子ダブルス1回戦
邱貽可/王建軍(四川) 3-0 李偉龍/劉吉康(遼寧)
 女子シングルス1回戦、裏面打法全盛の中国にあって、裏面打法を織り交ぜながらも基本に忠実なバックショートを主戦に戦う張瀟玉(黒龍江/下写真右)と張瑞(香港/下写真左)が対戦。右ペンホルダーの本格派同士、横回転性ショートとプッシュショートを巧みに織り交ぜ、チャンスには切れのあるフォアドライブで攻める。
 球威にまさる張瀟玉が3-0とゲームをリードして、そのまま試合を決めるかと思われたが、ここから百戦錬磨の張瑞が粘る。ショートに緩急をつけ、切れたツッツキから張瀟玉のループをカウンターで狙い打つ。張瀟玉は試合終盤になって、やや気性の荒さが出てしまい、しぶとい張瑞のプレーに我慢しきれなかった。最終ゲームは10-9から張瀟玉のレシーブがネットにかかり、あっけない幕切れとなった。

●女子シングルス1回戦
張瑞(香港) 4-3 張瀟玉(黒龍江)
 午後2時にスタートした女子シングルス1回戦。女子団体で圧勝した北京市チームの隠し球、朱虹(下写真左)がその強さを見せつけた。フロシュベルグ(オーストリア)などヨーロッパのクラブチームで活躍したカット主戦型。国家チームでは、金キョン娥(韓国)ら海外のカット主戦型の仮想選手だ。打球点の高いカットに加え、特筆すべきはその攻撃力。対戦相手だった楊楊(下写真右)がカットを打ちあぐむと、中陣から前に踏み込んで強烈なドライブを放ち、打ち抜く。打ち抜かないまでも一気に優位に立ってしまう。范瑛、武楊、朱虹と3人の中国女子のカット主戦型を見てきたが、総合力では范瑛、守備力では武楊、そして攻撃力ではこの朱虹か。

☆女子シングルス1回戦
朱虹(北京) 4-0 楊楊(遼寧)
●混合ダブルス2回戦
ジャイ一鳴/常晨晨(遼寧) 8、12、9 許シン/姚彦(上海)
閻安/丁寧(北京) 8、10、8 許鋭鋒/ニエ維(四川)
徐克/劉純(解放軍) -9、7、5、9 朱文韜/饒静文(湖北)
王皓/文佳(解放軍) -12、5、7、5 馬龍/郭炎(北京)

 出場ペアが16ペアの混合ダブルスは、2回戦(準々決勝)が終わって早くもベスト4が決定。解放軍のペアが2組ベスト4に残った。

Photo:06年世界ジュニア決勝で松平健太に敗れた徐克(左)と、劉純のペア
 混合ダブルス2回戦、馬龍/郭炎(北京)vs王皓/文佳(解放軍)。優勝候補同士の対戦が早くも実現。文佳は08年の全中国選手権チャンピオン。
 試合は第1ゲームからデュースにもつれる接戦となった。郭炎のボールは王皓でも押し込まれるほどの威力があり、文佳は馬龍の中陣からのパワードライブをいともたやすくブロックしてしまう。第1ゲームは逆転で馬龍/郭炎が取ったが、第2ゲーム以降は王皓/文佳が王皓の台上テクニックと、文佳のサウスポーの利点を活かしたワイドなコース取りで優位に立ち、第2ゲーム9-3、第3ゲーム7-2と中盤でリードを広げて連取。第4ゲームも3-3から8-3と大きくリードし、そのまま勝利を決めた。
 昨日の男子団体で優勝メンバーとなった王皓、男子ダブルスにも張継科とのペアでエントリーしており、前人未到の4冠王の可能性も残している。

 混合ダブルス全体を見ていても、浮いたボールを男子に強打されることがなければ、女子選手といえどもそうそうノータッチでは抜かれない。中国は女性が強く、男性は恐妻家が多いと言われるが、混合ダブルスでもお国事情は変わらないのか…。世界選手権横浜大会では混合ダブルスで主力選手を温存し、若手選手中心のエントリーで臨みながら、ベスト4を独占した中国。ほとんど混合ダブルスの練習はしないそうだが、男子ダブルスに引けを取らないダイナミックなプレーの連続だ。

