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全日本選手権大会

 女子ジュニア5回戦、佐藤優衣(エリートアカデミー/帝京)のベンチには元全日本女子監督の近藤欽司さん、土田美佳のベンチには明徳義塾女子監督の佐藤利香さん。白鵬女子高(京浜女子商)時代の師弟コンビがベンチに入った。結果は前陣バックハンドの強さを活かした土田選手の勝利。
●女子ジュニア5回戦
三宅(就実高)  10、4、9 鈴木(青森山田高)
高橋(徳地中) 11、10、-11、-12、8 高橋(四天王寺)
土田(明徳義塾高) -9、7、5、6 佐藤(エリートアカデミー)
永田(岩国商業) -3、9、-3、9、4 前田(ミキハウスJSC)
宋(青森山田中) 12、7、7 佐藤(尾札部中)
松本(四天王寺) 7、7、8 亀石(岩国商業高)
松平(ミキハウスJSC) -9、12、7、8 浜本(すみよし長居T・C)
谷岡(エリートアカデミー/帝京) 5、4、10 市川(名経大高蔵高)

 女子ジュニア5回戦、第1シードの鈴木、エリートアカデミーの佐藤、世界ジュニア代表の前田らが相次いで敗れた。鈴木は三宅のバックサービスに苦しみ、プレーもやや守勢に入った感があった。佐藤は土田のライジングをとらえるバックハンドに振り回された。そして前田は終盤にカットの打ちミスが連続し、順調だった第1ゲームからまさかの敗戦。伝統校の高校生選手が意地を見せた形だ。
 そして小学6年生の浜本は松平に敗戦。バックハンドは非常に威力のある浜本だが、松平にピッチの早いバックハンドで徹底してミドルを突かれ、無理に回り込んだボールにミスが出た。「中盤で守りに入ってしまったのが敗因」と試合後のコメント。しかし、小学生でのベスト16入りは見事だ。お母さんは愛知・桜丘高に留学し、92年インターハイ準優勝の実績を持つ楊菲さん。これから、まだまだ伸びていって欲しい逸材だ。
 今日1月20日は暦の上で一番寒いとされる「大寒」。しかし、東京体育館のフロアには真冬の寒さも関係ありません。好試合が目白押しの、大会第3日目のタイムスケジュールはこちらです。

10:30~/15:30~ 男子シングルス1・2回戦
15:30~ 男子シングルス2回戦
12:00~/15:30~/17:00~ 女子シングルス2~4回戦

★注目の対戦!
[男子シングルス1回戦]斎藤(埼玉工業大職員) vs. 篠原(国産電機)
[女子シングルス2回戦]伊藤(豊田町卓球スポーツ少年団) vs. 田代(日本生命)
            平野(ミキハウスJSC山梨) vs. 坂本(中央大)
            四元(東京アート) vs. 髙橋(慶誠高)

 女子シングルスが4回戦まで進み、スーパーシードの32名が登場。2試合を勝ち抜き、勢いに乗る選手と当たるだけに、福原愛、平野早矢香、石川佳純などの優勝候補も決して油断はできない。2回戦で登場する四元奈生美(東京アート)のオリジナルウェアも、観衆の注目を集めそうだ。昨日、揃って1回戦を突破し、女子シングルスの最年少勝利記録を更新した伊藤美誠、平野美宇の戦いぶりはどうか?
男子シングルスは1~2回戦が行われる。昨年、全日本通算101勝を達成した斎藤清(埼玉工業大職員)、今年も新記録を更新するのか。対戦相手は同じサウスポーの篠原(国産電機)だ。

10:00~/18:30~ 男子ダブルス2・3回戦
11:00~ 女子ダブルス2回戦
14:30~ 混合ダブルス準々決勝

10:00~/14:30~ 女子ジュニア5回戦・準々決勝
12:00~/15:00~ 男子ジュニア5回戦・準々決勝

男女ジュニアと混合ダブルスは準々決勝まで進む。青森山田vs野田学園という構図の男子ジュニア、本命不在の女子ジュニア、ともに好試合が期待できそうだ。
●女子ジュニア4回戦の主な結果
鈴木(青森山田高) 6、7、12 矢澤(横浜隼人高)
高橋(四天王寺高) 9、9、8 森田(エリートアカデミー)
土田(明徳義塾高) 7、-8、-8、6、8 丹羽(青森山田高)
佐藤(エリートアカデミー/帝京) 7、4、-7、-11、5 平野(ミキハウスJSC山梨)
前田(ミキハウスJSC) 7、6、8 森(青森山田中)
宋(青森山田中) -7、5、-9、7、9 徳永(ミキハウスJSC)
浜本(すみよし長居T・C) 4、3、4 浜畑(華頂女子高)
谷岡(エリートアカデミー/帝京) 9、5、-5、8 小鉢(中村学園女子高)

 4回戦まで勝ち上がっていた平野美宇は、高校1年生の佐藤優衣とも接戦を展開。打つボールとつなぐボールの見極めが良く、バック対バックの打ち合いでも引けをとらなかったが、最終ゲームは3-2のリードから7点連取を許して力尽きた。
 年下相手という難しい一戦を何とかしのいだ佐藤は「2-0から2-2に追いつかれた時はちょっと緊張しました。2ゲーム目が結構簡単に取れたので、ちょっと気がゆるんでしまった。5ゲーム目は集中して、挽回する気持ちで最後まで頑張りました」とコメント。試合後はホッとした表情を見せた。
●男子ジュニア4回戦の主な結果
酒井(エリートアカデミー) -8、6、8、-8、5 清野(愛工大名電高)
吉村(野田学園高) 4、2、5 澤畑(鶴岡東高)
松下(希望が丘高) 12、11、9 東(エリートアカデミー)
森薗(青森山田中) 10、5、-6、7 共田(愛工大名電高)
吉田(青森山田高) 8、-6、6、2 大野(専修大北上高)
厚谷(駒大苫小牧高) 12、6、10 吉村(青森山田中)
有延(野田学園高) 4、10、8 徳永(希望が丘高)
村松(エリートアカデミー) -9、6、9、4 平野(愛工大名電高)
町(青森山田高) 7、5、8 寺坂(関西高)

