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速報・現地リポート

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全中国運動会・速報2009

 9月30日の青島体育センターは、混合ダブルス準決勝&5~8位決定戦が行われている。準決勝のひと試合、王皓/文佳(解放軍)と徐克/劉純(解放軍)の先輩・後輩対決は、ストレートで王皓/文佳に軍配。若手の徐克/劉純はまるで蛇ににらまれたカエルのようで、プレーに精細を欠いた。
 今日は男子シングルスがベスト8決定戦、女子シングルスが準々決勝まで進む。男女シングルスのベスト8決定戦の対戦カードは以下のとおり。


☆女子シングルス3回戦(ベスト8決定戦)
※日本時間の午前11時30分スタート

張怡寧(北京) vs. 蔡賽(広東)
彭陸洋(山東) vs. 張瑩瑩(江蘇)
丁寧(北京) vs. 馮亜蘭(湖北)
劉詩ウェン(広東) vs. 曹臻(山東) 
李暁霞(山東) vs. 王シュアン(黒龍江)
郭炎(北京) vs. 李暁丹(山西)
姜華君(香港) vs. 饒静文(湖北)
郭躍(遼寧) vs. 姚彦(上海)

・注目カードは劉詩ウェンvs曹臻。高速ラリー戦が展開されそうだ。その他の試合には、一見して番狂わせが起こりそうなカードはない。

★男子シングルス3回戦(ベスト8決定戦)
※日本時間の午後15時・16時30分・20時45分に分けて行う

王皓(解放軍) vs. 唐偉(内蒙古自治区)
陳杞(江蘇) vs. 金義雄(広東)
許シン(上海) vs. 王建軍(四川)
馬琳(広東) vs. 閻安(北京)
王励勤(上海) vs. 侯英超(北京)
邱貽可(四川) vs. ハオ帥(天津)
張継科(解放軍) vs. 張ユク(香港)
馬龍(北京) vs. 張超(広東)

・優勝候補の選手はまず問題なくベスト8に勝ち上がりそう。馬龍は団体準決勝で敗れた張超との対戦、きっちりリベンジを果たしたいところ。
 現地時間の午後9時45分から、CCTV(中国中央電視台)のスポーツチャンネルで、昨日撮影された高橋発行人のインタビューが放映された。
 担当ディレクターの周到さんによると、放送が始まるのは午後9時から。「もうテレビ中継は終わっているだろう…」と思いながら、選手が取材を受けるミックスゾーンを通りがかった高橋発行人と今野編集長。なんとそこに置いてあった大型ハイビジョンに、ちょうど高橋発行人のインタビューが!
 テレビを囲む報道陣から、やんやの喝采や握手攻めを受けた高橋発行人、さすがに強運。果たして中国人民13億人のうち、何人が見てくれたのでしょう?
★男子シングルス2回戦の一部・速報
王皓(解放軍) 4-1 白鶴(江西)
馬琳(広東) 4-1 柳洋(解放軍)
馬龍(北京) 4-0 孫建(北京)
陳杞(江蘇) 4-3 楊暁夫(山東)
許シン(上海) 4-2 徐輝(遼寧)
侯英超(北京) 4-0 梁柱恩(香港)
張継科(解放軍) 4-0 許鋭鋒(四川)
王励勤(上海) 4-0 呉ハオ(山東省)

 シード選手が登場する男子シングルス2回戦、優勝候補は続々と3回戦(ベスト16)進出を決めている。国家チームのトップクラスで、唯一危ない試合だったのは陳杞。右シェークオールラウンド型・楊暁夫の懐が深く、守りが堅いプレーにペースを崩されて苦しい展開だったが、ゲームオール11-9できわどくかわした。

 男子シングルス1・2回戦では、あえて速報担当も知らないマイナーな選手にスポットをあてていますが、トップ選手のプレーは明日以降また詳しくお伝えします。

Photo左:さりげなく出す巧みな変化サービスと、あふれる打球センスで陳杞を追い詰めた楊暁夫
Photo右:ペンドライブ型の先輩、徐輝を下した許シン。右ひざにテーピングをしていたが、それほど心配はなさそう。中陣からの球足の長いドライブは健在だ
 男子シングルス2回戦、世界ランキング24位の江天一(香港)が唐偉(内蒙古自治区)に2-4で敗れた。
 左ペン表ソフト速攻型の唐偉は180cmに迫る長身で、浅黒く灼けた肌は見るからに精悍な印象。16歳で河北省チームから内蒙古自治区チームに入った移住選手で、全中国運動会の男子ダブルス予選で馬琳/張超ペアを破る大金星を挙げている。チキータ、裏面ドライブ、カット性ショートとどの選手も多彩な技術を操るなかで、この唐の戦い方は極めて単純、「ひたすら叩く」。信じられないことに、バックショートはほとんど使わない。相手の強打に対してもツッツキに対しても、ひたすら強打とカウンタースマッシュ。非常にコースが厳しく、クロスのボールはサイドを切り、ストレートのボールはシュートしながら逃げていく。世界選手権ベスト16の江天一ほどの選手が、ほとんどブロックすることができなかった。
 
 観客席には5人ほどの内蒙古自治区の応援団が陣取り、すばらしい大声量の応援で唐偉を後押しした。一世一代の当たりを見せた唐のプレーに、試合後彼らは「ヤッ!」「オゥ!」という雄叫びを発しながら、興奮した様子で観客席を後にしていた。