●混合ダブルス2回戦
王皓/文佳(解放軍) -12、5、7、5 馬龍/郭炎(北京)
 今年5月の全中国運動会予選で、3組のペアが混合ダブルス予選を突破する健闘を見せた河北。そのうちのひと組が汪佳男/牛剣鋒。03年プロツアーファイナル優勝の牛剣鋒はまだご記憶の方も多いと思うが、左シェークドライブ型の汪佳男もかつては超級リーグなどで活躍した実力派。流しフリックなどのテクニカルなプレーで対戦した馬龍/郭炎(北京)を苦しめたが、さすがに相手が悪かったか、威力ある連続ドライブ攻撃を浴びて敗れた。
 汪佳男は出場選手の中ではかなりのベテラン。どうしても頭に目がいってしまう。動きも若い選手のキビキビした動作に比べると、ボールを拾いに行って戻る時なども、キュッと戻れない。一瞬の間があるのです…。

●混合ダブルス1回戦の主な結果
馬龍/郭炎(北京) 3-0 汪佳男/牛剣鋒(河北)
朱文韜/饒静文(湖北) 3-2 邱貽可/李茜(四川)
許シン/姚彦(上海) 3-1 唐鵬/姜華君(香港)
 4試合が同時にスタートした混合ダブルス1回戦。最後に残ったひと試合が、崔慶磊/白楊(河北)vs許鋭鋒/ニエ維(四川)。国家2軍チームの崔慶磊、許鋭鋒はともに体格の良い右シェークドライブ型、身体能力も高く、踏み込んで打つパワードライブは破壊力がある。

 そして、この全中国運動会を最後に引退する白楊は、03年世界選手権パリ大会、05年世界選手権上海大会で劉国正と組み、混合ダブルスで2大会連続準優勝。03年パリ大会決勝で惜敗してタイトルを逃し、真っ赤に泣きはらした写真が強く印象に残っている。戦型は左シェーク、フォア表ソフトの前陣速攻型。将来を嘱望された選手のひとりだったが、すでに国家チームを引退し、河北女子チームが団体準々決勝で敗れた今、残り少ない現役での試合を、ひとつずつ戦うだけだろう。

 最終ゲーム9-8から許のパワードライブを白楊がカウンタースマッシュで決め、10-8でマッチポイントを握ったこの試合。しかし相手ペアに追いつかれ、デュースからは白楊のレシーブミス、そしてニエ維のバック強打が白楊のフォアサイドを駆け抜けた。白楊はまたも悲劇のヒロインになってしまったが、牛剣鋒との名コンビで挑む女子ダブルスが残っている。メダル獲得のチャンスも十分にありそうだ。
 昨日の男子団体ラスト、張継科の劇的勝利の余韻がいまだ冷めやらぬ編集部チーム。午前8時半の体育館行きバスに乗り、混合ダブルス1回戦がスタートする青島体育センターへ。

 メディアシートに来てみると、身長190cmはあろうかという巨漢のスタッフが、編集部チームの定位置に陣取って新聞を熟読中。ボランティアの女の子が、「この人たちに空けたほうがいいんじゃないの?」と言ったら、「こんなに空いてるんだから、どこでも他で良いだろう」と不機嫌にひと言。大学生を中心としたボランティア「志願全運」の子たちは、みんな非常に親切なのだが、何をしているかわからないスタッフがたくさんいるのは中国らしいところ。いけませんねえ…。

 「新聞なんてどこでも読めるだろう」と言いたかったが、読み終わるまで静観。いかついけど、そんなに悪い人ではないのかな…?
 宿泊している米蘭風尚酒店の朝食は、ビッフェ形式。毎朝ちょっとずつメニューが変わっていく。お粥や油条ももちろんある。トマトとスイカが美味しく、脂っこい料理の合間にうれしい存在。