下写真左:前回大会に続いてベスト16入りを果たしたカットの厚谷(駒大苫小牧高)
下写真右:バックドライブの威力では一般でも上位クラスの吉村(野田学園高)
●女子シングルス1回戦
高橋(徳地中) 8、7、-8、2 齋藤(札幌Unity)

 83年世界選手権団体準優勝のメンバー、女子シングルスでは最年長選手である齋藤(旧姓:新保)。現在は札幌大谷中・高で選手たちを指導し、今大会でも常にどこかで選手のベンチに入っていた。打球点の高いバックカットの変化は健在だったが、対戦相手の高橋は常に油断なく齋藤のカットに備え、落ち着いて攻略した。
「全日本の舞台はいつも緊張します。今は自分の練習はしないで、札幌大谷中・高のコーチをしながら、その延長でこの大会に来た。予選ではその教え子をつぶして、勝負の厳しさを教えています。全日本で負けると本当に悔しい。それだけ重みのある大会です。来年もまた来られるように頑張ります」(齋藤)。
<混合ダブルス4回戦>
松平/石川(早稲田大/ミキハウスJSC) 5、8、3 北村/森永(愛知工業大)
水野/梶本(東京アート/東京電力) -7、9、9、6 荻原典/荻原史(JR北海道)
池田/松浦(明治大/アスモ) 5、8、6 石川/富尾(近畿大)
塩野/亀崎(東京アート/早稲田大) 7、8、7 御内/下之段(早稲田大/大阪経済法科大)
阿部一/阿部恵(リコー/サンリツ) 3、6、6 藤本/玉石(同志社大)
吉田/小西(両選手とも個人) -5、9、-8、13、7 上田/森薗(青森大/青森山田高)
森田/照井(シチズン/早稲田大) 11、6、9 森本/三浦(愛知工業大) 
瀬山/坂本(中央大) 4、8、7 藤井/鳥居(近畿大/神戸松蔭女子学院大)

下写真:上田/森薗に逆転勝ちした吉田/小西。吉田のパワードライブを取るのは、女子選手には至難の業だ
「愛ちゃんの記録は意識してました。記録が更新できてうれしいです。練習してきたことを発揮できたのが勝因だと思います。明日はもっと強い相手なので、明日に備えたいです」と試合後の伊藤美誠選手。ライバルの平野美宇選手について聞かれると、「美宇ちゃんのことは特に意識していません」と勝ち気なコメントも。明日の2回戦では、田代(日本生命)の胸を借りる。
●女子シングルス1回戦
平野(ミキハウスJSC山梨) 4、10、7 市原(明徳義塾高)
伊藤(豊田町スポーツ少年団) 7、6、-6、5 松田(東北福祉大)

 女子シングルス1回戦、99年に福原愛が作った一般シングルス最年少勝利の記録が、11年ぶりに塗り替えられた。しかも二度も!

 まず最初に18コートに登場した平野美宇は、試合開始からいきなりサービスエースで2点連取。この年代の選手は、当たれば強いが自滅するのも早い前陣強打型が多いが、平野は切れたツッツキからの前陣バックハンド、そしてダブルストップからのフォアドライブと、実に大人びたプレーを披露。第3ゲームは7-5から、ネットインの厳しいボールを拾って8-5とし、一気に10-5でマッチポイント。最後は10-7から、やはり平野が5球目でツッツキしたボールに対し、市原のバックドライブが空を切って、10歳9ヶ月での最年少勝利を挙げた。

 そして、ほぼ同時に進行していた伊藤美誠の試合も、伊藤がサービスを利かせて2-0とリード。1ゲームを取り返されたが、第4ゲームから気合いを入れ直し、一本一本声を出してプレーしていた。そして何重もの人垣がコートを取り囲む中で、ついに伊藤が勝利! 平野とは同学年の伊藤だが、こちらは10歳2ヶ月ということで、さらにシングルスの最年少勝利記録を塗り替えることになった。

 「一般なのかジュニアなのか、コートを見ていても分からない」そんな声も聞こえてくる、今年の全日本だ。
●女子ジュニア3回戦
平野(ミキハウスJSC山梨) 3、-6、8、4 長田(中村学園女子高)
●男子ジュニア3回戦
丹羽(青森山田高) 2、2、8 江口(北陵高)
吉田(青森山田高) 1、8、5 河島(滝川第二高)

 男女ジュニア3回戦、スーパーシード勢が続々登場。男子ジュニアでは、2連覇を狙う高校1年生の丹羽孝希が、あっという間のストレート勝ちで4回戦進出。今年の全日本はこれが初めての試合だが、出足からエンジンは全開だ。
 そして、女子ジュニアの平野美宇は、外シードの長田(中村学園女子高)に勝利し、昨年敗れた3回戦からひとつ上へ駒を進めた。平野の前陣での攻守に対し、長田はやや台から距離を取り、フォアストレートへのドライブをうまく使ってミスを誘ったが、平野はツッツキ合いでも無理打ちをせず、落ち着いてポイントを重ねた。一般シングルスでの最年少勝利にも、大いに期待が持てそうだ。