★男子シングルス2回戦
唐偉(内蒙古自治区) 4-2 江天一(香港)
 広東男子チームの3番手である金義雄が、格上と思われた李平(天津)を完璧に打ち砕いてベスト16進出を決めた。団体戦の決勝トーナメントでは勝ち星が稼げず、台上の甘さとバックハンドの弱さを突かれて大きく動かされている印象があったが、そのフットワークのスピードは抜群。フォアに大きく振られた時でも平行に飛びつき、すぐにバックへ戻ることができる。ベスト8決定戦では陳杞(江蘇)と相まみえることになりそうだ。

●男子シングルス2回戦
金義雄(広東) 4-0 李平(天津)
 女子ダブルス1回戦、優勝候補の一角である李暁霞/彭陸洋(山東)をあと一歩まで追い詰めたのが、広西チワン族自治区の女子チームから参戦した呉メイ(女+眉)/殷傑。左右のシェーク攻撃型同士のペアで、李暁霞/彭陸洋からゲームカウント2-1とリードを奪い、第4ゲームはデュースの接戦。第5ゲームも6-10から9-10まで追い上げたが、あと一歩及ばなかった。
 長く低迷が続く広西だが、かつては謝賽克、周宏、李春麗(リー・チュンリー)らを輩出した名門。そして忘れてはいけない、偉関晴光・絹子夫妻も広西の出身だ。観客席にはコーチとして広西チームに帰ってきた謝賽克が陣取り、声援を送りながらも戦況を見つめていた。古豪復活の気配だ。

☆女子ダブルス1回戦
李暁霞/彭陸洋(山東) 3-2 呉メイ/殷傑(広西)
 フロアでひときわ目立つアンドロのウェア。それほど強豪とは言えない江西省チームから、ただひとりやって来た白鶴は、体格が良く、非常にオーソドックスなタイプのシェークドライブ型。高橋発行人は清酒「白鶴」のCMに出そう!と言ってました…。プレーはなかなか淡麗、かつキレのある辛口ながら、試合は王偉(河南)のカットと鋭い攻撃の前に大苦戦。ゲームカウント2-0から2-3とゲームをひっくり返され、最終ゲームも何度もマッチポイントを握られながら、根性の逆転勝ち。観客席に向かって高々と手を突き上げた。男子シングルス1回戦で最ももつれた一戦だけに、甘口な結果になって何より。
 ちなみに中国では「白」姓はそれほど珍しくないが、白鶴という名前の人は一体何人いるのか。「黄桜」なども結構いそうだ。

★男子シングルス1回戦
白鶴(江西) 4-3 王偉(河南)
 午後7時からスタートした男子シングルス1回戦。会場にはペン表ソフト速攻型の選手が目立つ。メディアシートの目の前の6番コート、2番コートでは孫建(黒龍江)、賈明(山西)というふたりのペン表が試合をしている。日本では全く無名のふたりだが、孫建はわしづかみグリップで、裏面ドライブを操るサウスポー。バッククロス、フォアストレートへの台上スマッシュはコースが読みにくく、相手はほとんどブロックできていない。賈明も裏面は貼っているが、激しいバックプッシュを得意としている。表ソフトが発する乾いた音が響き続けている。
 孫建は山東のホープ方博をゲームカウント2-0とリード、賈明は残念ながら王建軍(四川)にストレートで敗れた。下写真左が孫建、右が賈明。
●女子シングルス2回戦
郭炎(北京) 4-2 陳夢(山東)

 第4コートで行われ、女子シングルス2回戦で最後まで残った一戦は、郭炎(下写真左/北京)vs陳夢(下写真右/山東)。昨年の世界ジュニア代表の陳夢は、さらに身長が伸び、体格が良くなった。郭炎とのゴリゴリのパワードライブの打ち合いは、さながら格闘技の迫力。バックもドライブだけでなく、プッシュ性のボールが打てる。中国の卓球雑誌「ピンパン世界」の宋斐さんも「陳夢は強くなる。国家2軍(ジュニアチーム)で一番有望だ」と太鼓判。中国女子卓球の男性化を、さらに強力に推し進める担い手となるか。
●女子シングルス2回戦・速報
王シュアン(黒龍江) 4-0 林菱(香港)
彭陸洋(山東) 4-3 羅ユエ(王+月)(湖北)
郭躍(遼寧) 4-1 盛丹丹(北京)
姚彦(上海) 4-1 麦楽楽(広東)
李暁霞(山東) 4-2 朱虹(北京)
姜華君(香港) 4-2 周芳芳(広東)
曹臻(山東) 4-2 常晨晨(遼寧)
饒静文(湖北) 4-3 文佳(解放軍)

 下写真左の羅ユエは、先ほどの馮亜蘭に続いて湖北省出身の選手。会場には少人数ながらも熱い声援を送る湖北応援団が陣取り、「羅ユエ加油! 湖北隊加油!」の声が会場に響き渡っている。今シーズンは甲Aリーグでプレーしていた羅ユエだが、そろそろ超級リーグに上がりそうだ。体格にも恵まれ、長身から水平に振り抜くフォアドライブは威力十分。彭陸洋の堅いバックブロックに対しても良く動き、良く打って互角のラリー戦を展開した。
 世界ランキング3位の李暁霞は、1回戦で楊楊に完勝した朱虹に大苦戦。先にゲームポイントを奪われた第5ゲームを取られ、1-3になっていたら危ないところだった。最後は朱虹が精神的に切れた感があった。